こんにちは、セツコの豪遊の長谷川まるです。
仕事とお芝居、そのどちらでも輝く人を追うはたらく役者さん、第5回目!!
今回お話を伺うのは林揚羽(@numbbump)さんです!林さんは現在メーカーの海外営業の仕事されており、「四つ打ち演劇」を掲げ活動されているしあわせ学級崩壊では劇団員として制作と宣伝美術の仕事もこなされています。
新卒1年目で名古屋での勤務が決まり、慣れない生活の中でも自らの演劇活動の地盤をしっかり築かれ、東京での活動も両立されていた林さん。そのお芝居との向き合い方のお話は、環境が変わり演劇との関わり方に悩む全ての方にとって大変学びのあるものだと思います!!又、制作や宣伝美術もこなされてきた林さんだからこそ分かるお芝居のお話や、演劇とご自身のお仕事との共通点のお話も必見です!!
それではどうぞ!
社会人役者プロフィール

名前 | 林揚羽(ハヤシアゲハ) |
役者以外の職業 | メーカーの海外営業 |
雇用形態 | 正社員 |
残業時間 | 月30-40時間 |
勤続年数 | 2年2ヶ月(新卒入社1社目) |
役者活動について会社には | 理解ある人には言っている |
主な出演作 |
2016 年度 しあわせ学級崩壊『CR ともだちこれくしょん』@ 駒場小空間 (8 月) 劇団コギト『めぐりめぐりゆく、(残響)』 @ 一橋大学アトリエ (2 月) 2017 年度 2018 年度 2019 年度 |
主なスタッフとして携わった作品 |
2017年度 しあわせ学級崩壊【宣伝美術】『バブルレイヴ電波アイドル少年サイコ瓶詰少女』(7月) しあわせ学級崩壊【宣伝美術/制作】『非国民的演劇』(1月) しあわせ学級崩壊【宣伝美術/制作】『メスイキちゃん』(3月) 2018年 |
「しあわせ学級崩壊」での演劇活動について
―まずは2 月にやられたしあわせ学級崩壊「卒業制作」とても素敵でした。作品が面白かったのはもちろんなのですが、会場案内がすごく丁寧で、初観劇だった私も100%作品の世界に没頭することが出来ました。徹底された当日案内は、どういったところで学ばれたのでしょうか?

―まさしくとても気持ちよく、開演前から作品の世界に没頭出来た公演でした…!!現在しあわせ学級崩壊さんでは当日案内等をはじめとした制作業務に加え宣伝美術もやられているんですよね。

―入団されたのは割と最近ですよね。

―そこからまた入団に至ったきっかけは何でしたか。

又、私は入社してすぐ名古屋に配属になったのですが、初めて宣伝美術を担当した際、名古屋にいても東京の演劇を支えることが出来るということ、役者以外にも演劇に関わる方法がたくさんあるということを実感したのも入団した理由の一つです。宣伝美術は作風のヒアリングができれば、データのやり取りで進められるし、チラシの管理は東京にいる関係者にお願いすることが出来ます。制作も当日運営の仕事以外は、遠方からインターネット経由で出来ることが多いです。東京でしかできない活動については、同時期に入団した制作の上岡がサポートしてくれました。
―その当時、公演期間中は名古屋から通っていたということですよね?

―結構な頻度で来られていたのですね…!!

―交通費はもちろんですけど、体力的にも大変だったのではないかとお察しします。

―本当にご無理なさらず…!そんなご多忙な中やられていた前回公演は、時間変更の案内等もとても丁寧で、見習わなくてはいけないなと思ったことを覚えています。

―確かに、電車だけでなくバスのこと等を考慮すると、21 時辺りでも帰るのが大変にな人はいますよね。

―確かに 19 時半開演とかでも、日によってはギリギリ間に合わないってこともありますもんね…。

お仕事について
―今回は役者としてもご参加されるということは、役者と制作、宣伝美術のお仕事を両立するということですよね。さらに忙しくなるのではないですか…?

―似た環境の方が身近にもう一人いらっしゃるのは良いですね。平日稽古等もあるかと思 いますが、両立はどのようにしていますか。

―お芝居をやっていることに関して会社には言っていますか?

―自分の好きなものを否定されない環境はすごく有難いですよね…!現在は海外営業の部署で働かれているんですよね。部署異動に伴い、環境も大きく変わったので はないでしょうか。海外出張等もありますよね。

―海外へ行くことが多いということは、英語もお上手なのではないでしょうか。

―なるほど、伝えるのが難しいことについて、考えることを放棄しない、分からないことをそのままにしないというのは演劇にも相通じるところはあるかもしれません。反対に会社員としての仕事が演劇に生きている部分はありますか。

―特に制作さんは一つの公演の運営全体を担うお仕事だから共通する部分がたくさんあるのだと思います。

学生時代の活動ついて
―演劇は学生時代からやられていたんですよね。

―そこからまた演劇のサークルに所属することになったきっかけって何だったんですか。

―では、元々、役者以外のセクションでも演劇に関わりたいという思いはずっとあったので すね。

―それが演劇を続けていく活力になっていますか?

―「気持ちさえあれば必ず何かしらの形でお芝居に関わることが出来る」環境が変わってお芝居に携わることが難しくなってしまった他の人達にとっても希望ある言葉だと思います。ただ就活当初、林さんは卒業後演劇を続けていくつもりはなかったとのことでした。

―そんな中、またお芝居をやるに至った理由は何だったのでしょうか?

―学生演劇の形態は様々ですけど、林さんのいた団体はどれくらいの方が卒業後も続けていましたか?

名古屋での活動
―就職をしてから演劇を再開されたのは、結構早い段階だったのでしょうか。

―それは大分早いですね…!!全く知らない土地だったとのことでしたが、名古屋での活動はどのように始められたのでしょうか。


―完全に自力で見つけたということですね…!最初に出たのはどういった作品だったのでしょうか。

―再開の作品は、その後の会社員役者人生を左右する大切なものなのだと改めて感じます。そこから社会人として演劇をやられるようになったということですよね。

―それからずっと継続的に演劇に携われているということですよね。4 月に出られたのは同じ団体さんですか?


―本当にしっかりと名古屋での演劇活動の土壌を作られたのですね。環境がガラッと変わり、お仕事にも慣れない中で演劇を続けるのは色々な面で大変だったのではないかと思います。そんな中、継続的出来た理由は何だと思いますか。

―もちろん、林さんの努力により継続出来た部分がすごく大きいと思うのですが、環境は大きな要因かもしれませんね。とはいえ知らない街で演劇をやるのはすごく大変だと思うのですが、続ける為にしていたことはありましたか。

―その思いはずっと原動力になっていたのですね…!!

―身近に林さんのような全力を尽くし活躍されている役者さんがいるかどうかは、その後お芝居を再開するかどうか迷ったときの大きな判断材料になると思います。

―自分が舞台に出れることも当たり前ではないのだということは、演劇を続ければ続けるほど強く感じるところですよね。でも改めてお話を伺っていると、座組の方々のご理解の素晴らしさはもちろんですが、そのご理解に答えて最後までやり遂げた林さんの努力も素晴らしいなぁと感じます。
これからの活動について
―これは色々な方に伺っているのですが、将来的に仕事を辞めて演劇だけでやっていきたいといった思いはありますか。

―それぞれの道や生き方があって、それに優劣はないですもんね。だからこそ自分の望む形で演劇に関わるということは大切なのだと思います。

―部署異動、東京勤務と環境がガラッと変わりましたが、これから先の演劇活動に関して何か目標等はありますか。

―次回公演も楽しみです!今回の作品に関しまして、学生時代出演されたときに比べ何か変わったと感じる部分はありますか。もちろん演目や出演者の方は当時とは違うとは思うのですが、そのほかに何か変わったと感じる部分はありますか。


―ずっと音楽を主体とした作品作りをされているしあわせ学級崩壊さん、今度の作品が劇場公演ではないのも、そういった作品作りが関係しているのでしょうか。

―次回公演は結構長い期間、日程をいくつかに区切ってやられますよね?

―確かに口コミを見て絶対に行きたいと思った舞台も、存在を知った時点では行けないことって結構ありますね…そう考えると大変有難い日程です。最後に、林さんがしあわせ学級崩壊さんの劇団員として目指すのはどのようなところですか。

―劇団内にも様々な形で演劇に関わっている方がいらっしゃるのだと思います。きっとその数だけ演劇への関わり方の正解もあられると思いますが、それぞれのベストな形を目指しながら劇団としても一つの目標に向かい創られる次回公演、とても楽しみです。本日は有難うございました。
インタビューを終えて
会社員としてのお仕事と演劇、そのどちらも同様に大切にし両立の為の努力も惜しまない林さん。「どんな環境においても、絶対何かしらの形で演劇に関わることが出来る」という言葉通り、馴染みのない場所での役者活動を実現され、ご自身の会社員経験も所属劇団での制作業務等に生かされ、お忙しい中でも自主練の時間を見つけながら活動をしているそのお話には、強く勇気づけられました。
働く役者の皆さん、自らの選択で演劇を辞めた人、様々な要因で現在演劇に関わることが難しい人、専業役者として活動している人…そこに気持ちがあればどの選択をしている人も素晴らしいということは、私自身も常日頃感じているところですが、だからこそ必要な、自分の現状を納得出来るものにする為の取り組みについて考えずにはいられないお話でした。
そんな林さんの次回出演作は「ハムレット」です!!古典作品とダンスミュージックの融合!!完売の回も出てきているそうですので、皆さん急いでチケットを買いましょう!!
林揚羽さんの次回出演作
しあわせ学級崩壊スタジオ公演『ハムレット』
■日程:2019年6月30日~7月2日@ SOUND STUDIO NOAH、7月7日~10日|13日~15日@ BASS ON TOP 、7月17日@nagomix※スタンディング上演
■場所:SOUND STUDIO NOAH(「高田馬場駅」JR山手線早稲田口、地下鉄東西線2番出口、西武新宿線早稲田口より徒歩3分)、BASS ON TOP(JR中央/総武線/地下鉄東西線「中野駅」北口から徒歩1分)nagomix (JR「渋谷駅」ハチ公口より徒歩8分)
ご予約
https://www.quartet-online.net/ticket/hype-14
「ハムレット」公演詳細ページ
http://happyhype.web.fc2.com/next.html
聞き手:長谷川まる
東京都出身。セツコの豪遊(@setsuko_no_goyu)所属。会社員も役者もやっている。