こんにちは、セツコの豪遊の長谷川まるです。
仕事とお芝居、そのどちらでも輝く人を追うはたらく役者さん、早いものでもう第4回目になります。
今回お話を伺うのは田口ともみさん(@temominTGC48)です。田口さんは学生時代、劇作家の如月小春氏が立ち上げたことでも知られる学生演劇団体の劇団綺畸の一員として活躍され、現在は会社員、主婦、来年10周年を迎える社会人劇団ダブルデックのメンバー、と三足の草鞋を履いて活動されています。
会社員としての強みを生かした演劇活動について、お仕事についての話はこれから社会に出る学生の方、今働き方を見直している社会人の方も大変勇気づけられる内容になっていると思います。又、田口さんが働かれているところは表現活動に大変理解がある会社で、そちらも必見です!!
それではどうぞ!!
社会人役者プロフィール

名前 | 田口 ともみ |
役者以外の職業 | 求人広告の営業(課長代理) |
雇用形態 | 正社員 |
残業時間 | 月20〜30時間 |
勤続年数 | 8年目(新卒入社1社目) |
役者活動について会社には | 言っている。(むしろ社長が観に来る) |
主な出演作 |
2009年 劇団綺畸2009年度夏公演「STRANGE CHAMELEON」@駒場小空間(6月) カムヰヤッセン第4回公演「トラベリング・オン・ザ・シャーレ」@シアターグリーン(9月) 2010年 2011年 2012年 2017年 2019年 ※劇団ダブルデックメンバー。年1回、公演を行っている。 |
現在の仕事について
―早速ですが、現在どのような仕事をしていますか?

―すごい、そのような仕事があるのですね…!!

―求人広告の営業というと、どういった場所へ営業に行かれるのですか?

―業界が違うといる人の雰囲気とかもガラッと変わりそうですね…。

―現在の仕事をしようと思ったきっかけは何ですか?

―働かれている会社は、芸術活動等に大変ご理解があるのですよね。

―卒業時点で「これからはもう演劇はやらない!」ってすっぱり諦められましたか?

―続けられるかどうかって、本当にやってみないと分からないですよね…。現在会社のご理解があるということは「この日はお芝居の本番があるのでお休みします。」みたいなことは言いやすい環境ですか?

―業界全体として、休みが取りやすい体制ではあるのですか?

―残業に関しては如何ですか?

―会社でも頼られるポジションなのですね。そんな中現在は年間何本くらいの作品に出演しているでしょうか?

―出演本数でいっても単純計算で春夏秋冬必ず1本出ているという形になりますよね…!後これは個人的な興味で伺う話なのですが、営業の仕事をしているときに何か意識していることとかってありますか?私は割と営業活動的なものが全般苦手で、それを仕事にしている方が何に気を付けているのか等が、すごく気になっていて…。

―その場にいる人を楽しませる為に全力でパフォーマンスをするけれど、押しつけがましいものであってはいけない…実は営業は仕事そのものが演劇ととても似ているのかもしれないですね。少しだけ苦手意識が薄れたかもしれません。
学生時代の活動、劇団ダブルデックのこと
―演劇はいつから始めましたか?

―高校でしばらく演劇を離れていて、大学でまた再開しようと思ったきっかけって何だったんでしょうか?

―では本当にご縁というか、タイミングがあったからこそ今の活動もある形ですよね…。

―そうだ、劇団綺畸でやられていたんですよね。綺畸は学生演劇の団体の中でもすごく大きいところという印象です。

―わぁ贅沢な環境ですね…!!


―それじゃあ、たまたま巡り合わせもあって入ったサークルだったとはいえ、相当打ち込まれたのではないでしょうか。

―そこまでたくさん活動している団体だと、卒業後も演劇続ける人は結構多かったのではないですか?

―意外でした。そんな中お芝居を続けている数少ないメンバーが、ダブルデックさんに所属されているということですね。

―所属メンバーは全員社会人ですか?

―公演は年間何本くらいやられていますか?又、脚本はオリジナルのものと既成のもの、どちらが多いですか?

―メインで動ける劇団員の方は5名で、それぞれ全員会社員とのことですが、職種はそれぞれ全く別ですか?

―稽古期間は具体的にはどれくらいなのでしょうか?

―合宿!?

―大人の力を持って演劇の為に行う合宿…これは絶対に楽しいし、実のあるものになりますね。そして、ダブルデックさんは動ける人が揃っている団体なのですね。

―スポーツ演劇、聞いただけで観終わった後の爽快感が分かります。作品のテーマはどのようなものが多いですか?


―そういったテーマは、それこそ会社関係の方が観に来て下さったときにも響くというか、興味を持って頂きやすいですよね。

結婚とお芝居の関わり
―劇団ダブルデックさんは、来年10周年を迎えるんですよね。結成当初から何か変わった点はありますか。

―田口さんもご結婚されていますよね。主婦と会社員と役者の両立…大変さは想像するに余りあります。

―旦那さんがご理解下さっているというのはいいですね。

―素晴らしい旦那さん…!!ということは知り合ったのも演劇がきっかけだったのですか?

―わぁ素敵ですね!!そんな旦那さんは演劇にもご理解を示してくれているのですね。

―役者ならではな結婚式エピソード…!!結婚式って大きい公演一つやるくらいの大変さがある印象ですが、お芝居をやっているからこそ凝り甲斐のある部分も多そうです。

―結婚をしてから、何かお芝居に変化はありましたか。

―結婚という人生において大きなイベントも、やはりお芝居に関わっていくのですね…!!
仕事について
―お話を伺っていると、将来も役者専業でやるといったことはなさそうですよね?

―「仕事によって芝居の質が担保されている」というのは、最初にもお話下さった「実際に色々な人のお話を聞くことが出来る」という部分が大きく関わっていますか?

―例えば役者以外の部分で…例えば劇団の運営等をしていくにあたって、会社での仕事が役に立っている実感はありますか?

―劇団でも営業を!演劇においての集客ってどのようなことを意識されていますか?

―先ほどおっしゃっていた「演劇以外のコミュニティのお客さん」の中には取引先の方もいらしたのですね!!そこがお客さんになったらこんなに良いことはないですよね…。

―それで実際観に来て下さるのは素敵ですね。

―今回GWに公演をされるから、特に会社関係の方からの集客があるというのは大きいのではないでしょうか?

―反対に、役者をやっていて会社員生活で役に立ったことってありますか?


―田口さんが入社以来お芝居を続けてきたという経験は、多くの人にとっての希望になると思います。

―企業側の立場からそういうものを応援してくれる声を聞くことが出来ると、本当に励みになります。

―学生時代って就職してからの過ごし方とかってイメージ沸かないですもんね、だからこそ、実際にやっている人の声はとても重要だと思います。

―続けていく為の道筋が、世の中にたくさんあるということだけでも、もっと多くの人に知って欲しいですよね…。
やりたいこと、出来ることをやっていく大切さ

―田口さんは今の会社がまさに適材適所であるようにお見受けします、例えば今後別の仕事をやりたいとか考えることはありますか?又もし転職をすることがあるとしたら「演劇の活動を応援してくれるようなところ」というのは視野に入れますか?

―お話伺っていても本当に素敵な会社であることが伝わります。

―確かにそこまで自分とぴったりくる仕事があったら知りたいし、お芝居は辞めないかもしれないけど、やってみたい…。

―日本人特有のもの…なのかどうかは分かりませんが、「やりたいことをやる為には苦手なものも辛くても頑張ってやらなくてはいけない」というイメージがあるのですが…。

―そういう言葉に救われる人は、とても多いと思います。

―自分が好きなものを100%楽しめる環境に身を置く大切さ、というところですよね。

―演劇と会社員の両立も同様ですよね。やる前から諦めず、まずはやってみる必要があるのかもしれません。それが出来るかできないかはやってから分かってくる。今は多くの人が自分の進むべき道に関して悩む時期ですが、主婦、仕事、お芝居どれも楽しみながら磨いている田口さんの姿は多くの人にとって励みになると思います。本日は有難うございました。
インタビューを終えて
田口さんの会社員役者としてのお話は、表現活動に理解のある会社が増えて、小劇場界隈で度々嘆かれる「新しいお客さんが入ってきにくい問題」にもっと風穴が開けばいいなと思わされるものでした。
同時にその活動は、ただ「会社や旦那さんからの理解がある」というだけの理由で成立していたものではないということも分かりました。
印象的だったのは、「自分の好きなものが何かの捌け口になってはいけない」という言葉です。
例えば「自分にとってな嫌なことはしない」と聞くとすごくわがままに聞こえてしまうときもありますが、仕事にも演劇にも家庭にも100%誠実な田口さんからのお話を聞いて、何かに誠実である為にはまずそれを好きでいなくてはいけないということを再確認しました。
そんな田口さんの次回出演作品「地大さん家の150年+」は、5月2日から中目黒キンケロシアターで行います!!令和元年ド頭にふさわしい時代を振り返る作品とのこと。今までの時代を懐かしみ、新しい時代に希望を馳せる為に、是非皆さん予定を空けて観に行きましょう!!
田口ともみさんの次回出演作
劇団ダブルデック第10弾「地大さん家の150年+」
▪️日程:2019年5月2日(木)〜5月5日(日)
▪️場所:中目黒キンケロ・シアター(東急東横線・東京メトロ日比谷線「中目黒駅」より徒歩8分)
ご予約(田口さん扱い)
https://www.quartet-online.net/ticket/wdeck-vol10?m=0cfffjc
「地大さん家の150年+」公演詳細ページ
http://gekidandoubledeck.web.fc2.com/
聞き手:長谷川まる
東京都出身。セツコの豪遊(@setsuko_no_goyu)所属。会社員も役者もやっている。私も公演やります。詳細はツイッターをご覧下さい。