はたらく役者さん第三回目:ヒガシナオキさん【長谷川まる】後編

こんにちは、セツコの豪遊の長谷川まるです。

お芝居とそれ以外のお仕事を両立しながら輝いている役者さんを追う「はたらく役者さん」シリーズ、第3回目!

今回は、現在も会社員としてWeb広告の営業の仕事をしながら年間平均7~8本のお芝居にも出演されているヒガシナオキさん。(@nao181715)インタビューの後編です。

演劇も会社員としての仕事も同じように大切にしているヒガシさんのお話は、私自身も仕事の向き合い方を考えさせられるものでした。これから現在就活真っ只中な皆さんや新入社員としての生活が始まった皆さんも必見です。

それではどうぞ!!

※インタビュー記事前編はこちら

はたらく役者さん第三回目:ヒガシナオキさん【長谷川まる】前編

2019.04.12

gekidanUの活動

―gekidanUさんについて教えてください

ヒガシさん
gekidanUは、南千住にある主宰の遠藤遊が暮らしている一軒家とその前の駐車場を拠点にして活動している劇団です。主に駐車場での野外劇を中心に活動してきました。2012年に遠藤の中高の同級生で旗揚げして、僕が入ったのは2016年になります。昨年から今年にかけて人が増えて、今は5人で活動しています。僕は役者以外に演出、舞台監督(以下舞監)とHPの更新等、制作面の諸々を担当しています。

―入ったきっかけは何だったのでしょうか?

ヒガシさん
遠藤とは元々唐ゼミ☆で知り合っていて、gekidanUには大学3年の退団後に一度客演で出演した後、大学4年の夏に所属することを決めました。ちょうどgekidanUとしても遠藤以外の団員が皆就職でやめたタイミングだったのですが、今後の活動の仕方を考えたときに、劇場以外で行うお芝居が元々大好きでしたし、就職後ももし演劇を続けるんだったら、こうやって自分たちで融通の利くハコを持っているのは魅力だなと思ったのが理由です。

―確かにこの環境は贅沢というか、本当に素敵な空間ですよね。

ヒガシさん
家公演の方をやり始めたのは最近なのですが、この空間の面白さに惹かれて来てくれた新たなメンバーのお陰で結構色々展開が出来ていますね。

―家公演の取り組みは増えてきていますが、この南千住の家というものを大事にしているんだなというのがHPでの活動記録等を拝見しても伝わってきました。

ヒガシさん
「家公演」というだけだとコンテンツとして強くなくなってきているので、今後はより劇場としてこの家をちゃんと整備していきたいと考えています。例えばですが、遠藤が主宰としてプロデュースで立って、僕は舞監が出来て、美術も照明も音楽もそれぞれメンバーがいるので、「ここでやりたい」と言ってくれた団体さんや役者さんに対して、僕らが全部丸請けでやれるような体制が出来たらいいなと思います。ちょうど今年から劇場化計画みたいなのを立ち上げて、今まさに家の図面等を作っているところです。

―家公演と劇場での公演って空間の使い方等にも違いがあるとは思うんですけど、ヒガシさんが感じる違いはどのような部分ですか。

ヒガシさん
たぶん、役者さんの居方みたいなものは違ってきます。この家公演だけの話で言うと、役者さんのお芝居のスキルとかはそこまで重要じゃないと思っています。究極に具象な空間でお客さんとの距離も近くやるので、技術面が優れているかどうかより、その人個人の魅力を重視して出て頂いています。

―このお家に合う役者さんの魅力って具体的にどういったものだと思いますか?

ヒガシさん
「情報量の多い役者さん」が好きです。短時間で自分にはどういう人間なのか、どういった魅力があるのかをきちんと伝えられる人ということなんだと思います。そういう能力って才能もあると思うんですけど、努力で身につく部分もあると思うんですよね。オーディションでも、質疑応答での受け答えとか説明している時のリアクションなどで、「こういう人なんだ」というのが伝わりやすい人を選ばせて頂いていて、自身もそういった役者を目指しています。

―自らの情報量の多さを通して、家の空間をより魅力的にしてくれる役者さんであることが重要ということですかね。お家の前の通りは商店街で、gekidanUさん達も地域との密接な印象を受けます。

ヒガシさん
本当に近隣の皆様の優しさに支えられて活動しています。公演期間は普通に大声も出すし音楽もかけますが、もちろん本当にご理解が得られないと出来ないことなので…。高校生からここで暮らしている遠藤も街との関係性を作り上げてくれているので、それはもう感謝ですね。

―関係性を作り上げる為の努力も素晴らしいですし、それで地域のご理解を得られるのも素敵ですね。

ヒガシさん
本当に向かいの商店街等のご協力があってこそという感じなので、環境に甘えず頑張っていかなきゃいけないと思っています。

―2012年からこの場所での野外劇を続けているんですよね。

ヒガシさん
そうですね。3年前からは毎年夏に「弔EXPO」というタイトルで野外劇のフェスのようなものを開催しています。他の団体にもお声がけしながら、おかげ様で徐々に知名度も上がっているかなと…。野外劇ならではの演出で言うと、例えばバイクのお仕事もしている役者さんがいたので、実際に愛車に乗って登場してもらうとか、家の二階のベランダスペースを演技エリアとして使ったりとか。

―本当にこの家という空間が作る文化を発信していくような活動をしているのですね。

ヒガシさん
最近そういったことが出来るようになってきました。2,3年くらい前まではgekidanUの知名度もそんなになかったし、僕も個人の活動の方に注力していたので…。これからは人も増えたし、更に面白いことを出来るようにしていきたいなぁと思っています。

―スタッフ面もこなせる方がいらっしゃるのが素敵です。そして、そのメンバーの方は全員会社員なんですよね。

ヒガシさん
そうですね。長らくバーテンやってた遠藤が最近一般企業に就職したのですが、スケジュールが非常に合わせやすく活動しやすいなぁというのが実感ですね。

仕事があったからこそ出来たこと

―ヒガシさんは「専業で演劇を続けていきたいと思ってはいない」と書かれていました。

ヒガシさん
例えばgekidanUが想像以上に跳ねてこれ一本で食べていけそうだという風になったら分からないですけど…ただ僕、会社員としての仕事がすごく好きなんです。昨年までいた職場も大好きでしたし、今のところも面白いなぁ、楽しいなぁと思ってます。

―同じ職種で転職されたのですもんね。

ヒガシさん
そうですね。別に嫌でやめたわけではないので、転職をするという選択はある意味結構ハイリスクでした。

―そんな中、何故転職されたのか、差し支えなければ伺ってもいいですか。

ヒガシさん
転職に関してはこの仕事が好きだからこそ、純粋に収益構造や対象の違うメディアにも触れてみたかったというのが大きいです。ただ、演劇を続けたいという思いはあったので、転職先を探すにあたって、「働き方が柔軟な会社」というのは100%優先して選んでいました。

―なるほど、お仕事も演劇も同じように大事にされているからこその転職だったということですね。これはいろいろな人に聞いているんですけど、会社員としての仕事が演劇活動に…逆も然りなんですけど、お互いに良い影響を与えていると感じることはありますか。

ヒガシさん
役者としての引き出しが増えたこと、そして舞監や演出をこなせるようになったことですね。まず舞監の話からすると、去年自分の限界を知ろうと思って、頂いたオファーを全部受けたんですよ。数をこなしていくうちに舞監だけでのオファーもくるようになって、結局この年は7本の作品に舞監として携わりました。役者として出演もしながら舞監をやっている現場も複数あり、大変ではあったんですけど、これをこなせたのは今の仕事をやっていたおかげだと思っています。舞監とWeb広告営業って割と似てるんですよ。

―そうなんですか…?

ヒガシさん
広告の仕事には制作の人がいて、編集の人がいて、進行担当がいて…営業の僕がやっているのはそれらのマネジメントみたいなことで、舞監における音響や照明、制作をまとめる仕事、というのと構造があまり変わらないのかなと。だから、そこで必要とされる能力も似ていて、仕事が上手くいくようになってから舞監の仕事もすごくうまくいくようになりました。それは実感としてあります。そして、来たオファーを全部受けてみて、僕はスタッフ専業でやりたいわけではなかったということも分かりました。

―仕事もしっかりこなしていたからこそ、舞台監督としてのスキルも上がり色々なオファーを受けることが出来た、そしてそれをこなすことが出来たからこそ自分がどう演劇に関わっていきたいのかも、より知ることが出来たということですよね。演出の方に関してはいかがですか?元々演出に興味を持ち始めたきっかけって何だったのでしょうか?

ヒガシさん
いつかやってみたいなというのは漠然とあって、客演でお世話になっているところで、出演しながら演出補佐をやらせてもらったりとかgekidanUでも遠藤に口出ししたりはあったんですが、ずっと作・演出を担当していた遠藤が、昨年の夏に脚本に集中したいということで、それならやってみようかと、いうことで始めました。

―次回公演でも演出を手掛けられていますよね。実際に演出をやってみていかがですか。

ヒガシさん
そうですね、自分の出来ないことをやれる役者さんに、それをやってもらうために、イメージするものや望むものを相手にも分かるように伝えることってなかなか難しくて、それがハマったときは嬉しいですね。こういう能力ってもし僕が役者だけやっていたら育っていなかった部分なんじゃないかなと思っています。

―やはり会社員での経験が生きていますか?

ヒガシさん
「人に動いてもらうために伝える能力」をすごく鍛えられていると思います。営業という仕事はそういうものを要求される場面が多くて、だから、演出に関しては本当に仕事をやっててよかったです。もし仕事をしていなかったら、出来なかったと思いますね。

―会社員としての仕事とお芝居での経験、確実に相互に役立っていますね。

ヒガシさん
仕事を始めて思ったのは、会社組織の中で求められていることと、演劇を作るうえで求められることって似ているなぁということです。会社って例えば素性を全然知らない取引先の人達と「ビジネス」っていう下敷きの中でうまくコミュニケーションを取っていかないといけないじゃないですか。演劇も2、3ヶ月くらいしか一緒にいない人と、長年の友達とかすごく深く関係性のある役をやらなきゃいけなくて、座組としても短い時間で関係性をつくらなければいけないじゃないですか。捉え方によってはベースの部分がすごく似ていて、だから必要な能力も自ずと似てくると思います。

―確かに実はお互いとても似ている存在なのかもしれないですね。役者もスタッフも成功されている中、何をやっているときが一番楽しいですか?

ヒガシさん
どれも本当に好きなのですが、役者として感じる喜びは他のものとはちょっと異質だとは思っています。演出や舞台監督のようなその作品に関わるものすべてを見られる仕事も好きなんですけど、役者でしか得られない喜びがあるっていうのは間違いないです。

―では、一番長く続けていきたいのもやはり役者なのでしょうか?

ヒガシさん
うーん…演劇活動の中で役者だけを一本でやりたいとは思っていないです。他のポジションも楽しいし、僕には一つ、gekidanUとして成果を上げたいという大きな目標があるので…。だから役者が主軸とは言い切れないし、正直自分が今やっている中で、役者って一番コスパ悪いし(笑)でも一番色々なしがらみがなく、ピュアに没頭出来るのも役者なんですよね。だから、それがなくなると僕はとても辛くなるんだと思います。だから、役者単独での活動は今後も少ないと思うんですけど、「役者は辞めて他のものに専念します」みたいなのはないと思う…。

会社員と演劇活動は同じくらい大事なもの

ヒガシさん
演劇の中でどの立場の自分も手放したくないものであるのと同様に、演劇をやっているときの自分と会社員として仕事をしているときの自分って全然切り分けられないんですよね。これに関してもどちらか片方無くなると辛くなってしまうんだと思います。

―こちらの件はブログにも書いていらっしゃいましたよね!!そういう感覚を持っている社会人役者さんってちょっと珍しい印象です。もちろん、会社員をしているからこそ得られる喜びを感じる瞬間は皆さんあるとは思うんですけど、どちらも同じように楽しんでいる人は少ないというか。

ヒガシさん
僕も自分がここまで「仕事を楽しい」と感じられるとは思っていなかったです。もっと割り切ってお金の為に働くんだろうなと思っていたんですけど、今はどちらかの手を抜き出すと、両方駄目になってしまうという確信があるんです。もしどちらか一方が欠けてしまったら相当困りますね。

―そこに関しては、お金の為に働いているという意識の方は多いかもしれないですね。

ヒガシさん
会社員だからこその面白さってあると思います。今の仕事の面白いところって、一個人としての自分だけじゃ動かせないような人とお金を動かせるところかなと思っています。それは演劇だとなかなかできないので…。あとは会社にいることによって出会える人もたくさんいます。そういった会社員という立場だからこそ楽しめるものが現状自分にとってとても大事なものです。ただ、それが分かったのも今実際に働きながら演劇もやっているからだと思うんです。

―お話伺っていて、本当に理想的に双方に関われていることが分かります。

ヒガシさん
今は上手くいき過ぎているくらいですね…。仕事と芝居の、このパワーバランスが崩れてしまうときがいつかあるかもしれないなぁとは思っています。その時はその時でそれはめぐり合わせなので、そういう新たな段階が来るまでは出来るかぎり続けていきたいです。

―演劇と仕事、本当にどちらも壁がない状態で関わられているのですね。それは色々やってきた結果、今そうなっていることですか、それとも最初から明確に意識していた部分ですか。

ヒガシさん
「結果そう考えている」という部分もあるとは思いますが、元々そこは切り分けたくはないなというのはありました。お金を別のところで稼いで芝居をする、という意識ではないというか…。何というか演劇でお金を稼ぐのが目的なわけではないけれども、演劇を趣味にはしたくないという思いがずっとあって。人に演劇についてお話するときも「趣味っていうのとはちょっと違うんですけど、ライフワークに近いですかね」と話しています。そこに関しては仕事をしているかどうかは関係なく、本人の意識の問題じゃないかと思っています。

―これは以前の取材でも度々話題を出しているんですけど、就職が決まった大学卒業間際の学生からよく聞くのは「このまま就職しながら演劇を続けても中途半端で、それが嫌だから一旦役者を辞める」みたいな話で…辞めたいという確固たる意思があっての選択なら良いんですけど、泣く泣くそういう選択をしている学生がいたら悲しいので、意識一つでお芝居を続けられることをもっと知って欲しいですね。

ヒガシさん
学生時代にお芝居を頑張っていた方が「就職してから演劇を続けるのは趣味になっちゃうから…」って言ってやりたいのに辞めてしまうのは、何か勿体ないですよね。「じゃあ今までの活動は何だったんだ!お前は学生やりながら演劇やっていただろう!」とも思ってしまいますし(笑)自分の中で中途半端になってしまうかどうかなんて、やってみなきゃわからないじゃないですか。僕、学生の時の方がよっぽど中途半端な気持ちでやってたなって思います、学生という逃げ道があったので…。

―社会人になってからの方がやりたくてやっているという気持ちが強い人の方が多い気がします。

ヒガシさん
学生の間でそういう固定観念が定着しちゃっているのは、誰が悪いんだろうなって結構考えてしまいます。本来商業演劇の世界でできないことをやれる自由さが小劇場演劇の良さの一つだし存在意義だと思いますが、どんどん小劇場独自の文化が出来上がっていて…何か良くも悪くも活動の仕方とかがシステム化しているじゃないですか。そのシステムの中に完全にはまりにいける人以外は息苦しくて、外れたものが出来ないみたいになっているから…だからそういうことを言う学生さんも多いのかもしれないですね。後は、社会人になってからの演劇の関わり方が、学生の頃だと想像しにくいというのもあるかもしれません。

―そうですね、私も社会人になってからの演劇の関わり方は学生のときには想像できなかった気がします。

ヒガシさん
正直、社会人になると演劇とかってどんどんやる必要がなくなってくるじゃないですか。日中は働いているし、休日は少なくなる。でもお金は増えるから、他に触れられる娯楽もどんどん出てきます。それでも「お芝居をやり続ける」って確かに大変パワーのいることですけど、実際にその立場にならないと自分にパワーがあるかどうかも分からないと思うんです。例えばそのパワーがないことが分かったときに初めて「辞めます」って言えばいいのだと思ってます。

―これは現在働いている社会人の人たちにも言えることですよね。働いている以上、物理的な面での制約とかはどうしても出てきてしまうとは思うんですけど、もしお芝居が出来なくてフラストレーションを抱えているんだったら、何かしらやれる方法を考えてみてもいいんじゃないかと思います。

ヒガシさん
確かに会社員は時間の拘束はあるんですど、そもそも何か制約が生まれちゃうのってしょうがないことじゃないかとは思います。どこにだって何かしらの不自由はあると思うんです。役者一本でやっていくって人も何かしらの窮屈さを感じていると思うし、その不自由は役者をしている以上前提として考えるべき点です。

―それがあることを窮屈に感じるんじゃなくてその中でどうしていくかってことですよね。

ヒガシさん
そこで続けられたっていうのは役者としても一つ大きな自信を得られるし、ステップアップにもなりますもんね。僕尊敬している方に言われて以来ポリシーになっている言葉があるんですが…例えば、僕が今演劇を辞めたって誰も困らないじゃないですか。勿論応援してくれている方の中で悲しんで下さる人はいるとは思うんですけど。

―役者全員に言えることですよね。所謂ライフラインとかではないし、いなくなったら本当に悲しいけれど、生活に困窮することはない。

ヒガシさん
「別に今俺らが芝居を辞めたところで本当に困る人はいない、他に娯楽もたくさんある世の中で、だからこそ自分たちがやりたいという気持ちをどれだけ枯らさないかが重要だ」という。これは「誰からも求められていないことをやり続ける熱意が、それをやり続ける不安を凌駕するくらい無ければやっていく資格はない」逆にそれさえあればどんな状況でも続けられる。僕はそう解釈していて、だからそれさえ保てていれば、やる形式に多少の差はあっても本質は変わらないのでないかと思ってます。

―素敵な言葉です。それこそ、意識次第ということですよね。

ヒガシさん
だから少しでも演劇に未練があって、社会人になってからの演劇とのかかわり方に不安のある学生さんには「中途半端になる」っていう固定観念は捨てて欲しいです。確かに難易度は上がりますが、最初から思考停止するのは生き方の幅を狭めてもったいないです。

―そういうお話をどこかで知ることが出来たら、社会人になってから演劇を続ける選択肢をする子も増えてくるんじゃないかなって思います。こういう大人の意見があるんだってことを知ってほしいし…本当悲観しないでほしいですよね。

ヒガシさん
まあ学生だと想像しきれないですからね…。あと、社会人になっても自分をタグ付けするときに「演劇」って結構使えるっていうのはあります。職種にもよるかとは思いますが、「演劇をやっている」ということを上手く使いこなせると、意外に社会でも受け入れられることが多かったです。前、お世話になっていた取引先のお客さんが公演を観に来てくれたこともありました。「今度主演やるんです」って言ったらわざわざ相模原まで見に来てくれて。嬉しかったですね。

今目の前にある仕事を無駄にしない為に

ヒガシさん
僕には最終的な目標があります。宇都宮の寂れたスナック街に母方の実家と、実家で所有しているテナントビルがあって、僕はいずれそこを継ぐことになっているんですけど、いざ継いだときにその場所とか周辺を面白く出来るような人間になっていたい、と思っています。それも見据えて、宇都宮でお芝居に出たりもしてます。

―gekidanUでの取り組みは、宇都宮での活動にも直結しそうですよね。

ヒガシさん
まさしくそうですね。今の環境を通して色々なことを蓄積をしていきたいなとは思っています。ビルの使い方に関しては色々考えていることはあるんですけど、今はまだそれをどう実現していけばいいのか分からない部分も多いので、仕事やgekidanUで得た知識がそこに繋がっていくように今後も活動をしていきたいです。本当に古いビルなんで、必ず継いでほしいと言われたわけではなかったんですけど、せっかくそういう場所があるなら自分のやっている活動がそこに繋がっていると考えた方が前向きになれるなと思って、自分ではそのつもりでいます。

―今目の前にある仕事を無駄にしない為に将来どうなっていきたいかを考えていくということですよね。

ヒガシさん
そうですね、だからこれから就職活動をしていかなくてはいけない学生さんも、今現在就活真っ只中の学生さんも、仕事を探すときは、「自分はそれを通して何を実現したいのか」とか「何をやれれば幸せなんだろう」とかを考えていった方がいいと思います。

―職場と劇場、どちらも自己実現の場であったらそれは最高ですよね。

ヒガシさん
もし両立するなら、演劇を通してやりたいことと、会社員としてやりたいことが乖離していない状態が理想だなぁと思います。理想ですが…。もちろんそれぞれ得られるものが違う部分はあるとは思いますが、せっかく会社員をやっているのであれば、その仕事を通して何が出来るのか、どういう部分に喜びを感じるのかを考えていった方が有意義だと思うので、自分自身もそういうことを考え続けながら仕事もお芝居もやっていける人間でありたいです。

―どのような職種であっても、しっかり向き合うことによって演劇と双方に良い影響があるのだとお話を伺って再確認しました。せっかく会社員役者の道を選んだのであれば、会社員役者だからこそ得られる経験を大切にしていきたいですね。本日は有難うございました。

インタビューを終えて

決して時間が多くある訳ではない中で多くの芝居に携わり、同時に会社員としての仕事においてもヒガシさん。

誰もが何かしらの制約を抱えている中でお芝居をしている中、その制約とどう折り合いをつけるかが大切なのだという言葉には大変勇気付けられました。会社員の人に関して言うと、その制約は主に「時間」になりますが、その時間との戦いは「役者としての自分」を形成する大きな要素なのだと、改めて思ったインタビューでした。

そして、gekidanUさんのアトリエは、家と劇場が混在したとても素敵な空間でした。
そんなアトリエ5-25-6での公演が今週末からついに開催されます。「SFと会話劇がパラレルなお芝居」とのこと。
日常と非日常の間のような空間の中生み出されるお芝居がどのようなものなのか、今週末みんなで目撃しましょう!!

ヒガシナオキさんの次回出演作

gekidanU家公演企画Vol.3「金星」
■日程:2019年4月20日(土) ~21日(日) 、4月27日(土) ~29日(月)
■場所:アトリエ5-25-6(JR、つくばエクスプレス南千住駅より徒歩5分※日比谷線からお越しの場合2番出口から徒歩5分)

ご予約(ヒガシさん扱い)
https://www.quartet-online.net/ticket/u03?m=0lgeaac
「金星」公演詳細ページ
http://gekidanu.com/house3

聞き手:長谷川まる

東京都出身。セツコの豪遊(@setsuko_no_goyu)所属。会社員も役者もやっている。私も同時期に公演やるのでgekidanUさんの公演とハシゴで観に来て頂けたら幸いです。詳細はこちら