公演情報は出すほど集客が伸びるという真実:「演劇」という旅の日誌5ページ目【槙本擁】

皆さんこんにちは。

Y’s ExP.というカンパニーの代表をやっております槙本擁@YoMakimoto と申します。

今日は特に主宰の方、もしくは制作の方に向け多様な内容になるかと思います。

昨年末にY’s ExP.で「IBUKI」という作品を上演いたしました。

ありがたいことに全公演の最大キャパに対して来場者数が90%を超え、数字的にも「成功」という形で終えることが出来ました。

公演の成功に至った要因の中に今回から行った新たな試みがあり、そのうちの一つが今回お話ししたい内容となります。それが「宣伝」についてです。

以前にも宣伝に関してターゲットを絞ることの重要性を簡単にではありますが書かせていただきました。お時間があれば是非、お読みください。

ターゲットの重要性について(前編):「演劇」という旅の日誌3ページ目【槙本擁】

2018.08.15

情報をできる限り徹底的に出す

さて、結論から先に申し上げます。
隠すことになんのメリットもない
ということです。

以前書いた記事の内容とも少し重複しますが、個人的に現状小劇場の公演に関してプロモーションの仕方に問題があると思っています。

私は観劇マニアの方々や演劇評論家の人たちに比べて観る量も圧倒的に少ないですし、「現状小劇場の公演に関して」なんて大きな括りで物事を語れるような存在ではないですが、一人の観劇者として色々な方からのご案内やTwitterでの宣伝を見ていて、毎回そう思うのです。

逆に言えば「ここの宣伝はよくできている」と感じたことはまだ一度もありません。

問題はいくつかありますが、その一つが以前の記事でも少し触れた、「どんな舞台なのか」という情報が圧倒的に少ないということです。

それに置けるデメリットの大きさと、逆に情報を公開することを考えたときの考えられるいくつものメリットを感じた私は、試しに今回の公演で作品の情報公開を出来る限り徹底的に行いました。そして、実際にやってみて見えたことがあります。

私達が行ったこと

まず、細かいことも他にいくつかありますが、大きく行った情報公開はこちらです。

  • HPにしっかりとしたあらすじを載せること。
  • ※チラシでは既読性や視認性の観点から少し省略したものになっています。

  • 全てのキャラクターのイラスト化、プロフィールや性格などの紹介。
  • キャラクターと実際の役者をミックスさせ、セリフを一言喋るトレーラーの公開。
  • 相関図の作成。
  • 劇中の専門用語の解説。
  • 主題歌PVの先行公開。
  • iTunesなどでの劇中楽曲の事前発売。
  • 観劇に慣れていないお客様レベルでのQ&A
  • 上記にあるような、こちらの特設HPに開示されているほとんどの情報は上演前にアップしたものです。

    そしてこれらによってもたらされた効果は非常に大きいものだったと考えています。

    もちろん具体的にどの試みがどういった効果をもたらし、どこの数字に直結したか、という詳細な結果まではわかりません。それこそ専門機関にアンケート調査などを依頼しないといけないでしょう。

    それは今後さらに拡大し、商業ベースでの運営が必要になったらで良いとして、初めての試み中で「これは情報を徹底的に開示したから得られた結果だ」と断定できるものがあっただけで大きな収穫でした。

    本当はそのすべてを細かくお伝えしたいのですがあまり長くなってしまっては読むのも大変になってしまうので、今日は一つだけお話しして、あとは少しずつお話ししていければと思っています。

    情報を出しても集客は減らない

    今日お話ししておきたいことは
    情報公開は集客を増やすことはあっても減らすことはない
    と言うことです。

    これにもいくつか要因はありますが、一つはファンの存在です。

    例えばあなたの大好きなアーティストがアルバムを出したとします。そのアルバムの曲を一曲も聴かずに人に全力でおすすめ出来ますか。

    そのアーティストは好きだし、きっと今回も良い曲がたくさん入っているんだと思うけど、まずは自分が聞いてからですよね。

    少なくとも発売前に先行配信の動画をチェックしたり、歌番組で公開された音源を確認してからだと思います。

    そうでなくては「全力のおすすめ」は出来ない。

    つまりファンはいくら好きでも、自分で知らないものを自分の友達などには簡単に勧めづらいということです。冷静に考えてみれば当たり前のことですよね。

    そして人はある程度のお手軽感がないものに関しては「全力のおすすめ」くらいじゃないと簡単には動かないです。

    事前に分かっている安心感が大事

    しかし小劇場の公演は短いです。

    初日に見たとしてそのあと友達に進めても直近のスケジュールすぎて埋まっているかもしれない。また急に4,000円近い出費の予定など相手も簡単には入れづらいでしょう。

    でも事前にどんな話でどんな人たちが出てきてどんな雰囲気の舞台なのかがある程度わかっていたらどうでしょうか。

    さらに劇中の曲が配信されていたら、それを一度聞いてもらってから判断してもらっても良い。つまり、友達を圧倒的に誘いやすい状況が手に入るわけです。

    そして公演までの時間を使って、過去作品のDVDや台本を貸して、見に行く作品だけではなく団体のことを友人にPRしてくれるかもしれない。

    すると実は集客以上の効果も発生します。それはまた別の機会にでもお話ししましょう。

    いずれにせよ人は「全力のおすすめ」には弱いんです。

    情報を公開するということは準備の側面でも非常に大変です。ですが信じられないほど大きな効果をもたらします。

    そしてこと現代社会においては情報を公開しないということはデメリットしか生み出しません。

    今日お話しできたことは本当に一部に過ぎませんのでコラムやイベントなどでもっと気付いたことをお話ししていければと思いますのでどうぞ

    本年もよろしくお願いいたします。

    槙本 擁(まきもと よう)

    Y’s ExP.代表 脚本家、演出家、役者。
    Twitter:@YoMakimoto

    Y’s ExP.(ワイズイーエクスピー)

    「観客、役者、スタッフ、関わった全ての人の出会った以降の人生が豊かになる作品作り」
    を、モットーに掲げ、東京で活動する演劇プロジェクト。
    日常をテーマに、「幸せ」とは何か「愛情」とは何かを心温まるストーリーで表現する。
    公式HP