演劇教育においての指導について【小池樹里杏】

みなさん!こんにちは!

編集長の小池樹里杏です!

最近のお話からさせていただきますと・・・

次の舞台に向けて髪を切りました!気合十分です!

私は自身の表現・演劇に携わる活動の他に、自身の会社「J-journey」で演劇教育の活動もしています。

過去の記事でも「演劇教育」について少し触れましたが、今回は私が今行っている演劇教育や、「演劇教育においての指導」について考えていることを、書かせて頂きます。

高校生への演劇教育

私は現在、とある高校にてミュージカルの先生として生徒・先生へ演劇の授業をさせていただいます。

その活動を知った大学の先生にお声がけ頂いたのがきっかけで、先日、聖心女子大学にて行われた「未来の先生展」で、「ミュージカル授業について」の講演会もさせていただきました。


私が「演出家」として活動するのは殆どは、舞台の稽古場か劇場なのですが、劇場から飛び出し、学校教育という場所でも「演出家」としてお仕事をさせて頂いています。

今は、絶賛舞台「ここだよ。りめいく」の稽古真っ只中ですが、公演の稽古で指導するのと「演劇教育の先生」として学校の授業で演劇教育をするのでは、全く指導の仕方が変わってきます。

「舞台の指導」と「学校での指導」の違い

舞台では、参加している役者が「舞台に立ちたい」、「良い作品を作りたい」という主体的な意識で参加してくれているので、前提共有もそれほど難しくないですし、その意識でこちらも指導ができます。

しかし、学校での指導の場合生徒は「演劇をやりたい役者さん」ではありません。なので、台本に触れる前の時間・空間が何よりも大切になってきます。

高校生の場合は、ほとんどが演劇経験もありませんし、歌やダンスだって特別なレッスンを受けている子はいません。

だからこそ、教える前の準備期間や、先生や指導者同士で教え方や進め方について話し合う回数は、舞台の倍以上必要だと考えています。実際に私もそれくらい時間をかけています。

一人ひとりをより深く理解する

学校で指導するうえで、とても大切なことは、生徒一人ひとりのパーソナリティーや好きなことを知ることだと考えています。

先生も生徒もコミュニケーションが取れていない中で、共に「物語」の中に入り込み、会話・対話することなんで不可能です。

生徒は多感な時期の高校生達で、1日の中で、日々様々なことがあります。

いつも元気な子が、ちょっと元気なかったり、髪の毛を切ってさっぱりしてたり。そういった日常の変化に気づいてあげながら、指導することが大切です。

私は何か変化に気づいたら、全員の前ではなく、生徒一人一人に個人的に声をかけてあげるようにしています。

「さっぱりしたね!いいね!」
「大きく一緒に深呼吸しようか」

などという風にです。

先生(私)からの1回のコミュニケーションが彼らの心を少しずつ開けて行くのを、実際に現場で指導しながら感じています。

中にはコミュニケーションを取るのが苦手という子もいますが、こちらが無理やり開けようとしても逆効果なので、地道に少しずつ接しています。その繰り返しで良いと思っています。

まずは自ら「自分を出す」

それから、私は自分自身のことをたくさん話すようにしています。

・先生は、こんなのが好きだよ!
・昨日こんなことがあったよ!
などなど。

そうすることで、徐々に生徒も自分のことを話してくれる様になります。

何より「愛」を持って接する

そして何より、生徒・クラスを誰よりも愛しています。みんなが輝ける方法をいつもいつも考えています。それが、私の仕事ですし、それをすることで、私の毎日はより充実したものになります。

授業にはあまり関係ないことかもしれませんが、先生もクラスという全体の大事な一員なのだ。という認識を忘れないようにしています。

この作業を怠ったり、生徒一人一人のことを考える時間もないのであれば、せっかく演劇に触れて、その世界への興味が芽生えたとしてもすぐに枯れて、離れていってしまいます。

最初は恥ずかしいのか、積極的に授業に参加したくないという意識の表れか、半分以上の生徒が、マスクをして授業に参加していました。全然私に心も開いてくれませんでした。

しかし、上記の様な意識と行動で根気強く接することで、今では、自主的にみんなマスクを取り、積極的に授業を受けてくれています。生徒の中では、必死に内容を覚えるために復習してくれたり、放課後残って練習をしてくれている子もいます。

当たり前のことだけど「続けること」は難しいです。でも自分自身を成長させることは、どんな環境においても「気づき続け、発見し続けること」の繰り返しだと思っています。

指導者こそ誰よりも学ぶ人であれ

少し話は変わりますが、私は「演出家」や「先生」など、人前に立って何かを発信したり生み出す人は、誰よりも学ばなくてはならないと思っています。

例えば「先生」という仕事は「与えられた事や課題をそのまま生徒に流すだけ」では成り立ちません。「先生」という一人の人間として、考え、日々学んだ上で、その場所にいるべきだと考えます。

皆さんは最近、学んでいますか?発見していますか?悔しい思いをしていますか?作品に対して責任感を持っていますか?

そして何より、一番楽しんでいますか?

何かを学ぶ上で「楽しむ」という姿勢はとても大事です。

私もそういう意識で日々努力をしていきたいと思っています。

さいごに

私は、自分が「演劇教育」を指導するという仕事だけではなく、「ミュージカル授業・演劇の授業を導入したいのだけど、どうすればいいの?」と思ってくださった学校の先生方が指導を出来る様になってもらえるように「Teach to Teach」の環境づくりをして行きたいと思っています。

これからミュージカルや演劇の授業が発展していくためには、演劇指導者としてのスペシャリストは必要不可欠になっていきます。

そのために、先生たちに演劇の指導を指導する、つまり「Teach to Teach」ができる演劇指導者をJ-journeyでは育成していますし、これからももっと増やしていこうとしています。

これからも、未来の先生。未来の学校。そして、全ての子どもたちを応援するために、精一杯活動していこうと思っています。

小池樹里杏

1994年生まれ。演出家・脚本家・女優。J-journey合同会社代表。
すべての演劇人を応援する新しいプロジェクト・事業を生み出します!!

Twitter:@j0urney_staff
問い合わせ:contact@j-journey.tokyo

最新脚本・演出・公演情報

舞台「ここだよ。りめいく」
日時:2018年10月31日〜11月4日(全9ステージ)
場所:下北沢Geki地下Libertyにて