「小劇場」を見に行かなきゃ、東京に住む意味がない!【ダイスケ】

始めまして。ダイスケと言います。
現在、都内の小劇場で小屋付きとして働いています。

これからお芝居に関するあれやこれを書いていきたいと思っています!

今回はタイトルの通りで「小劇場を見に行かなきゃ、東京に住む意味がない!」という話をしたいのですが、その話をする前にちょっとした自己紹介と、何故しばいのまちで発信をしようと思ったかを、先に書かせて頂ければと思います。

 ニート→就職→小屋付き

僕は今年の4月に、日本大学芸術学部を卒業した新社会人です。

卒業後1か月ニートを経験し、半月ほど携帯会社に就職したのち、6月から現在の劇場に勤めています。

いきなり、すいません。「ニートを経験して」なんて小シャレた言葉を使ってしまいましたが、ニートに経験も何もありません。

何年も部屋に引きこもれるタフネスは自分には無かったと学んだだけです。結局、家でぼおっとしてる空白期間に耐えられず、家を出たくて就職しました。

で、すぐ辞めました。勤続期間15日という、同期の新卒でも上位に食い込むスピード退職で。理由は劇場の募集が目に入ったからです。

現在、僕が働いている劇場は、学生時代から足しげく通っていた劇場です。「今日は暇だし舞台でも観に行こうかな」という日は、まずそこで行われているお芝居をチェックして、気になったものがあればふらっと当日券で観に行っていました。

なので現在の仕事はとても楽しいです。一か月で転職して良かったです。辞めてみるもんです。

この状況にいて発信をしないのはもったいない

では、なぜ今このような記事を書いているのか?

自分には宣伝をしたい公演も、所属する劇団もありません。あくまで、小屋付きさんなので。にも関わらず、どうしていま「しばいのまち」で記事を書いているのか?

それは非常にもったいないと思ったからです。

僕は今、毎日のように演劇に触れ、舞台を観れる環境にいます。舞台を見ることは唯一の趣味だし、生き甲斐と言ったら少し大げさですが、いや多分生き甲斐です(こんな生き甲斐で良いのかとも少し思いますが…)。毎日のようにお芝居が観れるのが本当に楽しいです。

その中で少し、思う事がありました。それは、

毎日のように舞台に関われる環境にあるにも関わらず、その経験をそのままにしておくのはもったいないのでは?と。

毎日のように様々な表現に触れて、舞台芸術を観れる環境にいて、その時に感じた事をそのままにするのはもったいない。だったら、下手でも、どんな形でも発信した方がお得かなと思いました。だって、発信するのはタダだし!それを読んでくれ人がなにか得てくれたらなお良し!

ということで、この「しばいのまち」の場を借りて、このような記事を自由に書かせてもらっています。

観劇ブログのような内容ではなく、もっと身近に演劇を感じられるような内容にしたいと思っています。そして、小屋付きという立場からしか分からないことや、観劇するうえで役に立つ内容なども発信していく予定です!

諸事情により匿名での掲載になりますが、ただの23歳の若者ですので、どうか身近に感じて頂ければ嬉しいです。よろしくお願いします!

小劇場を観に行かないなんて、東京に住んでる意味がない

自己紹介も済んで、今回の本題の話を。

僕は東京生まれで、地方で若者が上京に憧れる様に、東京を出て地方へ生き、新生活を送りたくて仕方ありませんでした。

いきなりの自分語りすいません。「東京」が今回のテーマなので、、、

東京生まれ東京育ちという肩書は、人によっては「実家暮らしで何不自由無く暮らしてきたボンボン」という風に見られてしまうからです。

そもそも、東京生まれには、「出身」という概念がありません。「岡山出身」や「大阪出身」はスッと入ってくるのですが、「東京出身」にはどこか違和感があります。東京には「地元」やら「故郷」やらが当てはまらないような空気感があり、秘密のケンミンショーを観ても、東京の話題なんて出てこないです。

飲み会での「東京出身」のウケの悪さたるや、、、その空気に耐えられず「青森出身です」と大嘘をついたことすらあります。

日本人どころか、世界中の人がごった返している東京で生まれたとしても、その「出身」は個性にはならないんじゃないかな?そんなことをぼんやり考え、少しばかりの東京コンプレックスを持っていたのですが、今はサブカルの聖地、東京は下北沢に住んでいます。

そこに至るまでには、ある気付きがありました。それは、東京に住む意味ってほんとにないよね。しいて言うなら、面白い小劇場がある事だけじゃない?です。

つまり、東京に住んでるのに小劇場を観に行かないなんて、東京に住んでる意味がないってことです。

同じことを言い方変えて言ってるだけです。でも大事な事なので二度言わせてください。

なぜこのような事を悟ったか。それは、自分が就活を始める時に「東京に住んでいる意味って実はあんまり無くないか?と思ったことがきっかけです。

そもそも東京に住む意味って?と思って就活し、味わった挫折

だって、東京で仕事するって言っても、パソコン一台あれば世界中の人と取引できる(孫正文とかジョブズとか)らしいし、娯楽だって、映画音楽はもうどこでも新作が手に入る(ネットフリックスとかアップルミュージックで)らしいし、友達だって、その土地その土地で新しく作ればいいし、(その人のコミュ力によるけど、、、)

もう、「東京だから。東京じゃないと。なんていう幻想はほとんどなくなってきてるんじゃないか」と就活をする前に思い始めたのです。

だったら、思い切って福岡とかで仕事して、安い家賃で浮いたお金で博多ラーメン食べて、博多美女と付き合って、のんびり大濠公園近くで暮らした方が幸せなんじゃないかとうっすら思い、地方への就職をぼんやりと考えていました。

そして就活を始めたのですが、それがもう、、精神と体力を大いに削られました。

夏頃になると「一緒に頑張ろうね」とか言ってた友人たちは皆、内定が決まってるわけです。それぞれ進路が決まってい く 中 、僕は一向に決まらず(地方を考えてるくせに、第一志望は東京の出版社で、しかもその動機も「週刊誌が好きだから」のみ、、今思えばブレぶれな就職活動でした、、)。

気付いたら夏休みに入り、焦りながらも就活に身が入らず、3週間でワンピース、ハンターハンター、ジョジョを全巻読破するぐらい、有意義な生活を過ごしてしまいました。

そんなことをしてるもんだから、あっという間に後期の学校が始まり、秋になり、落ち葉が舞い始め、その頃にはとっくに就活の終わった友人達すら、気を使って進路の事を聞いてこなくなりました。

まさに腫物扱い。スーツを着て学校に行けば、人目を避けて図書館に避難し、家ではお爺ちゃんから無言で、食品スーパー正社員募集のチラシを渡され、面接に行けば、考えが甘いと面接官に説教され。。。

夏場あんなに暑くて脱ぎたかったスーツが、涼しくなってくると別の意味を持って余計に着れなくなる不条理。そもそも就活って始まるの早すぎだろ。なんだ3月って。受験シーズンだって秋からなのに。せめて最終学年になってから準備させてくれよ。人事部。

舞台を見てあっさり東京に残ることを決意

就活の話はほどほどにして、実は夏休み中に内定を一つ頂いていおり、それが地方の大手ドラックストア。先に述べた地方での豊かな暮らしが実現できるであろう進路でした。しかし、その時に地方に移住することをためらってしまいました。

実際に「地方」という選択肢を目の前にしたときに「本当に東京にいる意味はないのか?」と考え初めてしまったのです。そもそも地方に行く覚悟がなかったのだと、今になっては思います。

「東京を出るデメリット、、、本当に東京にいる意味ないのか、、、?」

そんなことを悩んでた頃に、ふらっと息抜きにツイッターでの評判が良かった舞台を観に行きました。で、その舞台を見て「まだ東京にいよう」とあっさり考えが変わりました。

「東京に残る意味あったじゃん!」と。

とにかく、その舞台が今まで見た舞台の中でも抜群にくだらなくて、間違いなく今までで一番笑ってめちゃくちゃ面白かったんです。あんなにお腹が痛くなった体験は初めてでした。ちなみに、ほりぶん「牛久沼」というお芝居です。

で、

「面白い小劇場が見れるのって東京だけじゃない?」「東京じゃなきゃこんな面白い体験できなくないか?」という結論に至りました。単純な性格ですね。

「こんな素敵な体験が出来なくなるのは嫌だ」と、地方のドラックストアをお断りして、東京での就職を目指すことにしました。しかし、ここから現在の仕事に就くのも半年以上先なので、控えめに言って「大失敗」な就職活動でした。

小劇場ってどのくらいあるのか

この時期に東京に居る意味を自分なりに見出ししました。

ちなみに、実際に全国にはどのくらいの小劇場があるのか?

Wikpedia(ウィキペディア「小劇場」)に記載されている主な小劇場(今回はキャパ300以下の劇場)を都道府県別にランキング付けすると

  • 七位 兵庫、福岡、青森、宮城  1軒
  • 六位 青森  2軒
  • 五位 京都 4軒
  • 四位 神奈川 5軒
  • 三位 愛知 北海道 7軒
  • 二位 大阪 13軒
  • 一位 東京 65軒

東京。ダントツの一位です。

というか、三位から一ケタなのも驚き。七位以下って小劇場すらないのか。ほんとかよこの情報。とりあえず小劇場って東京以外にはほとんどない!

おそらく、上に挙げた数以外にも、もっと小さな劇場や、パフォーマンスが出来る場所はたくさんあると思います。しかし、東京で行われる演劇興行の数が、他県より圧倒的に多いのは間違いなく、日本中で東京ほどお芝居を見るのに恵まれた場所は無いと言っていいでしょう。

※上記の数字に関してはもっと正確な数字があるはずですが、今回はサクッとwikipedia見た結果、くらいにご認識下さい。

毎日が演劇祭の東京

東京の魅力の一つとして舞台芸術の存在はあると思います。

中でも、小さい団体の公演や、小劇場公演はかなりの数があり、毎日の様にどこかで演劇が行われでいます。そのどれもが首都圏にあるため1時間以内で足を運べる手軽さ。つまり毎日が演劇祭なのが東京の魅力なんです。

僕にとって、「東京出身」という肩書は、特産物の話も出来ず、地元にある有名な観光名所の話もできず、実家が田舎であるがゆえの面白エピソードもない、つまらない肩書だったのですが「舞台が観やすい」という点だけに限っては、自信をもって東京出身だと胸を張れます。だって文化の密集地ですし。

東京にいる理由は人それぞれだと思います。しかし、東京が観劇に恵まれた土地であることも事実だと思います。

この読者の皆さんにとって、舞台を見るという行為がどれくらいの比重をもっているかはわかりませんが、ぜひ一度、家の近くの小劇場に足を運んでみてください

きっとすぐ近くにあると思うので。そして近くに劇場がある環境は、きっと恵まれているので!

ダイスケ

都内にある劇場の小屋付き。フリーライター。

日本大学芸術学部演劇学科を卒業後、現在の劇場に就職。在学中は、主に役者などをし、日常的に演劇活動に励む。現在は月に15本ほど観劇をする生活をしており、現在の生活から何か発信できることはないかと模索している。

Twitter:@p903itv2