どうも制作の藤田です!
(はじめましての人は過去の記事もどうぞ!)
先日のコミティア124無事終了いたしました!ご来場、ありがとうございましたー!!!いやはや・・・リアルイベントにきてくださる方のありがたさよ・・・宣伝・集客って本当大変(しみじみ)
そしてゴールデンウィークも終わるとそろそろあいつがやってきますね・・・!
住!民!税!!!
あと社会保険料の等級の算定とか!!国民健康保険だったら今年のアレとか!!!お勤めしてる人だったら今の時期残業すんなって言われる案件ですね!!!
そんなお金がらみのあれこれがある年度始め。
ところで、役者とお金といえば「結構大きな事務所に所属しているタレントさんでも、社員ではなく個人事業主扱い」というのは比較的知られている話なのではないでしょうか。
宝塚歌劇団の劇団員であるタカラジェンヌたちも「入団7年目までは社員契約、それ以降はタレント契約」であるように、結構当然のように「自分のお金は自分で管理してね?」と言われるこの役者のお仕事。
一発当てたタレントさんやお笑い芸人さんが「調子乗って使ってたら住民税で次の年持って行かれて大変だった」なんてエピソードもテレビなどでそれこそしくじりエピソードみたいに言われてたりしますよね。・・・が、エピソードとしては聞くけどそれどういうことなの??といまいちピンと来ない人も多いのではないでしょうか。
まあそんな大手芸能事務所所属のタレントさんでも個人事業主扱いなんだから、フリーの小劇場関係者だったら何を言わんや。
「自分で自分のギャラを守って自分で税金計算やら何やらしなくちゃいけない」んですが、過去の現場で「そろそろ確定申告のシーズンだねー」と話題になったときのその場の声が、
「何から手をつけたらいいのかわかんない」
「実は家族の扶養にまだ入ってる」
「レシート・・・もらってない・・・残してない・・・」
・・・・とみなさん苦戦している(?)模様ですし、周りが「確定申告確定申告」って言ってるからやらなきゃいけない気分になってるのでは・・・?という印象も。
小劇場での活動している人に限らず、役者業+アルバイト、役者業+演技講師など副業・パラレルワークをしている人は多いと思います。最近の流れで副業推進もされてますしね。
みなさん、意外と税金取られっぱなし、引かれっぱなしになってませんか!?
もしかしたらその税金、戻ってくるかもしれません!
※監修は公認会計士・税理士の中川崇先生にご協力いただきました。
そもそもの確定申告源泉徴収について
中川先生に質問をする形式でみなさんも存在は知っているけどよく分からない税金周りのアレコレについて聞いていきます。
Q:そもそも「確定申告」って何ですか?

Q:「源泉徴収」ってなんですか?

Q:バイト代と演劇のギャラが両方とも10万円だったことがあって、源泉徴収で引かれてる金額が異なっていたことがありましたが、これはなぜですか?

また、報酬の源泉徴収税額は、支払金額に税率を掛けて計算します。バイト代は給与、演劇のギャラは報酬に当てはまるので徴収されている金額の基準が異なります。
Q:確定申告を必ずしないといけない人ってどういう人が当てはまりますか?

また、確定申告したほうがいい人(源泉が戻る可能性が高い)は
・年末調整をしていないバイト先がある人
・源泉・社会保険料控除前の年収が300万円に満たない人
です。
確定申告・よくある誤解シリーズ
Q:役者としての収入も少ないし、アルバイトもしてますが家族の扶養に入っているので確定申告はできないんじゃないですか?

Q:ギャラの支払調書がなく、劇団が発行してくれないので確定申告ができないのですが・・・

Q:確定申告って毎年3月中に締め切りなどとポスターとかで書かれてますが、締め切りを過ぎたら申請はできないんですよね?

★今年の3月に申請書類を提出していない人でも、今からでも提出しても問題ありません。
Q:確定申告って「領収書」が必要ですよね?領収書がないと経費の申請ができないのではないですか?

・近距離の電車代・バス代
大抵の会社は記録(伝票・一覧)で済ませています。
・公演のチラシなど支出が必要なものであることが分かるものがあればなおいいです。
★公演本番以外も、稽古場への移動、オーディション、打ち合わせ面接など「合格はしなかったけど仕事のための営業活動」のものもOK
・社会保険料(健康保険・国民年金)
厳密には経費ではないのですが税金を下げるものとして挙げました。健康保険は金額がわかれば書類は不要。国民年金は証明書が必要ですが、再発行できます。
Q:お客様からいただくこともあるおひねりや、公演終わりに配る五円玉の入った大入り袋の扱いはどうすればよいでしょうか?収入ですか?

ただし、金額が大きいものならば贈与税や所得税がかかることも考えられます。
Q:俳優・女優さんで収入が多い人は「青色申告」の方が良いと聞いたことがありますが、どこがどうよいのでしょうか?

・青色申告控除(年10万か65万)が可能→税金がその分減ります。
・バイト代を含めて赤字になった場合、損を3年間持ち越せます。
デメリットとしては帳簿や計算書類を作成しなればならず、申告に際しての負担が増します。
Q:そもそも確定申告をしなかったときのペナルティってあるんですか?

また、青色申告の適用を受けていたときは、青色申告がしばらくできなくなります。その場合、青色申告の特典が受けられなくなります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。毎年確定申告やってる私でも、知らないことあってびっくりです。
「自分には関係ないから」で無視していたら実はそうではなかった、というのあると思います。
「マイナンバーで副業がバレる」など色々ネガティブなイメージのある話題が飛び交っていますが、まずどういうことか勉強して、上手く利用すれば損は帳消しできるし、住民税や国民健康保険料だって安くなります。天引きされた所得税だって戻ってくればプチボーナスです。
「正しい知識」というのはそれだけで武器。知らないなら今からでも遅くないので勉強して、自分のギャラは自分で守りましょう!
<監修:中川先生>
中川崇
公認会計士・税理士。田園調布坂上事務所代表。
2006年公認会計士試験合格後、監査法人、一般企業などを経て2018年事務所設立。
事務所サイト→http://densaka.tokyo/
藤田侑加
兵庫県神戸市出身。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒。
大学は舞台美術を専攻し、卒業後演劇の制作として活動を開始。現在はフリーでチラシのデザインや演劇の企画・広報・制作から海外の演劇祭などにも参画中。
動画メディアサイト『エントレ』で不定期に公演レビュー掲載中
http://entre-news.jp/author/fujita
ホームページ:http://yukarienne.com/
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