対談(後編):「観劇者」が「公演」をするってどういうこと?【乙戯社Ebihiyoko】

前回に引き続き、年間数百本の小劇場の舞台を観る「観劇者”どんぐりマミー”」さんと「乙戯社」主宰のいちかわともさんによる、対談インタビューをお送りします。

前編は記事はこちら↓

対談(前篇):「観劇者」って何ですか?客席にスポットを当てると・・・【乙戯社Ebihiyoko】

2018.07.26

後編は【2018年7月31日~8月5日】で開催をする観劇者による演劇プロデュース公演こと、『M&M produce―真夏のMフェス―』に関して伺っていきます。

「観劇者」だからこそ出来る公演とは何なのか?

全く”0”の状態から、演劇プロデュースを開催するまでに至った、マミーさんの体験談を、乙戯社のいちかわともさんが伺いました!!

※書き手:夫婦ライター Ebihiyoko

「観劇者による演劇プロデュース」って何?

いちかわとも
前回は、マミーさんの「観劇者」としてのルーツと取り組みの一つである「演劇飲み会」について伺ってきました。

後編となる今回は【2018年7月31日~8月5日】で開催をする、「観劇者による演劇プロデュース公演」こと、『M&M produce―真夏のMフェス―』に関して伺いたいと思っています!

どんぐりマミー
よろしくお願いします!
いちかわとも
『真夏のMフェス』とは、どういった内容のイベントなんでしょうか?
どんぐりマミー
私とMana-Tさんが立ち上げたプロデュースユニット、「M&M produce」による”演劇交流イベント”です。

【2018年7月31日~8月5日】までの6日間、「新中野ワニズホール」で、6つの団体に日替わりで演劇に関する多様な催しを、発表していただきます。

《プログラム》

7/31(火)19:00〜:太田守信の演劇ワークショップ
8/1(水)17:00〜:ウラダイコクの人狼体験ナイト
8/2(木)14:00〜:乙戯社「サイドシートひとつぶんの新宿」
8/2(木)19:30〜:不条理狂詩曲のインプロライブ
8/3(金)13:00〜:劇団ウミダ
8/3(金)・8/4(土)19:00〜:オフワンズ企画公演「のでない」
8/4(土)13:00〜:りろぷら「演カツ!」
8/5(日)12:00〜:演劇飲み会
いちかわとも
実は今回、乙戯社もこの演劇交流イベントに誘って頂きました。複数の劇団が一定の期間内、同じ劇場で公演を行うのは、いわゆる「演劇祭」の形式ではありますが、「観劇者」であるマミーさんが企画されているからには、”交流イベント”というキーワードが非常に重要になってきますよね。
どんぐりマミー
今回のイベントのコンセプトは、「私たちが観たい人、一緒にやりたい人のための仕事を創る」と「劇場に、遊びに来てもらう」です。なので来場した方が劇場にいられる時間をできるだけ増やすように心がけています。

普通の公演だと終演後に役者挨拶があって終わりですが、もうちょっと話せる感じにしたかったんですよね。お客様には劇場に「遊び」にきてもらう感覚で、舞台制作者の方と話して、交流してもらうってことを考えています。

いちかわとも
まさに観劇者ならではの視点ですね。「終演後にもうちょっと突っ込んで話せる感じ」というのは、観客にとってもうれしいですね。

特にはじめて演劇を観る方には、良い時間になる気がします。

ずっと応援している方にとっても、「なぜファンになったのか?」や、「どういうスタンスで応援してくれているのか?」までを劇場の中で直接伝えられる機会ということですよね。

0からの演劇プロデュース!

いちかわとも
ちなみに今回のイベントは、昔から計画をされていたんですか?
どんぐりマミー
全然、計画してなかったです。たまたま、劇場がお安く借りられるという情報が、Twitterに流れていたのがきっかけです。

「私借りちゃう?」って、冗談でリツイートしたんです。そしたら今回の共同企画者でもあるMana-Tさんが「やりますか?」って言ってくれたので、私も「えっ!?やります!?」って感じで、そのまま勢いで劇場を借りてしまいました。

最初に劇場を借りてその次に内容を考えていきました。

いちかわとも
勢いで劇場を借りちゃう行動力も凄いです(笑)
どんぐりマミー
私自身、目的ややりたい事は、確かに自分なりにあるはずなんですけどそれが何なのか上手く言語化できなくて。

なので、とりあえずまず、「やりたいから、やってみる」というパターンがこれまでも多いですね。

いちかわとも
やっていくうちに見えてくることもありますよね。私もときどきそういう勢いで動いてしまう時期があるので親近感を覚えます。
どんぐりマミー
『やっていくうちに見えてくることもある』は本当にそう思います。

実は『演劇飲み会』も、一緒なんですよね。やっていくうちに、意義とか意味が見えてきたんですよ。と言うよりも、参加してくれた皆が「意味を創ってくれた」と言った方が正しいかもしれないですね。

『演劇飲み会』で出会って友達になったとか、その場で仕事や出演オファーがあったとか、出会った人の公演を観に行くきっかけになったとか。

なので、今回の「M&M produce」に関しても「まずは、やりたいから、やってみた」というスタンスです(笑)

いちかわとも
劇場を借りた後は、お2人でイベントの中身を考えていったんですか?
どんぐりマミー
私はアイデア出すだけで、それに対してMana-Tさんが「いいですね!」「やれますよ」「面白いと思います!」って感じで賛同してくれたので、どんどん話が進んでいったんです。

私一人だったら、ここまで形にできなかったし、進めようとも思わなかったはずです。Mana-Tさんがのってくれたから出来た企画です。

いちかわとも
『真夏のMフェス』は、まさに、”マミー”さんと”Mana-T”さんのお2人の、出会いによって生まれたイベントなんですね。
どんぐりマミー
Mana-Tさんの本業は、音響のスタッフさんです。ただ、その他にも照明オペレーターとか、制作とか、幅広いスキルをお持ちの方なんです。
いちかわとも
Mana-Tさんとは、以前舞台公演でご一緒させて頂いたことがあります。非常にフラットな感覚をお持ちの方だな、というのが僕の印象です。どんな団体に対しても『プロとして』きっちり仕事をこなしてくださる方ですよね。
どんぐりマミー
そのMana-Tさんが賛同してくれたということで、今回のイベント実施に向けて、どんどん自信が出て来ました。面白いイベントになるはずです。

『M&M produce―真夏のMフェス―』の参加団体は?

いちかわとも
乙戯社は観劇頂いたあとに、マミーさんにお誘い頂いたのですが、他の参加団体へはマミーさんからオファーをされたんですか?
どんぐりマミー
そうですね。参加団体は全部、私が大好きな劇団ばかりで、オファーの基準も「私がもう一回観たいから、私が参加したいから」ですね。

私とMana-Tさんが主催なんだけど、私も観劇者の一人として観る気満々、参加する気満々です(笑)。皆さん、快く引き受けていただけました。

いちかわとも
それぞれの団体と企画の特徴など、ご紹介をお願いします。
どんぐりマミー
7/31(火)19:00〜は「黒薔薇少女地獄」主宰の太田守信さんが講師の『演劇ワークショップ』です。

俳優を目指さない人が無理なく参加できて、しかも楽しい内容になってます。逆に、俳優の方にとっては新鮮な体験になるはずです。ワークショップ後の交流会も企画しています。

8/1(水)17:00〜は演劇チーム「ウラダイコク」による『人狼体験会』です。

私自身、前々から人狼をやってみたかったんだけど機会をうまく作れなくて、モヤモヤしてた所に今回のお話があり実現しました。
ルールは当日プレイベントでも説明しますし、私もそこで覚えます!(笑)楽しく人狼ができそうでワクワクです!

8/2(木)14:00〜はいちかわともさんが主宰する「乙戯社」による演劇公演『サイドシートひとつぶんの新宿』。
きゅんきゅんしてじんわり泣ける二人芝居ですね。

8/2(木)19:00〜はインプロ(即興芝居)チーム「不条理狂詩曲(ふじょうりらぷそでぃ)」による『インプロライブ』です。

私のインプロの師匠である忍翔さんをはじめ、ごうちゃん、ゆうき、えみりーの精鋭4人によるチームです。私は、全員と稽古もショーもやってますけど、皆本当にすごいので、楽しみにしていてください!

8/3(金)13:00〜は劇団ウミダの『新作(のはず)』をリアルタイム撮影します。

主宰の海田眞佑さんはMana-Tさんもそうだと思いますが、私も大好きな俳優さんで、ご自身の作&演出の舞台も楽しく観てます。今回の撮影もどんなことになるのかとてもわくわくしています!

8/3(金)・8/4(土)19:00〜はクリエイティブ集団「オフワンズ」による企画公演『のでない』で、2ステージ上演いただきます。

桜美林大学の学生劇団だったグループで、私が大好きな大好きな劇団です。舞台はもちろん、映像を製作してYoutubeにあげたり、楽曲製作もするなど、ジャンルを問わず幅広い創作活動を行っています。

8/4(土)13:00〜は”りろぷら”さんによる『演カツ!』です。

劇団と役者、スタッフを繋げるイベント『演カツ!』のMフェスに出張版です。ちなみに『演カツ!』さんの事は、しばいのまちさんでも記事があがっていますね。

8/5(日)12:00〜は締めの『演劇飲み会』です。

演劇飲み会は参加者がみんなで演劇の話をする場です。12時から21時まで途中入場、途中退場自由。私の「推し俳優100選発表」や、「お祭デート」など様々な企画も計画中です。

いちかわとも
本当に多種多様な団体が参加されますね!そんな中、私が主宰する「乙戯社」に、声をかけていただき、ありがとうございます!
どんぐりマミー
「乙戯社」さんには演劇公演、『サイドシートひとつぶんの新宿』の再演をお願いしました。

私の顔を、涙でぐしゃぐしゃにした舞台が、もう一度観られると思うと、今から楽しみです。

いちかわとも
多くの舞台を観ているマミーさんに、そう言って頂けると、本当に嬉しいです!
どんぐりマミー
今だから言えますが、『サイドシートひとつぶんの新宿』の中で、客席を照らす演出があったんですけど、申し訳ないけど・・・あれは迷惑でした!(笑)

「私の泣き顔が皆に見えちゃう」と思って、本当に恥ずかしかったんです。あれは、やめてほしかったです!(笑)『真夏のMフェス』でも期待していますのでよろしくお願いしますね!

いちかわとも
ありがとうございます。今回も、客席をきゅんきゅんさせます!

演劇交流イベントについて最後に一言

いちかわとも
それでは最後に、『M&M produce―真夏のMフェス―』にお越しいただける皆様へ向けて、一言お願いします。
どんぐりマミー
「演劇を体験したい、演劇で遊びたい、演劇を観たい、演劇の話をしたい」などいろいろな楽しみ方ができる、演劇交流イベントです。ぜひ新中野ワニズホールに遊びに来てもらいたいです。

お得な通しチケットがありますので6日間毎日来れます!お待ちしています。

いちかわとも
本日は、ありがとうございました!
どんぐりマミー
こちらこそ、ありがとうございました!
本番もよろしくお願いします!

対談を終えて

「舞台製作者と観劇者が自信を持って、演劇を楽しめる空間」として「小劇場」という存在は、まだまだ多くの、可能性を秘めているのではないかと思いました。

今回開催される『M&M produce―真夏のMフェス―』は、まさにこの「可能性」を探る為のイベントであり、観劇者が主体となり、舞台製作者との”出会い”で生まれる「新しい形のエンターテインメント」であると感じました。

小劇場観劇者や舞台製作者の方はもちろん、これまで小劇場に注目されてこなかった方も、是非『真夏のMフェス』で、「小劇場の可能性」を、その身で体験してほしいです!

もちろんebihiyokoも、演劇を応援したい観劇者のひとりとして、『真夏のMフェス』へはぜひ足を運んでみたいとおもいます。

【Ebihiyoko】 乙戯社サポーター/夫婦WEBライター

夫婦でライターをしている二人組。二人合わせて「Ebihiyoko」です。
両名とも1988年生まれ、東京の大学の演劇サークルで、
4年間演劇漬けの日々を送っていました。今は、夫は目黒区のIT企業、
妻は生保業界で、それぞれ忙しく生活しています。
「演劇にかかわる人を応援したい!」という熱い思いを胸に、
ライター活動を行っています。

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