演劇未経験者へ!入団しようと思ったらこれに気をつけよう!【Team HacCLose】

Team HacCLose

こんにちは。

社会人劇団Team HacCLoseで主宰をしております武田です。

6月に入り、2018年も間もなく半分。新年度のお仕事や学校も落ち着き、そろそろ何か新しいことを始めたいと思い始めていませんか。

何かを始めるのに遅すぎるということはありませんが、後になればなる程、踏み出す1歩には大きなエネルギーが必要なものです。

私の劇団は、特に入団資格を設けていないこともあってか、応募者の9割以上は未経験者の方で占められています。

入団希望者の方にお会いする度に思うのですが、自分がまったく経験をしたことがないジャンルを、まったく知らない人達に交ざって始めようと思う勇気に感服します。

これまでの連載では、劇団の内情や運営についてなどを書いてきましたが、今回は趣向を変えて、これから劇団に入りたいと思っている未経験者の方へ向けた内容です

入団テストをクリアする方法や一足飛びに良い演技ができる術ではありません。

まったくの未経験者で、これから劇団に入ってみたいという方に向けて、入団希望の問い合わせから入団までをよりスムーズに、好印象を与えられる術を伝授致します。

とはいえ、慈善事業でコラムを書いているわけではなく、今後私の劇団にご応募頂くなら、このくらいは満たしてほしいなというメッセージでもありますので、実益を兼ねております。ゆえに、どうか信用してお読み頂ければと思います。

それでは参ります。

3年間で50名以上の未経験入団希望者とお会いした実体験をもとに、入団するまでに気を付けたいことをまとめました

Step 1 劇団を探す

「演劇を始めてみたいな」と思いついた段階では、ほとんどの方は好きな劇団はおろか、自分の周りにどんな劇団があるかも知らないと思います。劇団四季や宝塚しか知らなくても、尻込みする必要はありません。

まず、劇団を調べるにあたって、周りの人やSNSでおすすめの劇団を訊くというのは、あまり良い方法とは思いません。なぜなら、劇団は非常に千差万別ですので、必ず回答者の好みが反映されてしまうからです。

あなたの友人に演劇好きのAさんがいるとして、Aさんが好まない劇団は候補から削除されてしまいます。まだどこに入団するかわからない、無限の可能性のあるあなたにとって、候補は多ければ多いほど良いと思います。

というわけで、お手間ですが、自分で検索をかけてみましょう。ここでおすすめのワードは「入団」や「団員募集」ではなく、「地域名 + 劇団」です。それはなぜか。

試しに「仙台 団員募集」で検索をかけてみましょう。

私の劇団「Team HacCLose」がかなり上の方に表示されませんか。

上記の検索方法では、団員募集の専用ページを持っていて、かつ直近で活性化されているサイトが主に上部に表示されます。

ところが、「仙台 劇団」と検索するとどうでしょうか。先ほど1ページ目で表示されなかった劇団まで出てきませんか。

前述の通り、劇団選びのためのに候補は多い方が良い訳ですが、アマチュア劇団の場合、面白いお芝居をする劇団が、必ずしも良いサイトを持っているわけではありません。すると、更新がなかなかされなかったり、検索に引っかかり辛い劇団がたくさんあることになります。

体験談として、入団希望者に劇団を選んだ理由を伺うと、「他に活動していそうな劇団が見付からなかった」という回答が多く返ってきます。他の劇団、頑張ろうよ、という内心は置いておいて、これから長い付き合いになるかもしれない劇団ですから、しっかりいくつも候補を見比べて決めましょう。あと、そうであっても、その理由は萎えるので、他の理由を見繕ってきてください。お願いします。

最後に付け加えると、地域名は県名ではなく最寄りの大きな市にするのがおすすめです。県名を入れると、プロの大劇団の地方興行や、養成所が出てきやすいように感じます。

そして、再三の忠告になりますが、サイトが良い劇団が良い劇団ではありません。少なくともしっかりしたサイトを持っている劇団は、外部意識が高いかもしれませんが、やむにやまれずサイトが更新できていない劇団もあります。

しっかり内容を見て精査しましょう。

Step2 まず観劇にいこう

良さそうな劇団をいくつか絞り込んだら、問合せをしたい気持ちをぐっとこらえて、直近の公演をこっそり観に行きましょう。

まず、すぐに問合せをしても、現在進行中の公演にポンと入って役者ができることはほぼありませんから、焦ってもしょうがありません。

特に忙しい時期にさしかかっていると、稽古中に構ってもらえずに置物になり、できることがないのに「あの人、みんな忙しいのに暇そうだね」という不本意な評価に繋がります。焦りは身を滅ぼします。

そしてこっそり観るメリットは、気に入らなかったときに断る必要がないというのが大きいです。

劇団は多種多様ですので、自分が気に入る劇団もあれば気に入らない劇団も存在すると思います。

稽古見学で歓迎されてからでは、なかなか断りづらく、なし崩し的にそれほど好きになれない劇団に所属することになっては、あなたにとっても劇団側にとっても不幸です。

まずは公演を観に行って、一緒にやりたいと思える劇団を見つけましょう。

ここで注意したいのは、初めて見る1つ目がつまらなかった、あるいは理解出来なかったからといって「演劇はつまらない」「私では演劇は無理だ」といった諦めをしないことです。

皆様が想像する以上に演劇は多様ですから、これはダメでもあれは合うというのが本当にあります。

めげずに探しましょう。

素敵な舞台と出会ったら、志望動機まで得られることになります。

「未経験ですが、前回の舞台が面白かったので」

これは主宰にとって殺し文句です。ですが、話す相手は選びましょうね。たまに、前回の公演には噛んでない人もいますので。宮崎駿さんに会って、火垂るの墓を誉めているみたいになります。まあ、嫌な気はしないでしょうが。

主宰にとっては、「褒められて嬉しい」以上に、「この人は劇団と感性が近いんだな」という安心感につながります。

自分にとってベストな劇団を見つけ、志望動機も見つかったら、いよいよ問合せです。

Step3 問合せ

入団希望の問合せの鉄則は聞かれてなくても言う。言わなくて良いことは言わないです。

いくらお気軽にお問合せくださいと書いてあっても。

「見学希望です。(ニックネーム)」

みたいな問合せをされると、こちらとしてはあなたが学生なのか社会人なのか、可憐な美少女なのか大男なのかさっぱりわかりません。以上のことは聞かれていなくても記載すると親切です。

記載すべき内容

名前(本名)

ニックネームは避けましょう。誠意の問題です。大丈夫、あなたが選んだ素敵な劇団が、本名を悪用したりしませんから。本名も知らない人を稽古に招き入れるのは、こちらとしても不安があります。

年齢・性別

年齢性別は入団資格になり得ます。だからこそ、顔を合わせる前には知らせておくべきです。顔を合わせてからだと断りづらいのは、劇団側も同じです。隠していても、会ってしまえばばれることなので、お互いに無駄な時間は省きましょう。

職業・住まい

個人を特定することが目的ではないので、詳しくは不要です。

「シフト制の仕事をしていますが、日曜日に休みをとれます」とか「遠方なので、夜間は何時くらいまでしか参加できません」とか、そのような内容を知っておくと、こちらとしても配慮のしようがあります。

志望動機

こちらから訊くのは気恥ずかしいですが、是非とも知っておきたい内容です。

アルバイトの面接のような絞り出したようなことを言わなくても、すでに観劇しているのですから、その感想で大丈夫です。大変喜びます。捕捉として「見ました」という漢字に抵抗がある劇団もあります。面倒ですが「観ました」の方が無難です。

「see」と「watch」の違いで、未経験者なのだからどっちでも良いと思うのですが、なんとなく「真剣に観た」印象を与えられて好感度が上がるかもしれません。

以上が、私が思いつく「この人できるな」と思わせるファーストアクションです。そして次に、避けた方がよい内容です。

避けた方が良い内容

自分のネガティブ要素の披露

やってしまいがちなのですが「内気な性格を変えたくて」などという内容は、「そうか、一緒に頑張ろう」という気持ちよりも「この人大丈夫かな」という気持ちを抱かせます。当然ですが、劇団はあなたをより良く変えるためにあるのではありません。本当の動機は自由ですが、聞かれてもいないのにあなたの評判が下がるようなことを言う必要はありません。

演劇に対する理想やメルヘン

「演劇のこんなところに魅力を感じます」や「違う誰かの人生を歩む経験をしたくて」というのは、一見正当な志望動機のようですが、あまりよくないでしょう。

劇団側はあなたよりよく演劇を知っています。「いやいや、演劇ってそんなんじゃないし」と思われてしまうと、演劇に対する情熱を伝えたつもりが、「合わないひと」「扱い辛いひと」というレッテルを貼られます。そういう話は、実際に参加して舞台を経験しながらしていきましょう。

活動に対する要望

「自分は何曜日しか稽古に出られません」や「こういう事情で重いものを運ぶような作業ができません」というのは、事前に言っておかなければと思ってしまうかもしれませんが、まだやめておきましょう。

それは見学後、本当に入団したいと思った時に「こういう事情なのですが、良いですか」といえば十分です。

一番最初の連絡で、あれやこれや条件が提示されると、「いや、まだ入団を認めてないけどね」「そんなにいろいろ条件があるなら見送ろうかな」という気持ちにさせてしまいます。

入社面接で「転勤は不可」とすると採用率がぐっと下がるのと同じです。

以上のことを守れば、かなり好印象で見学の日取りまで決まると思います。第一印象は大切です。あとは、見学して入団の意思を固めるだけです。

Step4 見学

もうすでに、あなたの評価はカンストしていますので、特に取り繕う必要はありません。

見学時に注意したいのは1点だけ。

これまで主宰の方や、ある程度劇団で決定権のある方と連絡を取り合っているケースが多いと思いますが、そのような人は稽古中、比較的忙しいです。

見学中に質問がある時、ついついこれまで連絡を取っていた人を頼ってしまいますが、まずは身近にいる人に聞いてみましょう。悪い顔はされないはずです。むしろ、初めてなのに色々な人とコミュニケーションを取れる人と思われます。

それから、完全に私見なのですが、演劇をやっている方は、人との距離感が変わっている方が多い印象です。

とても人見知りな人と、凄くズケズケと入り込んでくるひとが多い気がします。みんな良い人ですので、広い心で対応しましょう。

まとめ

未経験者が劇団に入ってみようと思ったら、大切なのは演劇の勉強ではありません。

重要なのは情報収集と下準備(公演を観る)と第一印象です

アマチュア劇団、言い換えれば趣味で演劇をやっている集団です。趣味ですから、好きな人と好きなことをしたいのです。

演劇をやってみようかな、と思った皆が、好きな劇団を見つけ、その劇団からも好きになってもらえたら、これからの演劇ライフは順風満帆です。

ご検討をお祈りします。

武田らこ TAKEDA Rhaco

演劇活動4年のブランクを経て、2015年に宮城の社会人劇団“Team HacCLose(チームハックローズ)”を旗揚げ。舞台に立ちたくて立ち上げたのに、現在は脚本・演出を担当。

武田らこ(Team HacCLose)記事一覧

2017.05.30

Team HacCLose

閉鎖的(Close)な環境を打開(Hack)したいという思いから命名。
観る人も演る人も、気軽に楽しめることをポリシーとしている。
2018年度は、年間3つの公演に向け活動中。
本年度の第1弾目は6/29より開幕。公式サイトにて予約受付中です!

公式サイト→http://hacclose.main.jp/
Twitter→@hacclose

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