烏合の衆で公演を打ってみた【Team HacCLose】

Team HacCLose

こんにちは、宮城の社会人劇団Team HacCLose の武田です。

私の劇団は、学生時代に演劇をやっていた若干の経験者2割と、未経験者8割で構成される烏合の衆です。

3年前に、「仕事をしながら昔みたいに楽しい舞台を作ろうぜ」という漠然としたコンセプトのもと、知り合い6人で結成され、旗揚げ公演を終えてみたらあれよあれよと入団希望者が集まり昨年夏の第2回公演では団員がおよそ30名となりました。

正直なところ、1つの公演を経たら気に入ってくれた人が2,3人入団して、3年後には10人くらいになっていたら良いね、くらいのイメージで活動していたため、それだけの人数を擁するには準備不足であったことが否めません。

一瞬にして、組織のマジョリティが初期メンバーではなくなってしまうわけですから、まさに統率の効かない烏合の衆。さらに殆どが、演劇を知らない未経験者。

さて、そんな劇団が公演を打つとどんなことが起きるでしょうか。

今回は、劇団の第2回公演の反省会をしたいと思います。

情報共有が難しい

組織において、情報共有は要です。「今何を何のためにやっていて」「最終的にはどうなりたいのか」「その為に何が必要なのか」を全体が把握して活動できるのが理想的です。

団員が増えていく過程において、一気に増えて公演のスタートを切れる訳ではありません。私の劇団の場合は、稽古開始の2016年秋時点で10名ほど入団し、その後は月に1~3名がコンスタントに入団していました。

すると、「言ったっけ?言わなかったっけ?」というのが大発生します。

未経験者に対しての基礎的な発声指導や役作りの仕方、劇団が何を目指して公演を打つのかというような重要なことが、一人一人に同レベルで落とし込みできません。

入団直後に個別に話をするか、稽古中に誰かサポート役を付ければ良いのでしょうが、結成メンバー6名に対して新人が20名以上いるわけで、今日入った人に指導しようと思っても、1ヶ月前、2ヶ月前に入団したばかりの人も野放しにできる状況でもなく、結果教える側の人数不足で手が回らなくなっていました。

逆に、全員を集めて講習会のような形で実施しようとしても、毎月新しい人が入る。社会人劇団ですから、教える側にも仕事があり、毎月講習会を実施する余裕はない。

新入社員の季節で「こんなこともわからないのか!」という状況を良く目にしますが、教えられなければわからなくて当然。意志の共有ができなければ、同じモチベーションで参加できなくて当然です。

全員揃わない

メンバーが2,3人であれば、全員が揃って稽古できるのが普通ですし、1人欠けるようであれば別日にしようということにもなるでしょうが、20人を超えたあたりから、稽古に全員揃えることが大変困難であることが体感できます。

考えてみれば当然なのですが、人数が多ければ多いほど誰かが欠席する可能性は高まります

お恥ずかしい話ですが、アンサンブルキャストまで含めると、第2回、その後の第3回公演ともに、参加者全員が揃ったのは本番前日のゲネプロが初めて、という形で本番を迎えています。

これは想像以上に問題で、次の稽古は復習から入るというのを毎回繰り返さなければならず、昔の30分アニメのように、復習と次回予告で稽古の8割が取られ、本編は2割しかできないという状態が毎回続きます。

「舞台をより良くする」以前に、「ちゃんと覚えてもらう」にほとんどの時間を割いていました。

次々に去っていく

人数が多ければ、主役級の役をできる人の割合は少なくなり、大多数がいわゆるチョイ役になってしまいます。

さらに前述の通り、全員を見ることすら困難な状況ですと、「自分はいなくて良いんじゃないか」という気持ちになってきますし、責任感が持てなくて当然とも言えます。

1ヶ月で1、2名が辞め、2,3名が入ってくる、というのは、今思えば地獄のような日々です。教えていたことが白紙に戻るの繰り返し。1年間のうちの8ヶ月くらいは、人が変わっているだけで同じことを繰り返していたような気がします。

結論:人数と作品のクォリティは反比例する

これはアマチュア劇団に限った話かもしれませんが、人数が多ければ意識・情報の統制が難しく、稽古のスケジュール調整が難しく、全員を同レベルに仕上げるのが困難になります

家族全員がリレー形式で1000m走をするのであれば、おじいちゃんや赤ん坊はいない方が早くて当然。夫婦のみの家族なら一人500m走らなくてはなりませんが、それでもおじいちゃんや赤ん坊がいる5人家族よりは早いはずです。

さて、ここまでは長い長い愚痴と後悔のような話でしたが、私は自劇団をそこまで悲観しておりませんし、もちろんメンバーをリストラするつもりもありません。家族リレーの例えを再度持ち出せば、自分が早く走れるなら、一人で1,000m走るのが一番早いですが、それでは社会人劇団として空しいと、私は思います。

早急に、クオリティを求めれば、少数精鋭にしてリストラするのが手っ取り早いのかもしれませんが、不具合を排除した後に残るのは一定のクオリティを保った私の自己満足でしかないと思います。

であれば、入団を希望する人をこれからも受け入れ続けながら、5年後、10年後には全員で、目指すクオリティの舞台が作れる未来を夢見たいと思います。

幸いにして、大人数の未経験者を取りまとめるノウハウは少しずつ蓄積されたつもりですし、メンバーも目に見えて成長しています。

昨年、しばいのまちで息巻いて臨んだ舞台は、正直なところ納得できるクオリティには達しておらず、がっかりさせてしまったお客様もいたことと思います。そこは素直に反省しつつ、これから良くなり続けられるよう、方策を練ったところです。

2018年は、舞台を向上させるために、劇団員をさらに増やし、公演回数を増やします。

レベルが低いのであれば、地固めの為に募集を打ち切り、基礎稽古を増やし、じっくり公演に臨むというのがセオリーでしょうが、もはやここまで膨れ上がってしまった烏合の衆ですから、普通のやり方で埋没するのはもったいないと思っています。

過去を悔やむのはこれくらいにしまして、次回は未来の話をしたいと思います。

これからも、大家族ドキュメンタリーを見る感覚でお付き合い頂ければ幸いです。

武田らこ TAKEDA Rhaco

演劇活動4年のブランクを経て、2015年に宮城の社会人劇団“Team HacCLose(チームハックローズ)”を旗揚げ。舞台に立ちたくて立ち上げたのに、現在は脚本・演出を担当。

武田らこ(Team HacCLose)記事一覧

2017.05.30

Team HacCLose

閉鎖的(Close)な環境を打開(Hack)したいという思いから命名。
観る人も演る人も、気軽に楽しめることをポリシーとしている。
2018年度は、年間3つの公演に向け活動中。

公式サイト→http://hacclose.main.jp/
Twitter→@hacclose

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