2017年。首相の呼びかけで、『働き方改革』がはじまりました。会社員である私の働き方が変わるようです。
「多様な働き方かぁ。いったい多様な働き方っていったいなに??」
疑問符が浮かんだと同時に、私は思いました。
「それなら。働きながら、演劇もやりたいなぁ。」
というわけで、会社員が≪演劇≫をやってみることにしました。この記事はそのチャレンジ中に起きた困った事と、その打開策を体験記という形でつづった連載記事です。
Q1.演じてくれる人はどうやって探せばいいの??
さて、演劇をはじめることにした私。さっそく脚本の初稿を書き上げました。
公演の企画書もつくっちゃったりなんかします。そこでふと問題に気が付くのです。「演劇サークルにも入っていない会社員は、どこで演じてくれる人を探したらいいの??」と。
これが私が最初にぶち当たった困り事です。
A1.私はこうやって素敵な役者さんを見つけました!!
困り事にぶち当たった私。幸いだったのは、はじめようとしたのが演劇だったこと。
演劇の世界で日常を過ごす人たちは、会社員が想像している以上に親切なひとばかりでした。会社員が企画する今回の演劇は、下記の四つの手段で演じてくれる人(=役者)を見つけました。

結論からいうと、知り合いには出演を断られてしまいました。
会社員の知り合いは、会社員なのが、断られた理由だと思います。
具体的には「いま転職を考えてて余裕がなくて」、「仕事で大事な時期だから」という理由で断られてしまったのです。
ただし「受付なら」とか、「音楽なら」とか、「装置製作なら手伝う」とかいう形での仲間は見つかりました。たとえ役者という形でなくても、気心の知れた相手が一緒に演劇してくれるのは心強いです。
だからダメもとで、知り合いには声をかけた方がいいと思います。

私の場合、実は一番最初にお願いすることになった役者さんを見つけたのは飲み会なんです。
Twitterでみつけた『どんぐりマミーさんの演劇飲み会』という飲み会に参加したことで、今回の企画を演じてもらいたいと思う役者さんをみつけることができました。
と、いっても飲み会でその役者さんに直接出会ったわけではありません。最初は、飲み会で出会った劇団主宰の方に稽古をのぞかせてもらう約束を取り付けたんです。
その稽古場で素敵な演技だなと思った役者さんに連絡先を交換してもらい、後日その役者さんの舞台を観に行ったあとに出演の依頼をしたという順番です。
こうして無事に一人目の役者は、「飲み会」という方法でみつけることができました。
Twitterを眺めていると劇場が企画している飲み会や、劇団が企画している飲み会、それからこのWEBサイト「しばいのまち」が企画している飲み会があるので、私の参加した「演劇飲み会」以外にも役者さんと出会える場所はきっとあると思います。
そういう、演劇関係者が集まっていそうな飲み会に参加するのは、とってもオススメです!!

ネットでの募集はすぐに思いつく手段だと思います。
私も割と早い段階で試したのですが、活動初期段階の団体がこの手段で出演者をみつけるのは考えている以上に困難に感じました。
具体的には「Corich掲示板」さん、「演劇交差点」さん、「オーディションプラス」さんというサイトで募集告知をさせて頂きました。
完全に私の肌感覚でしかないのですが、今回のように初めての公演をする団体に関しては、100人中、20人が興味を持ってくれて、1人が実際に応募をしてくれるように思います。(※ちなみにこの数は掲示板書き込み直後の団体HPアクセス数と、応募数が参考です。)
その1人が企画とマッチしているかいないかをジャッジするのですが、それが大変でした。
向こうはHPに書いてある情報しか知らず、こっちは向こうの経歴しか知らないので、せっかく見つかった100人のうち1人がミスマッチということがあるのが問題点です。
特に他の方法は、私が断られる側だったので「またの機会によろしく」と言えたのですが、このネットで出演者を募る方法ですと、私から断らなくてはいけない事もあり心苦しかったです。

二番目にお願いすることになった役者さんはこの方法でみつけました。なんだかんだ言って直接お会いして、告白ならぬ出演依頼をするのは効果的に思います。
この方法の良い所は、自分が素敵だと思った役者さんに出演して貰える可能性がある事です。
具体的にはインディーズ映画のショートフィルムを見て、企画に合っていそうで、なおかつ一番気になった若手役者さんに、直接連絡を取って出演交渉をしました。
その方は幸いな事にTwitterに登録されていましたので、ダイレクトメッセージを使って「突然ですが、もし小劇場の舞台に興味をお持ちでしたら」という書き出しで連絡すると、お返事が頂けたのです。
その他にも今回の公演では出演する事にはなりませんでしたが、素敵だと思って連絡したことを素直に伝えると、会ってお話を聞いてもらえた方は、決して少なくはなかったです。
ギャラの話や、自分の事を正直に話したのが、直接会ってもらえたポイントかなと感じています。
まとめ
冒頭にも書きましたが、幸いなことに演劇の世界で日常を過ごす方々は、想像以上に懐が広いです。
恥を恐れずに当たって砕けろの精神で直接会って欲しいことや、出演して欲しい事を伝えると、前向きに考えてもらえることも少なくありませんでした。
結果としてスケジュールの都合や企画の内容を理由に、「今回はすみません」と断られてしまうことももちろんあります。
ただ私は演劇を再開しようと思ったきっかけのひとつが、「暖かな出会いをみつけたい」というものでしたので、演劇をはじめるとこんなに知らない人に出会えるのが新鮮でした。
それでは役者探し編の記事はこれでおしまいです。
次回も赤裸々に体験をつづっていきますので、読んでもらえると大変うれしいです。
ライター:いちかわとも
乙戯社主宰/脚本家
8月31日生まれ。おとめ座。日本大学芸術学部卒業。
書きためていた演劇の脚本を発表するために、会社員として働きながらも、乙戯社という団体を立ち上げて、リリカルなラブストーリーを中心に演劇制作をしています。
乙戯社HP
個人ツイッター:https://twitter.com/otogisya