いいもの作ってたら、有名人使ったら売れる!そんなの幻想です。商品は宣伝してなんぼです 【藤田侑加】

お久しぶりです!
気がつけば半年単位の完全不定期連載と化しておりました!忘れてないよ!!

去年は自主制作映画の広報もやっておりました藤田です。

今回は「宣伝・広告」あたりの話を書きたいなと思っています。

藤田侑加 記事一覧

2017.05.30

小劇場では「広告」という概念が無い

先日の記事そもそも公演のお金ってどこにいくらかかるの??について、知り合いからの感想が届きまして

「予算組案見て、どっか自分から売り込めるポイントないかなーって探したんだけど『宣伝広告費』の予算どりしてなくない???」

ええ、広告予算って小劇場レベルじゃほぼ組んでないですね・・・・。

絶対かかる固定費用である劇場費用などと違って、広告費は過去の記事でも触れましたが完全に「オプション」部分。

実際問題、小劇場クラスだと固定で絶対かかる費用のうち、スタッフのギャラは平気で値切られ調整が効きそうと思われやすいです(これ、金額だけ見て「高い」と判断されがち!)。

そして当日スタッフは「え?後輩とかタダで使えるやついるから」、口をひらけば「**は有料だから」「無料じゃないから」という言葉が飛び出て来る時点で、広告費なんて予算組みしているわけなかろう!!!

おっと失礼荒ぶりました。

そんなことを言っている一方で、やれ「業界の大物プロデューサー」であるとかにはゴマをするように「コンサルタント料」だの「プロデュース料」とかいう名目でやって来た請求書に対してポンと大金を払ったり、自分たちの飲食交際費にはゆるゆるなのに他人の経費はやたら締め付けが厳しい。まあ一般企業でもよく聞くお話ですね☆(※実話)

こういった話は結構身近なところに転がっております。

パブリシティと広告の違い

というわけで話を戻して。

宣伝、これは永遠の課題。

そもそも「PRしてください」ってよく言われますけど、改めてなんぞやと。いわゆる団体側がやる広報・宣伝にはかなりざっくり2パターンありまして、

・パブリシティ

・広告

かなり大まかにいうとこの2つです。どう違うのかといいますと、

パブリシティ
マスメディア主体による、消費者への情報発信。

基本的に無償で掲載されるもの。新聞、雑誌、ウェブサイトのエンタメ情報コーナーなどが相当(純粋に情報のみが掲載されてるページなど)

広告
団体・企業が広告主となる、団体・企業負担での発信。ウェブサイトなどで『PR』マークがついてるものといえばわかりやすいかも(付いてないのもあります)バナーなどの「純広告」、インタビュー形式などの「記事広告」といろいろなパターンがあります。

※かなりざっくりな分け方なので、もちろん全てがこの限りではありません!結構ケースバイケースです。

そして、みなさんがよく雑誌や新聞、Webページなどで見ている特集記事、これはだいたい広告です!

以前、雑誌の広告営業の営業アシスタントをやっていたのですが、雑誌のページってびっくりするぐらい広告で出来てます。

「媒体資料」とかで検索したら大体のロジックが載っているので、雑誌ってそうやってマネタイズしてるんだな・・・というのが如実にわかります。

ちなみにパブリシティは掲載無料なので載るかどうかは媒体次第です。

掲載スペースも紙面だと有限であったり、印刷物の場合は印刷スケジュールとの兼ね合いもありますのでタイミング的なものもあるでしょう。

自分からアクションせずに売れる…わけない!

そしてこれらに共通して言えることは、「まず自分から売り込まないと載る載らないは別にせよ、そもそもないものとしてみなされる」こと。

一度は思ったことはあるのではないでしょうか

「いい作品を作っていたら、ある日ふらっとやって来た有名業界人が見出してくれる」
「この作品はこういう作風だし、既存のこういう作品に興味のある人はきっと見に来てくれる」
「テレビに出てる有名人が小劇場の舞台に出演しているから新聞や雑誌の取材が来るはず」

それ、ほぼ無理だと思っています。

単純に、都内の劇場の数・1日に行われている演劇公演の数を考えても、所謂メディアの対新聞主要5誌、在京キー局のローカルコーナー、ウェブニュース、雑誌出版社などの数と比較してもまあ、何も発信してない団体や公演が運良く取り上げられるなんて可能性は限りなく低いです。

「メディアやからSNSとかから情報拾ってるはず!」というのは甘い考えです。知人ベースでも「え!?○○さん今**で公演やってんの!?知らなかったし!」ということが起きているのに、対メディアでそれが適応されるでしょうか?されないですよね。

なおかつ、こういう広告・パブリシティというものは費用対効果が見えにくいので「する必要あるの?」と言われがち&思いがち。

最近では、出演者のSNSアカウントとかのフォロワー数を重視して、同じぐらいのレベルの役者だったらフォロワー数多い方を取ったりしてますね。

すなわち、不特定の圧倒的多数ではないけれど無料(厳密にいうなら宣伝協力も『ギャラに含む』)で拡散でき&コンバージョン、この場合はチケット購入などの来場確度が高い人を座組に入れるわけです。

ちなみにこういうのは『インフルエンサーマーケティング』と呼ばれたりしてます。

でもそれって、従来の蓄積があって、顧客の囲い込みができている団体のパターンがオフラインからオンラインにあるいは団体から個人に移動しただけです。

役者に「チケットを売れ売れ」と煽るだけではなく(もちろん、役者が手売りするのは大事です)役者個々人の購買力が団体が思っているよりも低いなら、団体が積極的に動いて、「出演者のおともだち」以外、もっと広いところに情報を飛ばす努力を尚更する必要があるのではないでしょうか。

確かに、予算は有限です。むやみやたらにお金をかけるべきではないとは思います。しかし、必要であれば予算をかけてしっかりと世の中に認知してもらう努力をしたほうが良いのではないかと思っています。

失敗も成功もしてないのに「お金がかかるから」という理由で敬遠するのは違うのではないでしょうか。

虎穴に入らずんばなんとやら。お金をお客様からいただいているのであれば、こちら側のお金の使い方もきっちり勉強・理解が必要だと思います。

藤田侑加

兵庫県神戸市出身。武蔵野美術大学造形学部空間演出デザイン学科卒。
大学は舞台美術を専攻し、卒業後演劇の制作として活動を開始。現在はフリーでチラシのデザインや演劇の企画・広報・制作から海外の演劇祭などにも参画中。
動画メディアサイト『エントレ』で不定期に公演レビュー掲載中
http://entre-news.jp/author/fujita

ホームページ:http://yukarienne.com/
ツイッター:@yukarienne
instagram:https://www.instagram.com/yukarienne1026/

制作・公演情報

制作担当

2月2日〜7日 劇団おおたけ産業「だいかぞくのちょうなん」@新宿眼科画廊スペースO
脚本:関村俊介(あひるなんちゃら) 演出:大竹匠(劇団おおたけ産業)
詳細⇢https://www.otake-sangyo.com/%E6%AC%A1%E5%9B%9E%E5%85%AC%E6%BC%94-2/

チラシデザイン担当

第2回新宿演劇祭参加作品 みけねこ企画プロデュース公演「タシャたち」


脚本 大江和希 演出 白帆(しほ)
2018/02/10(土) 12:00開場予定 12:30開演予定
新宿文化センター 3階 チケット予約
チケット⇢https://torioki.confetti-web.com/form/359
料金:前売り3,000円 当日3300円