自分がやりたいことを我慢したり、「本当は〇〇がしたいのに」と思っていながら、「まずはバイトしなきゃ」とか、夢をかなえるためには好きじゃないこともしなくてはならない、と考えている人は多いと思います。
今回はそんな人達に向けて、20代という若さで、バイトをせずにフリーランスの役者であり指導者であり、様々な活動を幅広く行っている男女二人の対談をお届けします。
指導者として大切にしていること。バイトをせずに食べていけるのか。などを中心に聞いてみました。(聞き手:小玉高)
2人の自己紹介
ーまず自己紹介をお願いできますか?


こうして言ってみると、やっていること、結構かぶっているんですよね。

指導者として
ー指導とは具体的に何を行っていますか?

目的によって全然違うんだけど、基本、僕のモチベーションは人をより良くしていきたい、というもので、その人の人生がより良くなっていけばいいなと思って教えているから、良い声が出せるようにとか、こういう動きが出来るようにということで教えることはあんまり無いね。
まあ、結果的に、声がよくなった・姿勢が良くなった・こういう動きが出来るようになったはあるけど、あまり、そこに僕はポイントを絞って指導していないね。









まあ、単純にこういう声が出せるようにみたいな目標も、じゃあ何が必要か書かせて、これやった方がいいんじゃない、あれやった方がいいんじゃないみたいな形で私は指導をやっていますね。
ー忍翔さんは、人をより良くしていきたいという目的がありますが、あかりさんはどのような目的がありますか。






「こうなりたい」というもの、目標に対してアドバイスをしている。一人即興芝居をやる、という目的はあるんだけど、目標の達成の仕方を知らないとか結局、そこだったりするから。

オーディション前の合格のための対策とか、よく依頼受けてやってます。
指導者になったワケ


例えば、世に言う俳優を目指す人たちは劇団や事務所に入って一直線のルートで「よーいスタート」で脚力勝負みたいな世界じゃない?この世界で脚力勝負をしたら僕は勝てないと思ったのよ、早い段階から。


その人は僕よりも4歳ぐらい上で実力がかなり高い人で、その人と対峙した時に「勝てない」と思ったわけ。
例えば、六角形のステータスで記した時に一か所は勝っているなと思うのはあるけど、この人はほぼ全てのステータスが僕よりも一枚も二枚も上手だから、勝てないと思ったんだよね。本当お世話になった劇団さんだったから、このまま、今後もこの人たちと一緒にやっていくとなったら、その人も同じ分もしくはそれ以上進むわけじゃない。




まあ、説得力を無駄に出すのは自信あったから(笑)3の知識でも70、80ぐらいに見せる力はなんかあったし、後輩に慕われてたし、信じてくれていたから、それに応えなきゃいけないと頑張って、それを結果的に繰り返していたら、今という形になったね。元々、教えることは好きで、塾で講師として教えてもいたし。

そもそも教える側をやってみたいなぁ、とほわっと思っていたことはあったんですけど、本当にたまたま子役指導できる枠が回ってきて。そのときはOLだったし、本当に奇跡的にそうなりました。
フリーランスという生き方
ーお二人はフリーランスとして活動しているわけですが、フリーランスだからこその悩みはありますか。





それにゴールも無いから全部目標地点じゃないですか。私的には夢を叶えるのはやり続けたいことだし、そういう最終的な目標もあるけど、ずっと走り続けなきゃいけない時に、たまに疲れることがありますね。
あと周りから、若いのに凄いねって過大評価をたまに受けるのが私的には辛いです。







バイトをしなくても、全然好きな事で生活できる


「お前がまだ何も出来てないのに」という風になっても、あれだから自分が出来ることしか下に言えないし。ってなったら一人で即興芝居やるのとかも自分の為というより他人の為。
僕だったら団体の子たちがメインになるね。あの子たちが見て、こういうことが出来るかもしれないという可能性の指標にして欲しいというのがあるから、自分の為に何かやるっていうのはあまり無いかも知れない。舞台とか創作するに関しても、これを観たあの子たちが、こうなるんだろうというのを示していきたい。



皆、どこかしらで続けたいけどバイトしながらじゃないと無理でしょと、ちょっとは思ってると思うんですよ。




ー夢や目標に対してどのように活動し達成していますか。



自分が演劇をしていた時に、こうやってやるんだというのが無かったんですよね。と言うより大人を見ていて、駄目なテンプレートしか無くて、この人達を見習ったら失敗するんじゃないかと思って。そういうのしかないのが本当に嫌で。


皆に全然余裕で好きなことをして食べれるというのもそうですけど、夢は叶うんだよというのを、きちんと見せてあげたいなと思って。
意外と今は、皆、夢を叶えやすい世の中なのに直訴とかをする人は多分あまりいないと思いますし。だから情熱がある人が叶いやすいなと思うんですよね。


それも大きい舞台に出たいとかより、自分が本当にピンポイントに出たいものに出ることに意味があるなって思って色々と頑張って、秦組の公演に出れるようになりました。



絶対に簡単な道じゃないから、それをピンポイントで達成したという事実は夢物語ではない。しかも、実績がそこまで無くて、やれたんだぞということは、本当によっしゃよっしゃと思って、本当におめでとうだし凄いと言いたい。

まとめ
指導の仕方は違うが、『人をより良くしたい・輝かせたい』という目標は二人とも一緒であることが分かりました。
自分の為では無く、人の為に指導をするのが好きだからこそ、バイトをしていなくても生活が出来、多くの人に慕われてもいるのだと思いました。
これからの2人に期待しつつ、様々な人達が2人の生き方を見て、それに続くように夢を叶えることを切に願っています(小玉高)
忍翔
国際的に活躍するインプロ指導者・今井純、NYアクターズスタジオ生涯会員・ボビー中西に師事し、インプロとマイズナーテクニックを学ぶ。
20歳で日本初の学生インプロ団体「劇団しおむすび」を立ち上げ、現在はプロデュースと指導を行っている。
また、一人芝居役者として、インプロ、ミュージカル、ストレートプレイも行い、「役者は1人でも生きていける」ことを自ら体現している。
https://peraichi.com/landing_pages/view/playerosho
深月あかり
「好きなことを仕事に」をモットーに役者、ライター、振り付け師など、様々な分野で活動中。
現在はアイドルのダンス指導をメインにダンス講師をしている。
そして、自身がずっと夢だった秦組の舞台らんが現在、公演中。
★出演情報★
秦組「らん」
2018年1月17日より、スペースゼロにて絶賛公演中!
http://hatagumi.com/index.html
また、インプロチーム不条理狂詩曲《ふじょうりらぷそでぃ~》の主宰もしています。あとは、基本フリーでインプロバイザ―(即興役者)として、インプロの企画・指導・表現、舞台に立つことをやっています。宜しくお願い致します。