七つの顔を持つ男_その4「あなたの知らないリハーサル」【たすいち 目崎剛】

しばいのまちをご覧の皆様、こんにちは!
4回目の更新となります、たすいちの目崎です!

間が空いてしまいました。楽しみにしてくださってる方がいたら、申し訳ありません!
いるかな・・・いてほしいな・・・いるなら意思表示してほしいな・・・←

なぜ間が空いてしまったかといえば、主宰してます劇団、たすいちの本公演があったからなのです。

なんと、なんと、「しばいのまちのコラムを読んで気になったから来てみた」というお客様がいらっしゃいました!!感動!!!!!ありがとうございます!

公演があったということは、劇場入りをし、舞台を仕込み、場当たりをし、リハーサルをし…そして初日の幕が開き、お客様を迎えているわけです。

お客様は幕が空けてから劇場にやってくるわけですが、では、それまでの劇場入りの期間一体何をしているのか、ご存知ですか?

「当たり前だろ!」
って方も多いと思います。ですがそこは七つの顔を持つ男。

じゃあ、演劇部にとっての場当たりって?という話も展開します!

ですので今回の記事は、舞台の裏側を知らないお客様演劇部に所属したことのない方演劇部以外でも演劇をやってみたい!という方は読むと楽しい記事かな、と思います!

舞台の裏側を知っている演劇部出身の人はつまらないです!読み飛ばしてください!←

そもそもの言葉の意味

「仕込み・場当たり・リハーサル」って、そもそもどういう意味なの?っていう基本的なところからスタートしようと思います。

よくSNSなどで「劇場入りしました!」「今日は場当たりです!」「リハーサルを終えました!」といったつぶやきなどを見かけますが、これ、意味わからない人には何の宣伝にもなってないよな…と。

たとえば、力士の方が「土俵入りしたでごわす!」とSNSでつぶやいたとします。

今、周りにいる役者・スタッフに聞いてみたんですけど、土俵入りの意味の正解がみんなバラバラで、G〇OGLE先生の力に頼ってやっと正解に辿り着きました。みなさま、一度考えてからぜひ先生に聞いてみてください。

「劇場入り」とは

劇場入りは、稽古を終え、公演を迎える劇場に入ることを指します。

実は文字通りですね。だからなんとなく意味はわかりますよね。

「仕込み」とは

仕込みは、舞台美術(セット)を立て込み、音響機材(スピーカーなど)を配置したり、照明機材を釣りこんだり、チェックしたりすることを言います。主に劇場入り一日目に行われますね。

スタッフさんが頑張ってくださる日です。

演劇は総合芸術、と言われます。それは、脚本・演出・役者、そこに照明・音響・舞台美術・映像などなどなど、それぞれのセクションが技術を持ち寄り作り上げるのです。

では「場当たり・リハーサルの話」、ここから、演劇部と小劇場で大きく話がズレてきます!先に用語の説明だけしますね。

「場当たり」とは

場当たりは、スタッフワークと、練習してきたシーンとを合わせてゆき、本番と同じような状況で確認していくことです。

照明・音響が主になってくるかもしれませんが、「いつ、どのタイミングでどうなるのか」をすり合わせてゆきます。

「リハーサル」とは

リハーサルは、仕込んだ舞台で、場当たりをしたものを、本番通りに最初から最後までやることです。よく「ゲネ」と言われております。

これは「ゲネラルプローペ」の略です。日本語訳では「通し稽古、舞台稽古」といった意味のようです。ゲネプロという用語は日本でしか使われていないようです。他にも「ドレスリハーサル」と言ったりもしますね。

小劇場の「場当たり・ゲネプロ」

まずは小劇場から。商業や、もっと大きな劇場だと勝手が違う可能性もありますが、僕の七つの顔にはまだそこには入っていないので、除きます。「たすいちの場合」でご説明させていただきます。

まずは「場当たり」から

劇場入り1日目に仕込みをし、細かい作業が残っている場合2日目の午前中に修正をし、大体午後から場当たりとなります。

この場当たり、お芝居のジャンルにもよりますが、平均して6~8時間かかります。

なぜこれだけ時間がかかるかというと、安全面やクオリティのために時間をかけているのです。

たとえば、銃を撃つシーンがあったとします。

銃を撃つだなんて、シリアスなシーンに決まっています。きっと。そんな時、銃声のSEがズレてしまったら、目も当てられません!

でもじゃあ、どのタイミングで銃声を入れるのが正解なのか、という擦り合わせが行われていくわけです。

引鉄を引いた時?セリフを言い終わったら?いい顔をしたら?銃を撃つっていう気持ちになったら?お芝居は虚構、でも気持ちは本物、そしてお芝居はナマモノ。その日その日で少しずつ、意図せずとも変わってしまうわけです。

だから照明や音響のオペレーターさんはそれをくみ取るためにお芝居をよく観てくださるわけです。
でも毎回毎回きっかけが変わるわけにもいかない。

じゃあどこをきっかけにしたらいいのか、ということなのです。

もちろん事前に「このセリフを言い終わると同時にしましょう」と、打ち合わせをする場合がほとんどかと思います。

でも、劇場に入って、いざ舞台美術、照明も入って場当たりをしてみた時、突然演出の気が変わるわけです。「やっぱり引鉄をひいたらにしてください」と。

演出の仕事の一つは作品のクオリティを上げることにあります。

劇場入ったら「あ、こっちの方がいいな」と思うことが多々あります。

なんて勝手なポジションなんでしょう!もうね、超楽しいですね!だって演出としては、自分が思う最高に面白いものを表現するためにこだわれる時間ですからね!

それにスタッフさんたちは嫌な顔一つせず、お付き合いしてくださるわけです。

もう神様ですね。スタッフさんがいなかったらお芝居はできません。

これも新人の時代に叩き込まれたことです。スタッフさんがいなければ公演はできない。
これは逆もまた然りですし、路上でやるとか一人芝居とかだとまた話が変わってくると思います。

でも僕はスタッフさんへのリスペクトを忘れてはならない、と思っています。

次はゲネプロ

そして、ゲネプロ。

2日目に強行してやる劇団の方が多いかな?たすいちでは基本的には3日目のお昼にゲネを行い、夜に初日の幕が開きます。

場当たりで決めたことを行うスタッフさんたちも人間です。

操作をミスすることだってあります。だから練習が必要なわけです。役者たちは1か月とか2か月とか練習してこれるかもしれませんが、スタッフさんたちはほとんど練習する時間のないまま本番に突入するわけです。

それなのに完成度が高いのです!神ですね。

そして起こった問題やミスなどを修正して、本番を迎えるわけです。これが小劇場の…もしくは、目崎、たすいちの経験してきた場当たり・ゲネプロです。

これ、「うちはこうしてる」「こっちのがいい」とか意見あったらぜひぜひ反応いただけたら嬉しいですね。
みんなでよい演劇界になっていけたら、と思います。

補足すると、場当たり、ゲネプロなどを回したり劇場入りしてからの責任を持つのが舞台監督さんです。

すべての要です。野球で言ったらキャッチャー。和食で言ったら出汁ですね。

演劇部の場合

このコラムを書く前に、演劇部の場当たり、リハーサルのことを知らない人に話したらびっくりされました。

逆に、演劇部から小劇場に入った身としては、小劇場のやり方にびっくりしていました。

まず端的にお伝えしますと、ほとんどの場合、演劇部では、場当たりは60分前後ゲネプロはほぼやれないとなっています!

これはどういうことなのか。前述の通り、小劇場で場当たりをやることやゲネプロをやることの重要性はなんとなくわかっていただけたかと。

それに対して、プロじゃない、学生の子達は圧倒的に時間が足りないのです!

中・高生の発表の場は大きく3つあります。
・大会、発表会など、大きな団体がバックアップしている、いくつもの学校が参加しているもの。
・文化祭など、演劇部以外も参加する大きなイベントに参加しているもの。
・自分達で企画する、自主公演。

といったものがあります。

いろんな団体が参加しているものだと、それぞれの学校や団体の持ち時間というものがありまして、それを分割していくと時間が短くなっていくのです。

他にも、そもそも未成年、学生。授業もあるし門限もあるしで、活動できる時間が限られてもいます。そうやって時間がどんどん限られていってしまうのです。

そんな限られた時間の中で中高生は場当たりを行っていきます。

強豪と呼ばれる学校は、場当たりの練習をする時間を取るそうです。恐ろしい・・・!

照明・音響は本番、予定しているものが機材でできるかの確認をします。

そしてその間に搬入(使う道具などを運び込むこと。ここから時間に踏まえられてるんです!)を役者達は行い、舞台面に一度立て込んでみます。

あんまりにも複雑なものだと時間がなくなってしまうわけです。舞台監督さんは、劇場のスタッフさんに聞かれたらなんでも答えないといけません。でも、中高生は舞台監督の重要性をいまいち理解しきれていないように思います。(劇場舞台袖スタッフの仕事もしていた時期があるため)

そして大体の場合、舞台を仕込み終わっても音響・照明の作業は終わっていません。そりゃあそうです。やることがたくさんあるわけですから。

それを理解せずに舞台面から「まだ!?」と怒声が飛んだりすることもあります。お互いのセクションがどういった仕事をしているかを理解すること、とても大事ですよ!

なので基本的には音響・照明抜きでできることを確認していきます。

たいていの場合、本番の会場はホールなど、とても広い場所で行うため、部室より広いんです。だから、単純な登場、退場にも時間が変わってきてしまう。その確認をしたり、声の響きがどうか、どの声量なら聞こえるのかを確認したりします。

で、大体30分くらいかな?経った頃に、音響と照明がフリーになり始めます。そうしたら、今度は小劇場でいう場当たりのようなことが行われます。

残り時間的にゲネプロはできません。また、頭からやっていったら時間がなくなってしまいます。なので、先ほどの銃のように、劇場でしかできない部分の合わせだけを、優先順位を決めてきて、確かめていきます。

そして50分から55分くらい経ち、片付けを始めます。そう、この60分には、撤収作業まで含まれているのです。

仕込んだ舞台・終わらなかったタスク。それでもどの学校も同じ条件でやっているので文句は言えません。すごい世界ですよね。。。

これは小劇場でも稀にある

小劇場でも、フェスのように、何団体かが合同で行うイベントなどがあると思います。

そういうものですと、20分の短編であったりすればこそですが、場当たり時間が1時間というものがあったりもします。

たとえば目崎がよく参加している「劇王」というイベント。こちらも大体1時間です。その準備期間で何ができるのか、という、劇団同士のしのぎを削る争いが行われていたりするわけです!

ん・・・?劇王・・・?どこかで最近聞いたような・・・?

この記事の一番下にたどり着くまでに何か思い出せそうな気がするな・・・?

目崎剛

1987年生まれ。生まれも育ちも神奈川県。中学生で演劇部に入部したことをきっかけに、どっぷり演劇漬けに。早稲田大学入学後、早稲田大学演劇倶楽部に所属、2007年12月に「たすいち」を旗揚げ。
「青葉区小中高生ミュージカル」の脚本・演出、「K中・高等学校演劇部」の外部コーチなど、演劇教育にも携わる。
好きな漫画は「ちはやふる」

コラムへの要望などありましたらお気軽にツイッターなどへ!
@mezaki_tasuichi

たすいち

カムカムミニキーナ、ポツドール等を輩出した早稲田大学演劇倶楽部から、2007年に目崎剛が旗揚げしたユニット。
『ありえない』設定を『ありえそう』に見せる屁理屈でちょっとファンタジーな舞台を創る。文学でも映像でもなく演劇でしかできないことを追求し、笑って泣けて考えられるエンターテイメントを志向する。

2011年1月より12ヶ月連続公演を敢行。2012年4月には吉祥寺シアターで本公演を行った。2015年、「劇王東京Ⅱ」にて、二代目東京劇王となる。その後、神奈川かもめ短編演劇祭で、短編演劇日本一(優勝は韓国だったため)となる。
2017年、10周年イヤーとして諸々企画、進行中!

公式サイト:http://tasuichi.wixsite.com/tasuichi

公演情報

劇王ⅩⅠアジア大会 関東ブロック代表決定戦
「港ヨコハマ・ライジング!」参加作品
たすいち「名前のない名前を呼ぶ冒険」
@山手ゲーテ座ホール(みなとみらい駅 元町中華街駅 徒歩3分)
8月26日 14時Aブロック 19時Bブロック
27日 13時Bブロック 16時Aブロック 17時半審査員による講評、結果発表!

たすいちはAブロックに参加しています!

チケット代
一般3000円
学生2000円
A・Bブロックセット券4500円

ご予約は
tasuichi1@gmail.com
まで!

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