たまには創作の話でも〜エンターテインメントとアートのはなし〜【日向修二】

こんにちは日向修二です。サラリーマンやりつつ演劇やってる奴です。

今日は僕の趣味嗜好についてお話ししようかな、と思います。

タイトルは仰々しく「エンターテインメントとアート」なんてつけていますが、要は僕の趣味をこの広大なインターネットのワールドワイドウェブに垂れ流す、ただそれだけのことです。

エンターテインメントとアート

まずエンターテインメントとアートのことについて話しましょう。

みなさんはどんなものが「エンターテインメント」で、どんなものが「アート」だと思いますか?いろいろ意見があると思うんですが、僕は次のように考えています。

・エンターテインメント:誰かを楽しませることを目的としたもの。この部分が楽しい!面白い!と思えるもの。

・アート:自分が楽しいと思うことを目的としたもの。よくわからないけどすごい!と思えるもの。

エンターテインメントは、「どこがどう面白いか」がちゃんと説明できるものなんじゃないかな、と思います。それゆえ、面白くするためのメソッドが確立されていくというか。「ここをこうしたらウケる!」といえるものです。

対してアートは、理由はよくわからないけどすごい!と感じられるものかな、と思います。

きっと後付けで説明できるとは思うんですけど、そういう説明じゃなくて、感覚として良いと感じるかどうかというか。センスというか。だからこそきっと、一流のアーティストの作品はなかなか真似できないんだと思います。

あと、何がウケるかわからないので、誰かを楽しませることを狙うのではなくて、自分がやりたいことをやる(≒自分とセンスが似ている人にはウケる)ものだと思います。

そんでもって僕は、エンターテインメントが好きです。見るのも作るのも。なんででしょうね、楽しみたいんですかね。

クラシックギターの選曲

ちょっと、いやかなり話題が逸れますが、僕は大学時代に、演劇をやる傍らクラシックギター部に所属していました。それまであんまり、というか全くクラシックの素養が無かったのですが、ギターかっこいいな、と思って入部しました。

当時の部は毎年定期演奏会を行っていて、合奏だったり独奏だったりをやっていたわけですが、それぞれ選曲で差が出るわけです。

クラシック好きな人、特にクラシックギターに詳しい人は、クラシックギター界では有名な曲を選んで演奏したりするわけですが、僕は、なんかそういうの、ピンときていませんでした。よく知らない曲を聞いてもなー、と思っていました。よく知らない曲でも、楽しげな曲ならいいんですが(ギターで言うと、Tango en Skaiとか。クラシック一般だとラ・カンパネラとかスラヴ行進曲とか好きです)、いわゆるゆったりしたクラシックだと眠くなっちゃいます。

ということで、僕自身が選曲するときはもっぱら、上記のような楽しげな曲(Sunday Morning Overcast)か、ものすごく有名な曲(主よ、人の望みの喜びよ)を選んでいました。こういう曲を選べば、聞いているお客さんは楽しんでくれるだろう、と思っていたからです。

転職活動中に言われたこと

ちょっと前に転職をしまして、その転職活動中にいろいろな企業の面接を受けていたわけですが、そのなかでイベント会社を受けたことがありました。

ショーとか展示会とかを請け負ってやっている、規模は割と小さめの会社でした。その会社の面接で演劇をやっていた話やエンターテインメントの話をしたことがあります。上記のクラシックギターの選曲の話もしました。その時、その企業の方に言われました。「日向くんはプロデューサー向きだね」って。

「僕らの仕事はプロデューサー職と演出職があるんだけど、プロデューサーは興業のことを考えるんだよね。『どうしたらウケるか』とかそんな感じ。演出はある種芸術家だからさ、ウケとかどうでもいいんだよね。それよりは、『俺はこれをやりたいんだ』っていう思いを持ってイベントを作る感じかなー」

僕はこれを聞いて、それまで漠然と考えていたことが、うすぼんやりしていたことが、はっきりしてくるような気がしました。

正直、僕は「プロデューサー」と言われてショックでした。裏を返せば、「演出に向いてない」と言われているような気がして。でも、その後の興業のことを考える云々の話を聞いて、すごく腑に落ちたのを覚えています。僕にとって、何かのイベントは、「どうやったら観客に楽しんでもらえるか」「どうやったら観客にウケるか」ということがとても大事だと思えるからです。

最終的にこのイベント会社には入らず、別の会社(ゲーム会社)に入りましたが、転職活動を通して、やっぱり自分はエンターテインメントが好きなんだな、と実感しました。

伏線回収が好き

「どうやったら観客に楽しんでもらえるか」の一つの形として、僕が大好きなのが、秀逸な伏線回収です。

お話の中で、丁寧に伏線を張ってそれを回収する作品が好きです。ぽっと出の設定が出てくるとなんだか残念な気持ちになってしまいます。何かの設定を出す時には、その前にその設定をほのめかすような表現を入れておいてほしいものです。

そんな僕が好きな映画作品が3つあります。『ズートピア』、『シュガー・ラッシュ』、『インターステラー』です。

僕はあんまり映画のDVD・Blu-rayは買わないんですが、この3つだけは買いました。買って間違いないと確信したので。

どの作品もちゃーんと伏線が張ってあって、その伏線回収が見事で、ものすごく感心しました。なにを言ってもネタバレになってしまうので詳しいことは言えないのですが、まだご覧になったことがない方は是非前情報無しでご覧になってみてください。

また、僕が記憶を消してもう一度やりたいゲームがあります。『Fate/stay night』です。これまた伏線回収が見事な作品なので、やったことがない方は是非やってみてほしいです。ネタバレ無しで。いまはスマホアプリになってるみたいです。(『Fate/Grand Order』ではなく、stay nightのほうです)

僕の知っている劇団でいうと

「しばいのまち」らしく、僕が好きな劇団でエンターテインメントとアートの話をしてみます。

僕自身が好きな劇団はいくつかありまして、
・たすいち
・アガリスクエンターテイメント
・箱庭円舞曲
・松澤くれは(脚本家)
・劇団どくんご
といったところでしょうか。

たすいちは、「しばいのまち」でも連載を書いている目崎さんが主宰の劇団ですね。

目崎 剛(たすいち)記事一覧

2017.07.19

上から順にエンターテインメント寄りだと思っています。といっても、歌ったり踊ったり派手な音楽が鳴ったりするわけではなくて、脚本が秀逸なタイプの劇団ばっかりです。

たすいちはポップでとっつきやすくて共感しやすいお話が多いです。アガリスクエンターテイメントは緻密な伏線回収が見事な作品が多いです。箱庭円舞曲は人間を描くのが上手くて、「世界観構築力」がハンパなく高いです。

松澤くれはさんは劇団じゃなくて個人の脚本家・演出家さんですが、この人の脚本と演出はなんというか美しいです。原作つきも何本かやってらっしゃって、翻案も得意な印象があります。

劇団どくんごはこの中では異彩を放っている、旅劇団なんですが、ここはエンターテインメントではなくてアートな劇団だと思います。もちろん見て楽しいエンターテインメントの面はあるんですけど、お話の筋らしい筋もないし、目の前の公演をただ「感じる」のが良い楽しみ方なんじゃないかと数年見ててやっと気づきました。

と、ここまでお話しして、僕はエンターテインメントが好きと言いながら、「秀逸な物語」が好きなんだと自覚しました。やっぱ伏線回収が好きなんです。

自分の作品で目指すこと

ギターでも演劇でもそうですが、僕は表現活動をする上で、「やりたい」をスタート地点、「観客に楽しんでもらう」をゴール地点だと考えています。

「やりたい」だけで終わってしまっては自己満足の域を出ないし、「観客に楽しんでもらう」だけでは活動の途中で苦しくなってしまいます。どっちも必要です。きっと。

いま、来年2月(2018年2月)に公演を予定していますが、その公演でも、「やりたい」をスタート地点に、「観客に楽しんでもらう」をゴール地点にするつもりです。

また、やっぱり自分の好きな作品と同じように、丁寧に伏線を張って回収するようなものを作りたいと思っています。

と、なんだかよくわからない話になっちゃいましたね。冒頭で言ったように、今回は僕の趣味嗜好についてお話をしましたので、みなさんがご自身で、どんな作品・作風が好きか改めて考えるきっかけになったら嬉しいです。映画でも小説でも漫画でも、もちろん演劇でも。

あとは、純粋に僕のこの記事を楽しんでいただけていたら嬉しいです。なんてったって僕は、誰かを楽しませることを目的とした、エンターテインメントが大好きですから。

日向修二

役者・脚本家・演出家。2016年1月に、就職してから初めて長編の公演を行い、就職していても演劇ができることにやっと気づく。
2018年2月に公演予定。

Twitter→@shuji_himukai
Blog→日向修二製作所
Podcast→日向修二放送局

次回公演情報

劇団道草ハイウェイ第4回公演
『想いで迷子』
作・演出:日向修二
@ART THEATER かもめ座(JR中央線阿佐ヶ谷駅から徒歩10分)
2018年2月10日(土)〜2月12日(月祝)予定

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