社会人劇団が、チケットをどう売るか考えてみた【Team HacCLose】

こんにちは。来月お盆に公演を控えている、宮城の社会人劇団Team HacCLoseの武田と申します。東北のお盆と言えば帰省ラッシュ、たまにはご両親に顔を見せて、ついでに我々の舞台にもいらっしゃいませんか。

先日、地元のオーガニック風の飲食店に行きました。そこでハンバーグを注文したのですが、出てきてびっくり。豆腐ハンバーグでした。メニューには、ハンバーグとしか書いていません。…念のため、辞書を引いてみました。

ハンバーグ

牛のひき肉にいためたタマネギ、つなぎ用のパン粉・卵、調味料などをまぜ、楕円形にまとめてフライパンで焼いた料理。

引用元:https://dictionary.goo.ne.jp/jn/181921/meaning/m0u/

これまでのコラムをお読みの方は、なんとなくお察しのことと思いますが、私は比較的面倒な性格のクレーマー気質です。

この一件、皆様はどうお思いでしょうか。「豆腐ハンバーグはヘルシーだし美味しいからそれで良いじゃないか」とお思いでしょうか。いやいやいやいやいや。これは明らかにメニューの記載ミスか、納品ミスです。

さて、実はすでに本題に入っているのですが、私は観劇でもこういったシチュエーションに出くわすことがよくあります。事前予告でコメディと思い込んだら不条理劇だったとか、真面目な芝居と思ったらパロディだったとか。

断言しましょう。これらは商標詐欺か納品ミスです。「お客様の裏をかく」とか、そういう話ではありません。嘘・大袈裟・紛らわしいです。

豆腐ハンバーグの件で、のっけからヒートアップしているのですが、本日はしっかり真摯にお客様の期待に応える為の、集客の仕方にスポットを当ててみたいと思います。

武田らこ(Team HacCLose)記事一覧

2017.05.30

社会人劇団がチケットを売る際の前提

私が社会人劇団を運営し、公演の集客をするにあたって持っている基本原則は、2つです。

  1. 観たい人だけ観れば良い
  2. 公演後のアンケートには良いことだけ書いて欲しい

この2つを言うと、創作活動に対しての向上心を疑われる風潮がありますが、私は劇団を長く健やかに続けていくために非常に重要なことであると考えます。

1.  観たい人だけ観れば良い

我々はプロではなく、超一流でもないので「お寿司です」と言って豆腐ハンバーグを出して、喜んで貰う自信はありません。

ですから「豆腐ハンバーグなんですけど、食べます?」としっかり事前に提示して「食べます」と言う人に来てもらうのが良いと思っています。豆腐ハンバーグを食べたい人は必ずいます。それも結構沢山。

2. アンケートに良いことだけ書いて欲しい

趣味として楽しむための社会人劇団において言えば、一生懸命作ってきたものが貶められることは避けなければなりません。

よく「厳しい意見もありがたいです。真摯に受け止め。今後の作品作りの糧とします」という考えを拝見しますが、私にはこの発想はありません。

社会人劇団はプロを目指さず、仕事の合間の娯楽として演劇に取り組んでいるのですから、そこまで辛辣なダメ出しをされる筋合いはありません。

お客様の理想に届かない作品を作ってしまったとしたら、その方から頂いた時間とお金に関しては、大変申し訳ないと思うのですが、以降もその一部の方を満足させるために作品作りをするつもりはありませんので、できれば作り手が気持ち良く最後を迎えられるよう、白紙のままのアンケートを出して帰って頂きたいと思っています。

もちろん、お客様の過半数がそのような状態であれば、公演の打ち方を一から改めなければなりませんが。

前提を守るための制作の仕事

観たい人だけに観てもらい、アンケートに温かなメッセージを書いてもらう為の制作(宣伝活動)の仕事は、主に2つ。潜在層の掘り起こしと、マッチングに尽きます。

観たい人だけ、といっても「今回は観たい人が2人だけだったね、ははは」では劇団は潰れてしまいますので、しっかりと、観たいと思われる人まで届ける必要があります。

もう今日は最後まで引っ張ろうと思いますが、「豆腐ハンバーグ食べたいひとー!」という声がどこまで届くかが重要です。高級フレンチや回らないお寿司屋さんじゃなくても、お客様を囲い込むことはできます。

ですが、「ここにこんな店があるなんて知らなかった」では、いくら美味しい料理を作っても潰れてしまいます。

マッチングというのは、冒頭でも書いた通りなのですが、お客様を集める為に嘘をついてはダメということです。

アマチュア劇団の宣伝には、無意識な悪意のない嘘が蔓延っています。それは、制作担当が作品を十分に理解していないことが原因です。

制作担当はしっかり主宰や演出家と話し合い、この作品の売りは何なのか、どんな人なら喜んで観てもらえるのかを具体化し、戦略的に宣伝活動に活かしていかなければなりません。

「どんな人ならこの作品を喜んでくれるか」を本気で考えて、そういうお客様に情報を届け、集めることが宣伝の責務です。

前提を邪魔する悪しき風習

あくまでも社会人劇団、純粋なアマチュア劇団に限って言えば、上記の前提を邪魔する悪しき文化が2つあります。

チケットノルマ販売ウロボロスシステムです。

チケットノルマ

チケットノルマとは、プロのためのシステムであると私は思います。「~扱い」というのも同じです。

役者を雇っているのであれば、演劇以外の面でも役者の付加価値を計る必要があり、「客を何人呼べるか」というのが収益をベースに考えるプロにとっては重要事項であるため、ノルマという形でそれを計るというのは必要なことです。

プロを目指す劇団の場合、一人でも多くの人に観て頂かなければいけませんので、身を削ってでもチケット販売に励むのは理解できます。

では社会人劇団ではどうでしょうか。安心・安全に趣味としての演劇を楽しむ為には、歩合制(インセンティブ・キックバック)は止めるべきです。

経費を想定して、月々いくら集めれば良いか計算できるのですから、会費という形で小分けに集める方が、不安や負担なく公演に参加できます。そして、何より重要なのは、手当たり次第打った下手な鉄砲は、下手な獲物に当たる確率が高いということです。

駆け出しの営業が親兄弟に不要な商材を頼み込んで買ってもらうように、あなたの劇団のチケットが売られているのだとしたら、当日の客席はネガティブな客で埋まります。

アンケートに「眠かった」とか「お尻痛かった」とか書かれます。一生懸命作った作品が台無しです。高々数千円の為に、みんなが嫌な思いをするくらいならば、売らない方が良い1枚です。

販売ウロボロスシステム

さて、もう一方の販売ウロボロスシステムについてですが、これはいわゆる「観に行ったから観に来てね」というやつです。

チケット誰扱いみたいなシステムを採用していると、「あなたから買ったから、私から買ってね」というのが当たり前に発生します。

本当に、心の底から観に行きたいお芝居ならば良いのですが、観たくもない舞台を観て、チケットを売り込むのはやめましょう。

自分たちが心を込めて作った舞台の客席も、同じような観たくもないただ宣伝したいだけの人達で埋まりますよ。こんな虚しい食い合いはありません。悲しき無限ループ、ウロボロスです。

まとめ

今回は豆腐ハンバーグの悲劇を、公演で起こさないための心構えをお話しました。

これは、双方にとって損しかありません。作り手からすれば心を込めて作った豆腐ハンバーグが喜んでもらえず、お客様は「期待外れ」という感想が残ります。

アマチュアの観劇に拒絶反応のある方々は、存外、最初の観劇で豆腐ハンバーグの悲劇を経験しているのではないでしょうか。

いよいよ公演までおよそ1ヶ月。我々の舞台は、食べ物で言えばオムライスかなと思います。デミじゃなくてケチャップをかけた。ご興味があれば、下部リンクよりどうぞ。

武田らこ TAKEDA Rhaco

演劇活動4年のブランクを経て、2015年に宮城の社会人劇団“Team HacCLose(チームハックローズ)”を旗揚げ。舞台に立ちたくて立ち上げたのに、現在は脚本・演出を担当。

武田らこ

Team HacCLose vol.2「Avec toi~アヴェクトワ~」

Avec toi~アヴェクトワ~

「Avec toi~アヴェクトワ~」特設ページ→http://hacclose.main.jp/works/avec-toi/

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