初めましてこんにちは。東京の西荻窪にある劇団朋友という新劇団で俳優と制作をやらせていただいております、岸ゆりえと申します!
大学で映画を4年間学び、その後就職などもしたのですが…大学の先輩の紹介で現在の劇団を知り、なんやかんやあって入団する事になりました。
しかし、映画しか知らなかった私が、26歳で全く知らない演劇の世界に飛び込んでみたら…そこはなんとお作法や、しきたり、上限関係がとっっっても厳しい新劇団だったのです。
そんな私が今回ご縁があり、新劇の面白いところや、私が新劇の世界に入ってやりたい事、変だと思ったところなどをなどを、しばいのまちさんで記事を書かせて頂くこととなりました。
演劇のえの字も知らなかった私が、新劇のアレコレを5回に分けて記事を書かせていただきますので、どうぞお付き合いください。
まずは、私の所属する劇団についてご紹介させていただきます!
劇団朋友とは?
劇団朋友は新劇団です。長く書きすぎると、眠くなるでしょうから短く簡潔に紹介させていただきます。
劇団のルーツは、1954年(昭和29年)。劇団俳優座の養成所2期生、3期生を中心としたグループから始まりました。それが劇団新人会です。ちなみに同じ成り立ちの劇団には、劇団青年座、東京演劇アンサンブル、劇団仲間、同人会があります。
その後解散再結成など、山あり谷あり…色々ありまして、劇団新人会をそのまま受け継ぎ商号変更をして1994年(平成6年)に劇団朋友として生まれ変わります。
朋友とは、友達・同志・学芸を同じくするという意味ですが【FOR YOU】とすることで、皆様と一緒に楽しめる演劇を、共に創りたいという思いを込め現在に至ります。
- 劇団の拠点は、西荻窪。そこにアトリエと事務所があります。所属俳優は約40名、そのほかに声優としての所属が15名程度。年齢も幅広く21歳から78歳まで。小さいながらもみんな仲が良くとても楽しく、様々な作品を創り出しています。
そんな劇団朋友は、名前を変更する前から数えるとなんと創立60年以上!還暦を迎えた歴史の長〜い劇団なのです。
新劇団に入って驚いたこと
これは小劇場には出演経験などがあった私が、新劇団に入団し実際に経験して、驚いたことを書いていきます。
- ケータリング(お茶場)を作るということ
- 鏡前のルール
- ベテランの先輩がいる
お茶場を作るということ
そもそもお茶場とは何か。小劇場などの固定の稽古場がない場合は馴染みがないかもしれません。新劇団など固定の稽古場がある劇団ではお馴染みかと思いますが…
テーブルなどに、お菓子やお茶などを置いておき稽古の休憩などに食べる素敵なものです。制作の人が管理したりもしますが基本は座組みの最年少(もしくは係になった人)が管理したりするものです。
ちなみに、公演中ならば皆さんでどうぞ!といった差し入れがどんどん置かれていったりします。そうやって差し入れやお菓子が増えてくると、お菓子を持って帰れるように小分けにするのもお茶場を管理する人の仕事だったりします。
これ、公演が終わるまでに出演者の使ってるコップなどの洗浄やお菓子や差し入れを収納したりと、とってもハード。しかも出演者が兼任する事もあります!!私も体験したことがありますが、台詞から逆算して、作業を進めるのでこれ台本全部覚えられます(笑)
鏡前のルール
役者さんの命とも言える鏡前にもルールが存在したりします。
まず、鏡前(かがみまえ)と呼んではいけないということ。鏡前ではなく、化粧前(けしょうまえ)と呼ぶように!ということです。
何を隠そうこれで私は実際先輩に注意を受けております(笑)
そして、座る場所にもルールがあったり。。。
入口から一番遠い場所(いわゆる上座)に先輩の化粧前を作っていただくよう誘導します。そして、後輩は先輩がくる前に化粧前付近にゴミ袋をセットしておきます。
帰りには、一番最後に後輩が楽屋を出て、楽屋のゴミを回収し処理します。
あとは、先輩になるまでは鏡前の片付けは誰よりも早くやること!などなど…
言い出したらキリがない化粧前お作法。ほんの一部ではありますが紹介させていただきました。
ベテランの先輩がいること
私の経験上ですが、小劇場で70歳オーバーの役者さんに出会ったことがなく共演経験もなかったのですが…新劇団では70オーバーの役者さんと共演することなんて日常茶飯事です。
70歳近い先輩には、スマホの使い方を教えることやfacebook・twitterのやり方から先輩の代わりにゲームの攻略をしてあげたりもします。ちなみに私は、先輩のスマホの指導をしすぎて、各社のスマホ全ての操作ができるなんていう特殊技能が身につきました(笑)
そして大先輩が居ることにより、多くの舞台作法を学べます。時には厳しいことも勿論言われます。
しかし、厳しいだけではありません。ベテランの先輩は、物凄く面白いです。経験則が違います。正攻法の演技論から、わけわからない独自のルールまで多種多彩。
例えば、本番中にも関わらず自分の次の出番まで5分以上あるとタバコを吸いに行ってしまい、後輩が大慌てで先輩を大捜索をしてみたり。
台詞を忘れたり、出のタイミングを忘れても一切慌てず、むしろ一緒に出ていた私が間違えた様な気にされる芝居をしたり…。
でも、舞台の袖で役者の台詞を聞きながら、役者の緊張具合や、出番前に何かトラブルが有ったことなどを見抜いたりします。そのフォローをしてくれるのも大先輩の仕事。
言わば舞台の守護神的存在だったりします。
まとめ
長々と記事を書いてしまいましたが、新劇団に少しでも興味を持っていただけたのなら幸いです!
新劇団に入団し、これ以上に細かいルールが存在したりして最初は驚くことばかりだったのですが、他の記事でも新劇団のことについて紹介していこうと思います。
これからの記事を通して、新劇団って厳しいんでしょ?や、古臭いんでしょ?というイメージを少しでも崩していけるよう頑張ります!
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作品情報
「花よりもなほ」
原作:是枝裕和
脚本:飯島早苗(自転車キンクリーツ)
演出:磯村純(劇団朋友)
公演日:2017年6月8日(木)~6月18日(日)
場所:中野 劇場HOPE
詳細情報へ

岸ゆりえ
埼玉県出身。大学で映画専攻だったはずなのに、ひょんなことから2014年に劇団朋友に入団。以降、役者と制作部と兼任しつつ演劇のことなど何も学んで来なかったので日夜奮闘しながら現在に至る。主に、動画やフライヤーなど宣伝物を手がけることが多い。
劇団朋友
西荻窪に拠点を置く創立60年以上の劇団。所属俳優は約40名、そのほかに声優としての所属が15名程度。年齢も幅広く21歳から78歳まで。小さいながらもみんな仲が良くとても楽しく、様々な作品を創り出しています。