コスプレではなく、宣材衣装! ーあえて、公演以外に心血を注ぐー【Team HacCLose】

おはようございます。

宮城県仙台市で社会人劇団“Team HacCLose”の主宰をしている武田と申します。

伊達政宗の県です。宮城においでよ。

さて、ありがたいことに連載3本目の記事となり、ここにきてようやく連載させていただいている実感が伴って参りました。

(過去の記事はこちら)
奥の細道 宮城より 社会人劇団はじめませんか
劇団にも春がくる!~増やそう団員、吹かそう新風~

1記事目が自己紹介、2記事目が理想論、そして今回、実践編を!…と思っていたのですが、一旦、Team HacCLoseの誤解を解いておこうと思い、今回は箸休めです。

毎記事の下部にある劇団サイトまで足を運んでくださった奇特な皆様はお気づきかもしれませんが、毎回のアイキャッチの画像

はい、これですね。
これ、舞台では使っておりません。

さらに最下部の劇団画像

Team HacCLose

これもですね、こんな舞台作っておりません。
ではこれらは何かと申しますと、宣材衣装と私たちは呼んでおります。

これらは2つの誤解を招きます。

ポジティブな誤解は、写真を気に入った方が「へぇ、こんな舞台やるんだ!見に行こう!」というもの。ごめんなさい、やらないです。でも舞台は来てください。

ネガティブな誤解は、「こいつら劇団じゃなくてコスプレ集団じゃねぇか」というものです。

このネガティブな誤解を解消すべく、このたびは筆をとりました。

団員募集や新規集客に役立つ内容があるかもしれないので、お時間のある時にでもお読みいただけたら嬉しいです。

興味の無い層まで届け、印象に残すための「宣材」

公演の集客にせよ、団員の募集にせよ、当たり前のことを当たり前にやっているだけでは潜在的なターゲットまで届きません

「SNS始めたよ、サイト作ったよ、チラシの挟み込みしたよ」というところまでは、劇団であれば当たり前です。

草野球チームがチーム名の入ったユニフォームを着るくらい当たり前です。そこには多大な努力と費用がかかっているのですが、見る人からはあって当然のものです。

いかにして興味のない層まで届けられるか、見た人に印象を残せるかが勝負だと考えます。

私の劇団が最初の宣材衣装を撮影したのは2016年1月、まだ旗揚げ公演実施前でした。

この時点では公演を打っておりませんので、当然公演の様子を動画や写真で配信することもできず、どんな劇団か知ってもらうのは大変困難でした。

また、当時ネームバリューのあるメンバーもおらず、一般の人からはもちろん、演劇人からも、まったく認知されておりませんでした。

そんな中、劇団サイトのメンバー紹介ページを公開するにあたり、「知らないおっさんがTシャツ一枚でキメ顔をしてる写真に意味はあるのか」という疑問にぶち当たりました。

せっかく写真を公開するのなら、誰かの琴線に触れる可能性のある要素を含んだ方がよいのではないかという流れになったわけです。

わかりやすく、劇団感もあり、目を引くために、公演の総予算の、実に1/3をかけ、宣材衣装の製作・撮影に臨みました

どこの誰か知らない人でも、なんとなくかっこいい衣装・メイクをしていれば目を惹きます。加えてトップページを含むその他のページも、公演をしていない以上、公演写真は載せられませんから、代わりにこれらを流用でき、サイトも華やかになりました。

結果、まったく公演を打っていない状態で、演劇未経験者の方3名から入団希望を頂くことができました。

「売り」をできるだけ分かりやすくして発信する

皆さまは自身の所属している劇団の「売り」を理解していますか。

アインシュタインは言いました。『6才児に説明できなければ、理解したとはいえない』

劇団に置き換えれば、「演劇人でない人に説明できなければ…」となります。

手前味噌で恐縮ですが、私の劇団の売りは、「他の劇団よりも時間とお金の消費が少ないことと、かっこいい衣装が着られること」です。

これならば、演劇をやったことがない人にもなんとなく伝わります。

打ち出すコンセプトは、見る人のこれまでの経験に依存せずに誰でも理解できるものが望ましいはずです。

演劇集団の劇団紹介などを拝見すると、「会話の中に生ずるリアリティを…」とか「新劇が云々」とか、演劇をかじってるひとにしか伝わらない内容が散見されます。

コンセプトはそれで結構だとは思いますが、それは公にする必要性を感じません。実際に舞台を見ればわかることですし、未経験者にとってただただ意味不明な文字列です。

例えば、自分が突然フラダンスに興味を持って、サークルに参加してみようと思ったときに、「現代的なアウアナの…」と書いてあっても、さっぱり意味がわからず二の足を踏んでしまいます。

「生演奏でダンスをしています」とか「少人数で個々のソロパートがあります」とか書いてあった方がわかりやすく、興味を惹かれます。

さて、売りがあるだけでは駄目で、わかりやすく売り込んでいかねばならないという観点から、改めて考えていきたいと思います。

  • 照明が売りの劇団なら、1日会場を貸し切ってかっこいい照明集のような動画を撮影し、動画サイトにアップ。
  • 殺陣やダンスが売りなら、殺陣動画を公開したり流行りのダンスをみんなで踊ってみたり。
  • 音楽が売りならば、流行の映画のBGMのメドレーを弾いてみたり歌ってみたり。
  • 制作が売りなら、1枚のポスターができるまでをハウツー動画にしてみたり。
  • 役者が売りなら、「1分で泣かせる小芝居」とか「5秒で笑えるリアクション芸」とか。

できることは無限にあります。

潜在的な入団希望者や新規集客に届けるには、入団したら、観に来たら自分は何が得られるのかを明確に提示できる内容が良いと思います。

初期メンバーに衣装・メイク担当がいた我々にとって、それがコスプレ撮影だったわけであります。

環境の変化を受け入れ、今求められるものをする

10~20代の演劇に求めるものが、変化しているように感じます。

彼らにとって演劇の魅力は「作品や役作りを追及すること」ではなく「かっこよく舞台でパフォーマンスをすること」になってきているように感じます。顕著なのは、最近よく話題にのぼる2.5次元舞台と呼ばれるものではないでしょうか。

長年演劇に関わっている方からすれば、これらも一過性のものであるし、「いやいや、芝居の本質とはそんなことじゃないよ」と一蹴されることかもしれません。

ですが、少なからず今演劇をするなら、これは無視できない環境の変化です。お客様あっての公演、団員あっての劇団ですから、マーケットは広い方が良いと思います。

これは、商業的な話ではありません。逆に、プロを目指す、いわゆる将来的に稼ぐことを前提に劇団を組織するのであれば、流行に左右されず軸を定めて取り組む方が好手だと思いますが、我々のように趣味でやるからこそ、流行に乗り、刹那的でも、お客様を集め沢山の人に楽しく参加してもらう必要があるのだと考えます。

まとめ

本記事を通して、我々が戦略的コスプレ集団であるとご理解頂ければ幸いです。

宣材衣装に手間をかけ過ぎて、未だに地元の演劇人からも「ハックローズさんは何をしている団体なんですか?」と訊かれ、仲良くして頂いている演出家の方からも「サイトを初めて見た時ね、絶対友達になれないと思ってたよ」と温かい言葉を頂いたりしておりますが、私たちは今日も元気に演劇活動をしています。

公演以外で劇団を売り込んでこそ、新規集客と入団希望の応募に繋がるのではないかというお話でした。そして、実は肝心なのはアイディアでも提案力でもなく、実現力。

いかに「こんな時間やお金があったら公演にかけたほうが良いじゃん」という思いを押し殺して本気で取り組めるかです。

そう言えば、先日もエイプリルフール企画と称して、私の劇団では2ヶ月半かけて公演に無関係の動画を製作し、公演情報の何倍ものアクセスを獲得しました!…たまに、これで良いのかと悩まなくもありませんが。

2017年エイプリルフール企画「永刻の宮殿舞」

武田らこ TAKEDA Rhaco

演劇活動4年のブランクを経て、2015年に宮城の社会人劇団“Team HacCLose(チームハックローズ)”を旗揚げ。舞台に立ちたくて立ち上げたのに、現在は脚本・演出を担当。

武田らこ

Team HacCLose

閉鎖的(Close)な環境を打開(Hack)したいという思いから命名。
観る人も演る人も、気軽に楽しめることをポリシーとしている。
2017年8月の第2回公演に向けて活動中。

Team HacCLose

公式サイト→http://hacclose.main.jp/

Twitter→@hacclose


第二回しばいのまちオフ会開催!



10/28(土)13:00〜開催!