四方田直樹42歳、スカイシアタープロジェクトという劇団の主宰で脚本を書いています。
恥の多い生涯を送って来……いや、ことさら言うほどには恥もかいていないと思います。できれば恥をかきたくない性分なので。
危ない橋を渡ったり、誰も経験したことの無いような体験なども自分ではやってきたように思っているのですが、そんな話を聞いた人には「いや、四方田さんそんなのみんなやってきてますから、フツーです、フツー」と言われるかなやっぱり。
劇団を主宰し、脚本を書いているという以外は、とりたてて個性的でない普通の既婚の中年(男)です。洋服の青山で買ったスーツを着て週五日暦通りに、演劇に関係のない仕事で口を糊して生きております。去年、後厄が終わり少しほっとしています。
自分の脳みそから漏れだした何か形にしたい、表現したい、というようなことは脚本に書くという手段があるので声高にコラムで主張したいこともないのですが自分の劇団でのことは知っていただけたら大変嬉しいですし、しばいのまちの運営の方と話をして、なんだか面白がって下さってこういう機会をいただいたので、その期待には応えたいと思いまして筆をとった次第です。
20代で「一生演劇に携わる」と誓った
どうして演劇を続けているかという話からさせていただこうかと思います。
スカイシアタープロジェクトは今年で結成20年になるのでしょうか。途中何年か休んだりもしまして、メンバーもいろいろと変わりしましたがここのところ年1回は本公演を行っています。「地に足のついたお芝居を丁寧に作っていきたい」というのが近年の劇団のカラーです。
演劇を続けている理由ですが……なんでだろう?と改めて考えてみました。
芝居を始めた頃の20代前半に「俺は一生演劇に携わって行く!」と心の中で誓ってしまい、それにつきあっている、というのが演劇をやめなかった理由です。
手を切るほど憎しみもないし、芝居ほど好きなものもほかには無いし夫婦ってそんなもの……いえ、演劇の話ですね。すみません。
「演劇をやめろ」という人とは距離を置いた
あとはあんまり「そんな金にもならんことはやめろ」とか言われなかったからかもしれません。自発的にやめるのってどうも苦手でして。止める人がいないとつい続けられちゃうわけです。
「よく奥さんが許してくれますね」などと聞かれたりもするのですが、結婚するなら演劇を続けることを許してくれる人じゃないとなぁと思っていて、そのピントに合った人ですので大丈夫です(いまのところは)。
演劇をやめろと言う人に近づかないようにすること。距離を置くこと。これが続けて行く良い手の一つなのかもしれません。
好意を持ってくれる人と積極的に付き合う
演劇活動に関して、敵意を持つ人は少数派で、それよりも好意を持ってくれる方が多いのではないか?というのが実感です。
そして、その中間に大多数の無関心な人がいらっしゃる。
この、私の演劇活動に無関心の人のどれくらいが感心を示してくれるようになるか?くらいまでが長期的課題、検討課題であって、敵意ある人に好意をもってもらうにはどうすれば良いか?に頭を悩ます必要はないと思っています。
公演を観に来てくれて「面白いね」「すごいね」「応援するよ」と言ってくださる方たちと積極的にお付き合いさせていただいて行くと、精神的にも安定して、結果的に長く続けることにつながるのではないでしょうか。
公演を打つにはそれなりに、私くらいの劇団であっても「ウ〜ン、年収に近い金額だよね」というお金がかかったりしますから誰に認められなくても俺はやる。みたいな気持ちでやっていたら早々に心が折れていたのではないかと思います。
まとめ
今回は、平凡で破天荒なんかじゃない人間なんだけど芝居は死ぬまでやりたいんだよね。続けるコツはやめないこととやめろといわれないようにすることじゃないかな。あと、好きだって言ってくれる人を大事にしましょうよ。というようなお話でした。
お金の話が出てきましたので、私の演劇活動とお金のことを書かせていただきたいと思ったのですが、紙面もつきたようですのでまたの機会がありましたらそのときにでも。
お付き合い頂きましてありがとうございました。
四方田直樹
スカイシアタープロジェクト主宰・脚本家。日常を舞台としたストレートプレイを主な作風とする。ぶっきらぼうにあこがれる。お仕事などなにかありましたら劇団サイトの連絡先まで。ぜひ。
スカイシアタープロジェクト
劇団公式サイト:https://skytheater-official.jimdo.com
劇団Twitter:@SkyTheaterP