表情豊のはしくれ水滸伝 第三回「はっきりもっと勇敢になって」

顔の怖い人生を送ってまいりました。

自分には、顔の怖くない人生というものが、見当つかないのです。

自分は香川の田舎に生まれましたので、おやつ代わりにうどんを食べていました。

だから太っているのです。

お久しぶりです。表情豊でございます。

今回の四コマ漫画を名作の冒頭にひっかけて説明しようとしたんですが、私が顔が怖くて太っていることをバラしただけの結果に終わってしまいました。

太っている人って、なんだか癒し効果がりますよね。柔らかそうで、暖かそうで、朗らかそうで、…だのに、だのに私は顔が怖いのです。ちんちくりんのぽよんぽよんの体にのっかる、前科三犯くらいの顔面。このアンバランスさに私は悩まされてきました。

表情豊は顔が怖い?

もちろん私だって、好きで顔が怖い訳ではありません。普段はものかきのはしくれとして家に引きこもりキーボードを叩いていますが、私は同時に役者のはしくれでもありますので、お客様の前でお芝居をすることだってあるのです。

これまでに演じてきた役は、殺人鬼、犯罪者、犯罪者予備軍、暴力団、風俗嬢、…etc…どれも素敵な役どころを演じさせて頂きました。それはひとえにこの顔面、殺し屋フェイスのおかげだと私は思っています。

しかしそれは舞台の上でのこと。

日常生活において「顔面の怖さ」なんていうものは、何ひとつ、いやひとつやふたつはあるかもしれませんが(勧誘に合わないとか、犬に吠えられないとか)あまりいいことはありません。

どんな素晴らしい役者でも、舞台から降りればただの人。

さっきまで舞台の上で華々しく輝いていたはずの私ですが、お客様をお見送りすべく舞台から降りれば、「ただの顔の怖い太った人」なのです。

お客様に挨拶がしたい

嬉しいやら悲しいやら、私は私の芝居を見に来て下さるお客様のお顔をあまりよく存じ上げておりません。

それは、私がこうして書いているコラムやイラスト、時にはTwitterなどを見て観劇しに来てくださるお客様が多く、そして、私に友達がいないからなのですが(実際、もともと少ない友人の中でも、私のお芝居を見に来て下さる方は数名しかおりません)常々、二回言います、常々!!!私はそういったお客さまとお話がしたい、それが叶わずとも、せめてご挨拶がしたいと思っております。

以前も書きましたが、スケジュールを合わせ、交通費を払い、チケット代を払い、二時間程度拘束し、私なんぞの脳内を覗いて頂いた「お客さま」に対しては、本当に感謝の気持ちしかないのです。

だからご挨拶がしたいし、お礼の言葉だって本当はひとりひとりに言って回りたい。

挨拶がしたいのに出来ない

ですがなかなかそうもいきません。所謂「客出し」というものには時間に限りがあり、千秋楽、バラシ前などにはかなりその時間が短縮されることが多いのです。

ならばせめて!せめて自分から声をかけて下さった方には笑顔で対応したい!そう思っているのに!いるのに!!!

私は客出しの際、お客様に声をかけてもらうことがあまりないのです。

いやいや、もちろん、もちろんですよ。声をかけてもらえない、というのは私の問題ですし、主に私の顔面の問題ですし、もしかしたらお客様の中にはもう私の顔なんぞ見たくもないというほどご気分を害されて帰られた方もいらっしゃるかもしれないし、あとなんか私の動きがキモかったとか、汗ビショビショでキモかったとか、なんかとにかくキモかったとか、いや、そうではなくてですね。

私に声をかけて

もしも、もしも、「声をかけていいのかどうかわからないから」といったような理由で遠慮して「声をかけたかったがかけず帰った」という方がいらっしゃるのでしたら、それはもう、ぜひとも声をかけて頂きたい!と思うのです。

これは私の主観ですが、よほどのことがない限りはお客様に声をかけられて嫌な役者はいないと思うのです。

もちろん内容は良いものばかりではなく、叱咤でも激励でも、どんな言葉でも役者の活力、そして糧になるのではないでしょうか。

いやそりゃいきなり罵声とか浴びせられたらビックリしますけども、「罵る声」って書いて罵声ですから、そりゃビックリはするんですけども。

「馬の声」だったらもっとビックリするんですけども、え!?ここ牧場!?ってなるんですけども、それでも、私は何某かのアクションがお客様からあった、ということが嬉しかったりするのです。

まとめ

お客様にとって「声をかけやすい役者」「声をかけにくい役者」というのもあると思います。

どんなに舞台の上で輝いていたって、客出しの態度が悪い役者には、声をかけたくありませんよね。なんか、ガム噛んでたとか。ツバ吐いてたとか。もうそれ役者とか関係なく単純に声かけたくないですよね。近寄りたくない。ツバ飛んできそうだし。

小さい劇場が「小劇場」なら、その「小さい空間」において、いつだれがどんな風に自分を見ているのかわからないわけです。作風にもよりますが、客出しをする劇団は多いのではないでしょうか。また、物販に演者が並んで営業する、みたいなことも。

役者は、客出しの際もお客様に見られているということを意識せねばならないのだろうな、と思います。

私がお客様に声をかけられない理由としてそれも視野に入れ、これからは「感想を言って帰りたくなるお芝居」をつくることや、「声をかけたくなる役者」を目指し、精進して行きたいと思います。

あと痩せたいと思います。

もしくは整形。

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表情豊

表情豊
「HYP39Div.」主宰。脚本、演出、出演、だけに留まらず、コラム、イラスト等、頼まれれば大体のことはやる女。人生で一度も痩せていた事がない。横スクロールのゲームをやると吐く。
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