インプロバイザーのススメ「稽古の進め方 その1」

どーも、おしょうです。

前回から時間が経ちすぎて、何を書いていた人なのか覚えていない人が多い気がします。しかも前回は自分の劇団の話をひたすらしていたので余計そうでしょう!

今回からインプロに戻ります。インプロ、即興芝居です!その話をしていたんです!ようやく実態に触れていきます!インプロの訓練の話をします!

訓練のしようが無いように思える即興ですが、果たしてどのような訓練をするのか。

僕が普段行っているワークショップ、指導の流れを元に説明していきます。では、今年もよろしくお願い致します。どうぞ。

インプロを学ぶプロセスは3段階

僕が初めての人相手にインプロワークショップをする時は、相手が役者さんだろうが、学生さんだろうが、サラリーさんだろうが、全く同じプロセスを踏んでいきます。

      1.失敗をオープンにする
      2.提案し、受け入れ、前に進む
      3.人を惹きつける

大きく分けたらこの3段階です。1つ1つ見ていきましょう。

稽古場の悩みNo.1「失敗をオープンにする」

これはインプロを学ぶ上で最も重要で、最も苦労する所です。

これまで数々の劇団、演劇サークル、企業でワークショップをさせて頂きましたが、ほとんどの所が自分達でもインプロを続けています。ありがたいことです。

そんな中で最も多い相談が「失敗をオープンに出来る場をどう作るか?」ということなのです。

なぜ重要なのか?

インプロでは失敗がつきものです。

先が分からないものを創っていくので、自分でも意図しないことや、思わぬハプニングが起きたりします。

一般の演劇では、なるべくそんなことは起きないように、完成系を作るために稽古をしていくのですが、インプロではむしろそういったことが起こることを歓迎します。

失敗が起こった時こそ面白くなるチャンスなのです。失敗を無くしていくのではなく、失敗が起こった時にどうするのかを学ぶことが重要になってきます。

インプロとは、失敗を使ったエンターテイメントなのです。

なぜ苦労するのか?

失敗が起こることを許せる場(失敗をオープンに出来る場)を作ることは重要なのですが、これがなかなかに難しいです。

「失敗をオープンにする」というのは、「自分の失敗を許し、他者の失敗も許す」ということです。この「許す」が皆なかなか出来ません。皆、自分のいい所を見せたいし、うまく出来る自分でありたいのです。

例えば、「名前まわし」(名前を呼ばれたら、自分以外の人の名前を呼ぶ。それを繰り返す)という簡単なゲームをやっても、皆失敗しないように慎重にやります。

もしくは失敗しても不機嫌になったり、自分を責めたりして、失敗を隠そうとします。失敗することを誰も許せていない場所。こんな場所で失敗が起こるはずありません。

失敗しないと学べない

失敗を許せない空間というのは、学びを遅くします。なぜなら、失敗をしないと人は学べないからです。

ワークショップを3時間やったとして、1回も失敗しない人がいたら、残念ながらその人はちっとも成長していません。

失敗しなかったということは、出来る範囲でやっていたということです。出来ないことを出来るようにしていくのが訓練なのに、これを学んだと言えるのでしょうか?

インプロに関わらず、訓練の場というのは、失敗出来るような場であるべきなのです。

失敗は作り出せるのか?

失敗、失敗とさっきから言っていますが、そもそも失敗とは何なのでしょう?

例えば、先程の「名前まわし」をやってる時に「じゃあわざと失敗してみてください」と言ってみます。

そうすると皆、名前を面白おかしく言い間違えたり、「えーっと、あー出てこない!」っていうふりをしてくれます。でも残念ながら、これは失敗と呼べるものではありません。

失敗とは、自分の思ってもいない結果になることです。これらは自分の思った通りになっているので失敗とは言えません。

失敗は、チャレンジをした証

じゃあ失敗するためにはどうすればいいか?

その答えは「うまく出来ないかもしれない状況に自分を追いやること」、つまり「チャレンジすること」なのです。

自分がうまく出来るかどうかわからないギリギリの状況。そんな状況に身を置くと、自然と失敗は起こります。それと同時に奇跡的な成功も起こりうるのです。

ここを皆さん誤解しているのですが、失敗は成功の反対ではありません。成功と失敗は、チャレンジをした結果として生まれるという意味では同義なのです。

成功と失敗の反対は「思った通りの結果になること」なのです。

思い通りにいかないことを楽しむのがインプロ

よく即興の稽古をやっていて、自分が頭で準備したストーリーをなぞろうとする人がいます。そういう人は即興してるフリをしているんだと思います。

頭の中で考えたことをやること、自分の思い通りにやることは即興とは言えません。だったら脚本を書いてしっかり稽古した方がいいんですから。

即興の醍醐味は、その場で生まれたことが繋がっていくことです。そのためには、自分の意図や考えを捨てる勇気が必要です。

ただその場で起きたこと、言われたことに反応して、受け取って、前に進んでいく。その勇気を育むためには、失敗を、思った通りにならないことを許せる場が必要です。

稽古場の雰囲気が失敗を許し合える場になること。それがインプロを学ぶ上で重要な第一歩なのです。

次回はその次「提案し、受け入れ、前に進む」というプロセスについてお話ししていきます。

忍翔(おしょう)

劇団しおむすび主宰・インプロバイザー・インプロ&アクティングコーチ
Twitter:@osho_jam

劇団しおむすび

国際シアタスポーツ協会会員・忍翔(おしょう)がプロデュースする、日本初の学生インプロ(即興芝居)団体。学生を中心にした若い世代に向けて、インプロを「みせる」「まなぶ」「いかす」場を提供する「劇」的な「団」体。
劇団しおむすびサイトへ
Twitter:@shiomusu

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