「売れる」の障壁は「おもしろさ」でも「営業力」のなさでも無い、ほとんどが「自信」と「覚悟」のなさだと思う。

初めまして、私、深夜ガタンゴトンの裕本恭と申します。花まる学習会王子小劇場の職員でもありますが、今回は私が個人として思うことをお話しさせて頂こうと思います。

表題が何だかビジネス本のタイトルみたいですね。

ビジネス本のタイトルって、「まぁそれができたら苦労せんわ」ってことを簡単に言ってくれることが多いですが、結局、「それをやらなきゃできんわ」ってことを言ってくれている気もします。

深夜ガタンゴトン・裕本恭について

さて、私、裕本が何者かということからお話ししますと、大学時代から5年ほど劇団東京ペンギンという劇団を旗揚げし、解散し、そして、現在は深夜ガタンゴトンという個人プロデュースユニットで活動をしております。

自身の経験を振り返りながらの考察になるので、思い出話っぽくなってしまうかもしれませんが、どうぞお付き合いください。

自信と覚悟が無かった劇団時代

突然ですが、私、人に断られ
たり、傷つけられたりするのが本当にダメ
なんです。

具体的に言うと、「オファーを断られたり、芝居つまんなかった」と言われるのが本当に苦手なんですね。

「おいおい、そんな気持ちで芝居なんてできんのかよ?」というツッコミが飛んで来そうですが、「芝居」はできるんですよ。

本来、場所と人がいればどこだってできますから。しかし、「いい芝居をつくる」とか「売れる」ってのは難しい。

これは劇団時代によくあった葛藤なんですが、「今の自分の実力じゃ、自分よりキャリアが上の素晴らしい俳優さんをオファーできない」って考えていたんですね。

それで、結局、声すらかけずに諦める………。そんなことをよくやっておりました。しかしですね、人って一度きちんと頼めば、そのときは無理だとしても、その後に何か縁があったりするんです。

「つまらない」を受け入れられなかった過去

あと、きちんと「つまらない」って言ってくれる人は芝居をちゃんと見てるんですね。そこを受け入れないとさらに面白くはできないです。

ほとんどは、何も言わずに帰ってしまうことの方が多いですから。中には「つまらない」と言うことで何か自分を誇示したり、溜飲を下げたいって人もいますが、その「つまらない」の種類は判断できると思うし、判断していいと思うのです。

私にはこれができていなかったから全てシャットダウンという最もやっちゃいけない手段をとっていたのだなと思います。

作品は「つまらない」と言われても良いけど、「無視される」ということが一番あってはならない。そして、そのリスクは常に潜んでいます。

結局、私はそれに怯えて、情報発信に本気になれなかったんじゃないかと思うんです。

小劇場の宣伝や広報、つまりは集客って、1,000人以下の動員を想定して言うと、割と限られてくると思うんですよ。

地道にチラシを撒いたり、ツイッターで発信したり、知人にメールしたり…。つまりは、知り合いを誘う、声の大きい演劇人・業界人に見てもらう。

個人経営のラーメン屋のオープンだって始まりはそうですから。それぐらいなんですよ。ターゲットを絞るとかそういう話以前に鉄則は。

結局、「今の実力」を晒す覚悟があるか

数を増やさなきゃ、見てくれる可能性はやはり増えないです。でも、自分の納得いく作品が出来上がるまでは宣伝しないとかだと「じゃあ、いつやるの?」ってなります。

結局、「今の実力」を晒す覚悟の話になると思うんです。

一般のお客さんとか演劇のお客さんとか関係ないです。見てくれる人はみなお客さんなので。そこに作品を「晒す」覚悟があったかどうか?

何もできないまま動けないぐらいなら、ボロカスに言われた方がいい。

昔、劇団時代に当時王子小劇場の支配人だった玉山悟さんに「なぜ、この芝居がつまらないのか?」と言うのをアンケートの裏にビッシリ書かれましたが、今読み返すと「あ、確かにそうだ」って思うことばっかりなんですよね。

作って、晒して、作って、晒して……。演劇をやるってのは、ひとつそういう側面もあるのではないでしょうか?

まとめ

売れていてもつまんない芝居はたくさんあります。もちろん大人の事情でそういうことになってしまっているものもあるでしょうが、カンパニーの努力の賜物である場合もあると思うのです。「やるべきことやりたいことをやった」という結果だと思うのです。

そして、小劇場の世界はそういう良い部分の「なぜ?」をつきつめるべきだと思います。

少しだけ苦言みたいになりますが、マイナスの面を煽ったって何にもならないんです。小劇場というコンテンツ自体はやはり面白いと私は思っております。

さて、ここまで書いてしまったのだから、私も「面白いもの」を作り、売らなきゃいけない。自信があるかと言われるとまだ不安ですが、覚悟はできております。

地道にやっていこうかなと思ってます。

裕本恭(ひろもとやす)

学生時代に劇団東京ペンギンを旗揚げ、2015年に解散。借金を抱えるが自分の作品発表を諦めきれず、プロデュース形式の創作ユニット深夜ガタンゴトンを立ち上げ。花まる学習会王子小劇場の職員。
深夜ガタンゴトン
Twitter:@hiromotoyasu

次回公演

※公演終了
「ぬるい体はかたくなる」
日時:2017年1月5日(木)〜9日(月)
会場:花まる学習会王子小劇場
詳細:http://midnightexpresstok.wixsite.com/tokyo


第二回しばいのまちオフ会開催!



10/28(土)13:00〜開催!