今が旬!注目の演劇人Vol.8「日々、挑戦!!」ホリプロ・ブッキング・エージェンシー:野田久美子

2016年も残りあと僅かですね。クリスマスに年越し。皆さん、どのように過ごしますか?

どうも編集長の加藤です。ちなみに僕は年末はヒッチハイクしてきます。クリスマスは共に過ごしてくれる人募集中です。

さて、8月より始まったこの企画、今年最後の「今が旬!」は女優の野田久美子さんです!

今年で30歳になられた野田さん。これまでを振り返りながら、今の自分について語っていただきました。

野田久美子

1986年、徳島県出身。 劇団四季、音楽座を経て、現在はホリプロ・ブッキング・エージェンシー所属の女優。特技は阿波踊り、クラシックバレエ、JAZZ HIPHOP、幅跳び、ローラーフィギュアスケート

経緯

高校在学時に劇団四季に合格

ー本日はお忙しい中、ありがとうございます。まずは野田さんがお芝居を始められた経緯をお聞かせください。

野田久美子
元々小学校5年生の時に地元徳島のミュージカルスクールwithというところに所属したのがミュージカルとの出会いでした。

で、そのままずっとそこで続けていたんですが、高校在学中に劇団四季のオーディションを受けて合格をして、上京しました。

ー何故また四季を受けようと思ったんですか?
野田久美子
両親が教師なんですね。2人が楽しそうに仕事をしている姿を見て私もいつか教師になりたいと薄々思ってまして、大学行くためにも高校は進学校に通っていたんです。

けど、withで一緒だった子のお母さんがある日「徳島新聞に劇団四季のオーディション載ってたよ。久美ちゃん受けてみれば?」って言ってくださったのがきっかけでした。

でも、正直劇団四季は見たことなくて、ほとんど知らなかったんです。東京のものに触れたことがなかったんですよ。

ーたしかに地方だとなかなか機会がないですもんね。
野田久美子
そうですね。で、四季の一次審査は書類の他に歌を録音して送るんですが、何を歌って良いか分からなくて結局はライオンキングの冒頭の「ナーンツィゴンニャー」って雄叫びを録音して送りました。普通はみんな2〜3分くらいあるオケを送るみたいですが、対して私が送ったのはたったの15秒でした。

それが私の女優人生の始まりですかね。

ーずいぶん思い切ったことをしたんですね。
野田久美子
「ライオンキング」ってものがあるのは知ってましたけど、四季のことは本当に何も知らなかったですからね。

正直その当時は「女優で食べていこう」と思っていなかったし、女優になろうと上京したわけではなかったんです。ただ興味と運と縁が重なっってって感じですね。

ただ家族とは揉めましたけどね(笑)

ーやはり反対されたんですか?
野田久美子
好きなようにしていいとは言ってくれたんですけど、話し合いにはなりましたね。

その時に父に「今買った宝くじが明日また当たるんだったら悩んでいいぞ」って言われまして、その宝くじが劇団四季だったのか大学進学だったのかは分かりませんが、その当時の私にとっての宝くじは「東京に行くことなのかも。なんか心が躍るな」って思ってパパッと決めましたね。

ーそうなんですね。でも単身で東京に出てくるってのは怖くなかったんですか?
野田久美子
全然怖くはなかったですね。別にすごい決断をしたって実感も未だにないですね。 

なんかその流れるままに来て、ただがむしゃらで、ホームシックにすらならなかった。毎日が新鮮でしたね。

四季を辞めて

野田久美子
その後、大体2〜3年くらいで四季を辞めて、これもまた人からの紹介で音楽座のオーディションを受けて入りました。

音楽座では「リトルプリンス」という作品で主演に抜擢していただき、そこから主演女優としてすごく面倒を見ていただきました。

音楽座には4年くらいいたんですが、そこで女優として女としてというものをとても教えてもらって、それが今の自分を作っていると思います。

ーそれで音楽座を辞められた後、今のホリプロに所属したんですね。
野田久美子
そうですね。2〜3年ほどはフリーで活動をして、その時の公演の共演者の関係でスカウトしてもらって入ったのがホリプロでした。

苦悩や努力、そして挑戦

自分に対して負けず嫌い

ー単身で東京に出て来て、そこから様々な場所を経て活動されて、今に至るわけですが、その間に「やめよう」や「帰ろう」なんて思ったことはなかったんですか?

野田久美子
「やめよう」とか「帰ろう」ってのはなかったですね。もちろん悩むことはあったし、なんならものすごい病むんですよ。ただそれを苦労だと感じたことがないんです。

なんでしょうね。Mなんですかね(笑)

ーじゃあ、本当にお芝居が好きなんですね。
野田久美子
どうなんでしょうね。ただ自分に対して負けず嫌いなんですよね。求められたことにもう一個上でお返し出来るような女優でいたいとは思っています。

バイトは一度もしたことが無い

野田久美子
あと「バイトしない」って決めていて、東京に出てきてからバイトを一度もしたことが無いんです。もちろん家族の支えとかがあったからこそってのもありますけどね。
ーえっ、それはすごいじゃないですか。普通はバイトしないとみんなやっていけないですもんね。
野田久美子
そうですね。ただ、バイトしてお金を稼いで、そのお金で演劇の仕事するのは自分の仕事じゃないって感覚が私の中にあって、例えばバイトの時間の都合で舞台の仕事が一本出来なくなってしまうとか、それじゃ東京に出て来た意味がないと思う。何を中心に置くかことが大事だと思うんです。

ただ食べられない時は本当にしんどいですけどね(笑)

演劇でぶち当たる壁

野田久美子
演劇ってどの作品にもすごい大きな壁があるんですよね。それって自分との戦いなんだなって思います。

その壁にぶち当たる度に「あぁ、また出たよ壁」ってなるんですけど、その度にワクワクして鳥肌が立つんです。

永遠に階段があって、だからこそ面白い仕事だと思いますね。

ーその自分との戦いって基本的には人は助けてくれなくて、最後は自分でどうにかしないといけないと思うのですが、どうやって乗り越えてるんですか?

野田久美子
私の中ではその真逆で「人は助けてくれるものだ」って思っていて、そのためには「自分がやらなきゃ助けてくれない」って考えていて、赤ちゃんのようにただ受け取るだけでなく、自分が能動的に動いて求めるからこそ、そこで科学変化が起きて自分の発想も変わるんだと思うんです。

だから自分一人でやってきた感じがあんまりないんです。

人と一緒のことはしたくない。野田久美子にしか出来ないことを出したいって思っていて、そことしっかり戦っていれば自然と人は助けてくれるんですよね。

もちろんこの仕事は孤独との戦いだと思います。でもそれは当たり前のことで、何か勝負の時は自分の周りにヒントがたくさんあって、そこにしっかりと気付いていきたいなと思っています。

でもこの感覚になったのって30になってからかもしれないですね。20代はもっともっとがむしゃらだったな。

30代になって

ー今年、30歳になられたばかりですよね。節目の年だと思うのですが、何か影響や変化などはあったのですか?

野田久美子
周りの結婚だとか、妊娠だとか、そういうのにもやっぱり自分の中で影響がすごくあって、「私は家族を持つのだろうか」や「でも女優は続けたい」とか色んな事を考えた時にちゃんと自分と向き合う時間が必要なんだなって感じますね。

あとは、20代と30代では稽古場の雰囲気も変わりますし、今までは笑って済まされたことが済まされないというか。

後輩が増えてきた分、責任感が大きくなったり、周りの環境が変わって来ますよね。

ただ、まだ節目って感覚がないんですよね。たぶんお子ちゃまなんでしょうけどね。

今できることを最大限にやり切る

ー野田さんから若い演劇人へ向けてメッセージをお願いします。

野田久美子
例えばオーディションとかで年齢制限があったりして、その年齢までにしか出来ないことってのがあるんですよね。

だからこそ、今の年齢で最大限出来ることはやり切った方が後々に後悔しないと思う。

若さは武器だって言うけど、本当にそうだと思います。その武器をブンブン振り回しながら自分が主役で生きてけたらいいんじゃないかな。

常に崖っぷちにいたい

ーでは、最後に今後の抱負を教えてください。

野田久美子
自分がこれまで色んなミュージカルに出させてもらって、最近は脚本演出もやらせてもらったりして、そして徳島って地に生まれたというのが私の中ですごくラッキーだと思っていまして。

徳島の地にもっとミュージカルの風だったり、みんながもっと芸能界に入りやすい体勢だったり、そういう風をもっと吹かせたいですね。

そのためには私がしっかり頑張ってないと説得力がなくなる。今はミュージカルを中心にやらせて頂いてますが、最近はドラマやバラエティーなどもちょこちょこ機会が増えてきたので、ここからは舞台も映像でもなんでもやるオールマイティーな女優になりたいと思います。

あと、崖っぷちが好きなんですよ。自分が役と向き合って乗り越えられないときも、結局自分がギリギリの精神状態の時ほど色んなものを素直に吸収できるので、常に崖っぷちにいたいですね。

安泰っていうのはもうちょっと後かな。それはゆっくり寝られるようになってからですね。

ー自分個人の目標を持ちながらも、徳島への思いもありとても素敵ですね。本日はお時間いただきありがとうございました。

まとめ

野田さんが言うように、役者という仕事は孤独との戦いだと思います。

だからこそ最大の敵である自分を倒すために、まずは己を知るところから始めていけばいいんじゃないでしょうか。

何が得意で何が苦手で、どんな癖があって、自分の魅力はなんなのか。自分のことをしっかりと知ることが出来ていれば、演劇の壁にぶち当たってもきっと乗り越えることが出来るでしょう。

さあ、来年はどんな人に出会えるでしょうか。今から楽しみです。

公演情報

ユアストーリープロデュース 「SNOW MANGO」
■日程:12/24(土)~27(火)
■会場:博品館劇場
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