インプロと脚本芝居の違いと関連性。インプロバイザー(即興役者)のススメ〜その3〜

どーも、おしょうです。

前回は、インプロバイザーとして生きるメリット(少々ビジネス的な話が多かったですが)をお話ししてきました。今回は、脚本芝居との関連性に絞ってお話していきます。

インプロをやることは、果たして役者のためになりうるのか?では、行きましょう!

インプロバイザー(即興役者)のススメ〜その1〜
インプロバイザー(即興役者)のススメ〜その2〜

インプロと脚本芝居の違い

まず、インプロと脚本芝居の違いを、わかりやすく一言でお答えしましょう。それは「先が決まっているか、いないか」です。うん、わかりやすい!

とはいえ、これでは何を言いたいのかわからないと思うので、もう少し付け加えます。

インプロ=試合 脚本芝居=八百長試合

つまり、インプロと脚本芝居の違いはこれだけであり、本質的に2つは同じものなのです。僕は、インプロが試合だとしたら、脚本芝居は八百長試合だと思っています。

例えば、テニスの試合で考えてみましょう。脚本のない普通のテニスの試合では、当然選手はお互い全力でプレーします。
当然、その結末が息をのむ接戦になるのか、圧倒的な試合展開になるのかはわかりません。

しかし、八百長試合はそうではありません。名勝負を創り出すための脚本が用意されており、最初から勝ち負けが決まっています。ここが問題なのですが、そうなった時に、果たして選手のプレーは変わるでしょうか。

八百長だから手を抜くでしょうか?適当にやるでしょうか?いいえ。選手は普通の試合のように全力でプレーするでしょう。

なぜなら、その試合に脚本があるとバレてはいけない(お客さんがわかっていたとしても、それを意識させてはいけない)からです。普通の試合のように全力でプレーし、それをやりながらも筋書き通りに事を運んでいくことが理想なのです。

「全力でプレーする」とは「今を生きること」

さっきの話はテニスでしたが、これは芝居にも繋がります。全力でプレーしながらも、筋書き通りにことを運び、脚本の存在を見ている人に意識させない。そのためには非常に高い技術が必要です。だから役者は凄い(はずな)んです!

しかし、多くの人が「全力プレー」が出来ていないのです!これが役者の演技で一番の問題!

ここでいう「全力プレー」は、大声を出したり、いっぱい動いたりということではありません。役者にとっての「全力プレー」とは「今を生きること」なのです。

「今を生きていない」とは?

演劇はナマモノであり、「今」という瞬間の連続なので、お客さんはその連続性が途切れたら違和感を感じます。

「ん?今一瞬セリフ考えた?」「その感情どっから来た?」「なんで急にそんな表情になったの!?」など、役者が「今」という瞬間の連続から消えたら、その瞬間がビンビン伝わってきます。

そういう時の役者は「今」ではなく「自分の頭の中」や「未来」や「過去」にいるのです。

「次のセリフなんだっけ?」「この後泣かなきゃ!」「さっき段取り間違えた!」など、余計なことを考えて、今この瞬間に起きていることや、目の前の相手を受け取っていないのです。

即興でも、脚本でも、やることは同じ

先ほどのテニスの例で言ったら、インプロは、脚本のない普通の試合です。

普通の試合は先が決まっていないため、来た球に反応したり、その瞬間にどう返すかを決めなければいけません。(「次はこういう技を使ってやろう」とか考えていたら、その瞬間に点を決められてしまうでしょう)

そして、試合で全力プレーが出来る人は、当然八百長試合になっても全力プレーが出来るでしょう。(八百長を求められる人はいつもトップ選手ですから)

インプロもそれと同じです。その瞬間相手に言われたセリフや行動を受け取り、次の瞬間へと繋いでいく必要があります。(「次こんなことを言ってやろう」とか考えていたら、その瞬間に違う展開へと進んでいるでしょう)

先が決まっていないため、瞬間の連続を切らしたら終わりなのです。(かといって変化を恐れて無難にやってもダメです。それではいい試合になりません。このことについてはまた別の回で)

これが出来る人なら、脚本のある芝居でも良いパフォーマンスを発揮すると思いませんか?

普通の試合だろうが、八百長試合だろうが、選手がやるのは「テニス」に変わりないように、即興だろうが、脚本だろうが、役者がやるのは「芝居」に変わりないのだから…

なんか最後かっこいい感じで締めましたが、まだまだ話したいことは沢山あります!

とはいえ、ずっとインプロ論みたいな事を語っててもウザいと思うので、次はすごく個人的な話でブレイクしようと思います。

僕がプロデュースしてる「劇団しおむすび」のお話です。よかったらまた読んでください。
では♪

p.s. 第1回、第2回と連載させていただき、たくさんの反響いただいております。ありがとうございます。今後もこんな感じの駄文を重ねていきますが、どうぞ見守ってやってくだせえ。これからもよろしくお願いします。

忍翔(おしょう)

劇団しおむすび主宰・インプロバイザー・インプロ&アクティングコーチ
Twitter:@osho_jam

劇団しおむすび

国際シアタスポーツ協会会員・忍翔(おしょう)がプロデュースする、日本初の学生インプロ(即興芝居)団体。学生を中心にした若い世代に向けて、インプロを「みせる」「まなぶ」「いかす」場を提供する「劇」的な「団」体。
劇団しおむすびサイトへ
Twitter:@shiomusu

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