「文学作品」は魅力に溢れている!文学作品を通して「生きること」を見つめ直すとは?_笛井事務所、奥村飛鳥インタビュー

「文学作品」と聞いて皆さんはどんな印象を受けますか?なんだか古くて難解なものだという印象を持っていないでしょうか。

今回は文学作品を公演し続ける演劇プロジェクト団体「笛井事務所」の代表、奥村飛鳥さんにお話を聞きました。

奥村さんは「文学作品は生きることを考えなおさせてくれる力がある一方で、おかしな登場人物達にクスりと笑えてしまう身近さも実は持っている。文章で見ると理解しづらくとも、演劇で表現することで多くを感じ、学び取りやすくなる」と話してくれました。

お話を伺うことで、文学作品の見方が180度変わりましたし、それを演劇を通して表現することの大きな可能性を感じることが出来ました。

奥村飛鳥

東京都出身。東京パフォーマンスドールのメンバーとしてデビューした後、役者を志し高校在学時に北区つかこうへい劇団に入所。同劇団を退団後は26期生として無名塾に入塾し、蜷川幸雄主宰のさいたま・ネクストシアター1期生としても活動した。2012年の米国留学中に笛井事務所を立ち上げ、2013年に旗揚げ公演を行う。以降、企画制作・台本構成をしながら出演も続けている。

外部での主な出演作は舞台「真田風雲録」(演出:蜷川幸雄)「森は生きている」(演出:仲代達矢)、「ロマンス」(演出:つかこうへい)「地雷を踏んだらサヨウナラ」(演出:酒井晴人)、TV「麗わしき鬼」(東海テレビ)「好TV」(フジテレビ) 「新怪談耳袋」(BS-TBS)等。

Twitter:@askafeyokumura

笛井事務所

戦後日本文学を通して現代社会の姿を見ることをテーマに2012年奥村飛鳥 がニューヨークにて立ち上げ。

2013年の旗揚げ公演では花組芝居の水下きよし氏を演出に迎え安部公房『友達』を上演。1974年に書かれた戯曲のオリジナリティーを尊重しつつ、現代社会にも通じる問題提起を含んだ演出が評価を得た。

作家のオリジナリティーを尊重する芝居作りをする一方で岸田國士・星新一などの短篇をミックス構成したオリジナル作品も発表している。2016年、第6回公演では安部公房作『愛の眼鏡は色ガラス』を上演。同作は実に43年振りの再演となった。

出演者・演出家は作品ごとにアレンジ。これまで参加した演出家は水下きよし(花組芝居)、望月純吉(文学座)、スズキ拓朗(CHAiroiPLIN/コンドルズ)。

WEBサイト:笛井事務所

演劇との出会いから劇団立ち上げまで

ー今日は宜しくお願いいたします。奥村さんは演劇活動はいつからされているんですか?

奥村飛鳥
小学生の児童劇団に入ったのがはじまりですので、かれこれ23年程になります。

ーそんなに早くから演劇に携わってらっしゃるんですね!

奥村飛鳥
母が好きだったんですよね。それこそ四季や宝塚、紅テントの演劇なんかをずっと観てきていて。

中学に入った頃に事務所に入ってアイドルとして活動していたこともありましたが、「北区つかこうへい劇団」、仲代達矢さんの「無名塾」、蜷川幸雄さんの「さいたまネクスト・シアター」を経た後に、アメリカへ留学しました。

そして留学中の2012年に「笛井事務所」を立ち上げました。

ー事務所という名前が付いていますが、芸能事務所とかでもないんですよね?

奥村飛鳥
そうなんです。よく間違われてしまって「ややこしい名前を付けてしまったな」と思っているんですが(笑)

基本的には固定メンバーはいなくて、毎回オーディションでメンバーを募って作品を作る団体として活動しています。

実は親しみやすく、ダメ人間ばかりの文学作品

ー正直「文学作品」と聞くと、なんだか難しいものというか、敷居が高く身近なものとしては捉えづらい様な印象を持っているのですが。

奥村飛鳥
実は文学作品を何度も上演している私が言うのもなんですが、私も読んでいてよく分からないものもありますし、何なら「これぞ文学」という作品を3頁くらい読んで投げ出してしまったこともありますよ。

ーえ、そうなんですか?

奥村飛鳥
まあ古典や文学作品を毎回上演している団体の代表としてあまり大きな声では言えないですけど(笑)それをみんなで理解を深めながら作品作りをする過程も面白いです。

「これってどう言う意味?」って答え合わせをみんなでしたりしながら。だって読んでも分からないですからね(笑)

きちんと目に見える形で表現をするという点では、本当に演劇は優れていると思いますし、文学作品を演劇作品として目に見える形に作り直すことで、文学作品が持っている本来のメッセージや良さがより伝わりやすくなるのではないかと思います。

ー確かに演劇はそういった点は本当に優れていますよね。

奥村飛鳥
それに古典や文学に出てくる登場人物って皆ダメ人間で、言ってしまえば変な人ばかりなんですよ。

例えば「伊豆の踊子」なんて典型的なダメ人間ですし、「源氏物語」だってダメで変な人ばかり。活字で美しく書かれてますが、意外に突っ込みどころも多かったりするんです。

そういった人達の話だからこそ、「人間の脆さ・弱さ」や「業」というものを、改めて読む人や観る人に考えさせてくれるのも、文学作品の良さであり、面白いところです。

ーなんだか事前に勉強して肩肘張って観なくてはならないと思っていたイメージが変わりました!そういう風に聞くと、すごく興味が湧きますし、内容やテーマは自分に身近で親しみやすいものなんだと言う風に思えてきました。

今の時代だからこそ価値が伝わる文学作品

奥村飛鳥
それに色んな出来事が世の中で起きているからこそ、今文学作品を上演する意味があると思うんです。

大きく今、私たちはどうやって生きるべきかというテーマが作品の根底には流れています。

生きることを見つめ直すことが出来る

ー笛井事務所は「生きること」や「人間の業」というような真剣なテーマを毎回扱っているわけですが、奥村さんは昔からそういうのを伝えたいという強い気持ちを持っていた、あるいは自分自信に問い掛けたりすることをしてきたということでしょうか?

奥村飛鳥
そうですね、小さい頃から「どう生きるか」というのを常に考えて生きてきました

だから子供の頃は友達から「飛鳥ちゃんの言っていることは難しくてよく分からない」と言われたりしてましたね。家庭環境もあったと思うんですが、小難しいことが好きな子供でした(笑)

自分を客観視するという習慣が、今の作品作りにつながっている部分はあると思います。

ーなるほど。確かに今までずっとそういうテーマと向き合い続けてきた奥村さんの考えと、文学作品自体が持つ魅力が重なり合って笛井事務所の作品ができあがるんですね。

奥村飛鳥
今回の作品は観た人も、舞台の上の出演者と一緒に考えれるし、観ている人自身が自分と向き合う時間になると思います。それこそ観た人の今後を生きる上での助けになればいいと思っています。

今回の出演者達は本当によくやってくれていて、真剣に作品と向き合って表現をしてくれていますので、そういう風に思ってもらえる作品になっている自信はあります!なので是非、多くの人に観てもらいたいです!

まとめ

奥村さんは本当に真剣に演劇や作品作りと向き合う方でした。文学作品が持つ魅力もとてもわかり易くお話してくれました。

文学や古典を作品にしているという事で真面目で固い方を想像していたのですが、とても気さくで情熱的な方でしたし、文学作品が好きな一方でぬいぐるみ集めが趣味というとてもかわいらしい趣味も持っている素敵な方でした。

そんな奥村さん自身と笛井事務所の実力派メンバー、そして文学作品の力が合わさって、今回の「冒した者」は観る人の期待に大いに応える作品になっていることでしょう。ぜひ皆さんもこの機会に新たな世界、そして自分と向き合う時間に触れてみてください。

※公演終了

公演情報

笛井事務所第8回公演:「冒した者」
【東京公演】
シアターモリエール
2016年11月23日(水/祝)―28日(月)
【山梨公演】
コラニー文化ホール
2016年12月20日(火)
詳細・予約ページ:http://www.theater-officefey.com/next/

冒した者
<補足情報>
笛井事務所公演後に、代表奥村に感想を言いたい、あるいは作品の解釈について話したい!という方は大歓迎ですので気軽に、お声がけ下さい。また、いまなら自己申告で観劇してくださった、どなたにでも代表奥村がフリーハグをさせて頂きます!

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