名古屋と東京の2拠点で活動する私から見た東名演劇事情 Vol.1

みなさま初めまして。群青アパートメント主宰のタチカズナと申します。私は名古屋在住でありながら東京で団体を主宰しています。

どうも「名古屋の劇団の受付にいつもいる人」だと思われているようですが、脚本も書きますし、役者もしますし、お誘いいただければポートレートモデルとかも引き受けます。写真撮影も引き受けます。

今回は珍しく私が活発に演劇活動をしてみたら気づいた東京と名古屋の演劇界の気になるところ、特に東京ではあまり知られていないであろう名古屋の演劇界事情にフォーカスを当てます。

そんなに大きな事情ではないかもしれませんが、東京にも名古屋にも属していない私から見て感じたことを書いてみます。

みんな東京に行ってしまう

これは地方はどこも同じかもしれませんが、役者をはじめ、名古屋の制作、劇団、作家、みんな東京を目指します。私が知っているだけでもこういった肩書きの人たちが何人も東京へ旅立つのを見てきました。

その仕事一本で食べていくには名古屋は向いてない、その一言につきるのだと思っています。

確かに東京にはたくさん劇場もあり、劇団もあり、事務所もあり、いろんなことができていろんな見方をしてくれるお客様もいます。

残された名古屋には結果的に「文化不毛の土地」という事実だけが残るのでしょうか。切ないですね、非常に・・・

正直言って、東京に行ったことに満足する子もいます。確かに、いろ〜んな誘惑もあります。その内に趣味が目的になって結果的に地元に戻ってくる子もいます。

特に、20代前半で夢を持って東京に出た演劇人にありがちな気がします。人生における計算の甘さが透けて見えますね。

ちなみに名古屋出身の私は、芝居で東京に行って名古屋に戻ってきたわけでは無く、就職でSE(システムエンジニア)のメッカである東京に出て、介護とか結婚とか将来的なライフイベントを考えた上で名古屋に帰ってきて、演劇活動をしている次第です。

元気な「ホボトラ世代」となりを潜めた「学生劇団」

名古屋ではホボトラ世代(名古屋でこう呼ぶ、虎年世代のユニット公演がありました)は働き盛りなのか、とても元気な印象です。その上を見れば、数々の受賞歴のある大御所劇団が構えており、ひしめき合う主戦力が30代以上の団体が多いです。

ところで、その下の世代はどうでしょうか。

私が現役の学生だった頃は元気だった学生劇団はなりを潜めた感は拭えません。

不況の世の中しか知らない子達は堅実さを重視して突飛なことをしないと言うことでしょうか。大学の演劇部系劇団の演目をみていても そんな気がしています。

SNSの発達で共感力が全てのようになってしまったのか、それでもやりたいことを貫いている団体が少ないというイメージです。

強固な演劇人の繋がり!

名古屋は「演劇人同士が繋がる機会がとても多い」というのは東京にはない特色だと思います。

特に演劇人同士の繋がりが強固になり始めたのは「劇王」がきっかけなのではないかと思います。
劇王とは?(劇作家協会WEBサイト)

名古屋は劇場同士が近く演劇祭も多い

また名古屋にも、演劇祭は結構あります。名古屋は狭い分、東京に比べると半分くらいの物理的距離間の中で劇場あるためハシゴがしやすく、今ではどの季節をとっても比較的どこかで祭りをやっているので、大小さまざまな団体を観ることができます。

演劇祭のほかにも、直近1ヶ月位で開催されるお芝居を紹介するYouTube番組や公演紹介サイト等、頻繁に観劇する方々の目には留まるメディアもいくつかあります。

フリーの役者でも作家でも、その気になれば観てもらう機会が多いというのは、名古屋で演劇を行うかなりの利点でしょう。

様々な形で名古屋演劇界を盛り上げようとしている活動が多くある一方で、人口比率の割に競合サービスが多く、住み分けをハッキリしたらいいのになぁと思います。

名古屋は役者が飛ばない

こういう環境だからだと思いますが、公演が飛ぶことは滅多にありません。役者が飛ぶことも滅多にありません。

私の演劇人生が名古屋から始まったからでしょうか。東京での「役者飛ぶあるある」には本当に驚いています(現在進行形)。

東京での自団体の公演で、役者には飛ばれまくっているので、これはすごくカルチャーショックでしたし、今でもショックを受けます。

名古屋市の各区に文化小劇場がある

劇場という点から見た名古屋最大の特色は、名古屋市の各区に文化小劇場があることです。合計14カ所。来年には15カ所になります。

名古屋市の中心部からは離れてしまいますが、地下鉄の駅直結の劇場や円形劇場、本花道のある劇場などバリエーションも多数。

ただし、キャパシティの規模はだいたい200人以上です。

東京の公立劇場に比べればいいサイズの劇場が揃っているという風に感じるかも知れませんが、名古屋の駆け出しの団体にはちょっと手の出しづらい規模ではないかと思います。

キャパシティ200前後の小屋が揃っていたとしても、お客様がそんなにいないのが現状です。キャパ100前後の小屋は主に3つで、その3つを名古屋界隈の劇団が使っているのです。

ちなみにキャパ100前後というと「昔はどこかの劇団さんのアトリエであった跡地」が主流です。

そりゃあ、毎週知り合いの誰かがどこかで舞台に立っている状態にもなりますね。Twitterは本当に宣伝情報と公演の絶賛感想に溢れて、食傷状態になることもあります。

こうしてみると、名古屋は演者人口と観劇人口の裾野がなかなか広がらずに局所的に過密状態であることが書きながら私にもわかりました。

以上がタチ的名古屋の演劇事情です。

次回は「東京で感じた演劇界のギャップ」編です。どうぞお楽しみに。

タチカズナ

群青アパートメント主宰、自称兼業アーティスト。コスプレ姿に惚れられて20歳で名古屋にて演劇活動を開始。就職で上京し暫く社畜として過ごした後、転職を期に演劇活動を再開。家庭の事情などで愛知に帰郷するも、元SEの知恵と知識で通信機器を駆使して東京で演劇活動を行っている。
タチカズナ個人twitter:@tacchies

公演情報

群青アパートメント5畳『キャラメルマキアートを卒業』
期間:11月23日(水・祝)〜11月27日(日)
会場:東京都江古田 カフェ+レンタルスペース 兎亭
詳細&twitter:@gunjou_ap
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