「ありえない」が「ありえる」小劇場 そんなとき、どうしたらいい?!

何かあると「だって」「いや」「だったら」「あいつが」口に出やすい言葉ですよね。私もいけないことだと思いながらしょっちゅう口にします。

日常生活でもそうですが、舞台をやっていると様々な人に出会います。もちろんいいことづくめじゃないので、女子高生の口癖よろしく「ありえない」瞬間に立ち会うことも多々。私が出会った「ありえない」話を読みながら、解決策を一緒に考えてみてください。

ありえない①「ノルマ」

小劇場は元手が少ない団体が多いので、どうしても役者にノルマを課さなけば公演がうてない為、仕方なくノルマ制をとる所も多いと思います。

私が昔所属していた劇団もノルマ制でした。そこに客演として出演が決まったAさん。もちろんこのAさんにも事前にノルマ制のことはお話しています。

稽古を重ねて本番まであと3週間、オープニングムービーも撮影し終えて、ここから稽古の内容ももっと濃く、深く、一番!と意気込んでいました。ところがその次の日、Aさんは稽古に来ませんでした。元々お仕事の関係で遅れることの多かったAさん、忙しいのだろうか、何か合ったら大変だと連絡をした所、一通のメールが座長に届きました。

「台本が好きになれないので降板します」

この話を小劇場に関わる人たちに話すと、あるある~と同意されるのも小劇場の闇を見たようで胸がきゅっとなりますが、その時の私達は初めての経験に何から始めたらいいのかわかりませんでした。変わりの役者は幸いすぐ見つかり、ムービーの撮影、チラシの変更など様々な対応に追われていたところ、Aさんから新たなメールが。

「ノルマって、どうなりますか?」

叫びながら海に指輪を捨てたい気分でした。契約書などは一切交わしていません。恥ずかしながら、若く経験も少ない私達が、小劇場で公演をうつ=「お金が動く」とことを軽視していた結果だと思います。

小劇場であろうと楽しいだけでは公演をうつことはできません。宝くじ当たらないかなと毎日売り場を見つめる不審者に成り下がった時期でした。

対策案

こういった問題を防ぐためにできることは色々考えられますが、私がオススメしているのは、契約書を取り交わすこと。大きな事務所とかではないからこそ、主催者と個人間の取り決めは重要だと思っています。もし契約書を取り交わす場合は雛形を拾ってきてもいいですし、自分たちで作成しても構いませんが、必ず入れた方がいいと思われる項目をあげておきます。

  1. 公演の中止・延期・変更の取り決め
  2. キャンセル(契約解除)の場合の取り決め
  3. 出演料(ノルマ)の取り決め

他にも怪我をしたときにどうするか、所属事務所がある場合など沢山決めなければいけないことがあります。公演をうつということは、それだけ責任のあることだということを頭においておかないと、私達のように後悔することになります(涙)

ありえない②「恋」

舞台に関わっている限り、恋愛は切っても切れないものだと、認識しています。切れないからこそ、注意しなければいけないことだということも、①を読んだ皆さんなら察して頂けるかと思います。

役者さんの中には、恋多き人がいます。突然の暴露ですが実は私もそのタイプでした。役に感情移入をするがあまり、現実との区別がつかなくなる、アレです。役者には感情移入タイプと、思考型タイプがいると言われています。そのお話はまた別の時にしようと思いますが、一番気をつけなければいけないのは、「恋をすると周りが見えなくなるタイプ」の人だと感じています。恋愛は自由です。どんな人といつ恋をしようがコントロールできれば構いません。

本当にあった恋愛のごたごた

私が客演先で出会ったBさんは、コントロールができない人でした。相手のCくんとは稽古期間中に付き合ったのですが、いつでも一緒。どこでも一緒。恋人同士の役だったこともあり、周りの人たちは仲睦まじいわねと微笑んでいました。…今思えばいいように見えただけかもしれませんね。

ある時Bさん、Cくんを交えて稽古後に飲みにいくことに。当然の如く隣に座る2人。ただ横長のテーブルだったので、BさんにもCくんにも隣に人がいる状態でした。それが気に食わないBさん。Cくんの隣にはいつでも自分だけでなくてはいけないのです。不機嫌な様子を隠すこと無く飲み会中もぶすっとしたままのBさん。Cくんは気づいているのですが、Bさんばかりに関わっているわけにもいきません。お開きの時間になってもいつまでも変わらないBさんに、Cくんは苦笑い。

そして問題発生

次の日の稽古に、Bさんは来ませんでした。Cくんはみんなに問いただされてもわからないの一点張り。最初の話のAさんと違って女の子だったので、もしかしたら本当に何かあったんじゃないかとみんなで連絡をとってみることに。すると仲のいい役者にメールの返信がきました。

「Cくんは私の事なんてどうでも良い様子なので、そちらはそちらで楽しくやってください。私は耐えられないので舞台降ります」

なんの話をしていたのか、行き場を失った目線とはあのときのみんなを指すのだと確信しています。

この場合の事前の具体的な対策はありませんが、主催者側としては、兎にも角にも話をする、BさんとCくんが結果どのような形になろうとも、話をしなければいけません。あとは契約書に劇団恋愛禁止と文言を付け足し、渡したときに察した顔をされるのを耐えるか。

まとめ

2つの「ありえない」をご紹介しましたが、名前と設定は若干ぼかしている以外、実話です(真顔)

もちろん公演をうつ上で楽しさも感動も達成感も沢山経験できます。しかしそれだけではないことは、頭の片隅においておいてください。

今回ご紹介したようなすれすれな出来事だけではなく、日本は災害も多いです。有事の際どうするのかなど様々な事態を想定して動くのも、主催者の腕の見せ所ではないでしょうか。私も、気をつけます…しろ。でした。

しろ。

ミュージカルで舞台を経験後、小劇場へ。小劇場って狭いのね!とびっくりして今ここにいる。役者・制作・ラジオパーソナリティ・デザイン

しろ。個人twitter→@Siro_Ceska
番組公式twitter→@shirogeki
メール:shiro@alfa-radio.com
僭越ながら番組内容を変更してしろが演劇情報をお送りします
しろ。


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