家庭と演劇の両立を目指す。ママ演劇人の苦悩と挑戦の日々

皆様はじめまして、HYP39Div.という団体の主宰をしております、表情豊と申します。「ひょうじょう ゆたか」と読みますが、実際に会うと表情が乏しいとよく言われます。あと顔が怖いとよく言われますが、それは芸名に関係ないのでスルーします。

今回こちらで記事を書かせて頂くにあたって、ひとつ気がかりなことがあります。「しばいのまち」ということは、この記事を読んでいる方々は「しばいのまちの住民」ということになるのでしょうか。「しばいのまち」には、きっとお芝居をすることが大好きな方や、お芝居を見るのが大好きな方が住んでいるのでしょう。

そんな素敵なまちに、こんな酔った勢いでふざけた芸名をつけてしまう様な人間が、その昔「演劇なんかやめちまえ!」などという、誰に喧嘩を売っているのかもわからないようなトークイベントを開いていた様な人間が、迷い込んで良いのでしょうか?

そんな人間は「しばいのまち」ではなく、「しょんべん横丁」とか「ひっかけ橋」とかに住んでいたほうがよ良いのではないでしょうか。

甚だ心配ではありますが、まあ、前置きはこのくらいにして、記事を書かせて頂きます。

この記事を読んで欲しい人

突然ですが、私にはもうすぐ2歳になる娘がおります。40過ぎの旦那もおります。主婦業と母親業をやりつつ、演劇活動、というものに携わっております。

今回の記事は、家庭を持ちお芝居をやめてしまった人、家庭を持ちながらまだお芝居を続けている人。そして、そんな人が身近にいる人、に、読んでほしいと思っています。

あ、もちろんどんな人にも読んでほしいです。そして注目記事ランキングに乗りたいです。宜しくお願いします。

ママ演劇人の執筆の壁

「主婦業」「母親業」というものがどんなものかと言いますと、まあ、単純に言えば、家事、子育ての何某、ご近所付き合い、等が挙げられます。

まだ未婚の方は「主婦【業】、って【母親業】って、仕事じゃないじゃん」と、お思いでしょうが(実際私もそう思っておりました)、これがなかなかに忙しいのです。

分かりやすくするために一日の様子を円グラフにしましたので、そちらをご参考下さい。

表情豊_1日の円グラフ

執筆時間を確保する難しさ

まあ、なにせ、自分の時間というものがありません。映画を見ながらぼんやり。漫画を見ながらぼんやり。なんて時間は皆無に等しいのです。

私は執筆作業をする際に、三日四日ボケーっと、そりゃもう、ボケーっと、はたから見れば「あれ?大丈夫かな?」と思われる程ボケーっと何もせず過ごし、その間に脳内のシナプス的なもの(よく知りませんけど)をぐわわっと総動員して物語のプロットを組み立て、その後がーっと不眠不休で書き始める、という工程を踏むのですが、そんなことは一切する暇がないのです。

ていうかそんなことしてたら家がダメになります。ゴミ屋敷になります。我が子にかまってやれない罪悪感も募りイライラ、旦那との口喧嘩も多くなり、バイトも行けず家計は赤字続き。離婚です。離婚のショックで私は寝込むでしょう。寝込んでる間に劇団の活動は停止。同年代はどんどん売れていきます。焦燥感が募ります。私は裸足で家を飛び出します。車に轢かれます。死にました。このお話しはおしまいです。最悪です。

ママ演劇人の稽古の壁

睡眠時間を削り、趣味の時間を削り、我が子とのイチャイチャ時間を削り、なんとかかんとか執筆活動を終えたとします。台本が完成しました。一旦、クオリティには触れずに話を進めます。次は稽古です。

我が団体の稽古時間は大体18時~22時。その間、我が子と一緒に居てはやれません。別れ際、ママ、ママと泣きわめく我が子。当然です。子供にとって母親は絶対不可欠なのものなのです。

私は子供を母乳で育てましたが、出産してすぐに芝居の本番を迎えてしまったので、昼間に母乳をしぼって真空パックし、夜与えるという生活をしておりました。

赤ん坊にとって母乳は生きる為に必要です。もちろんミルクでも大丈夫なのですが、私は母乳がバーバー出るタイプだったので、時には稽古中に泣きながら母乳をしぼって捨てたりしていました。

側にいれない辛さ

我が子の入眠時間は大体20時半~21時半。20時半というと私が稽古場で「もっとドラマッティックに!」とか「ドラスティックに!」とか言いながら(言いません)バリバリ演出をつけている時間帯になります。

一緒に寝てあげられない、というのは、精神的になかなか辛く、もうヤケになって逆に出演者とご飯を食べに行ったりして、深夜、我が子を起こさないように帰る、というようなことも多々ありました。

迫りくる罪悪感。イライラ。夫婦喧嘩。離婚。事故。死亡。完。最悪です。

これ脚本だったら書いた作家を嫌いになるレベルの嫌なお話です。これではやっと魔の執筆活動を終えたというのに意味がありません。

「なんとかなる」なんてことはありえない

「執筆」「稽古」を終え、最後に来るのは「本番」になりますが、まあ、当然ながら、時間も体力も精神力も一番削られるわけで、これについては長くなるのでまた今度とさせて頂きます。

そうです、こうやってちょっとずつ続きを気にならせてゆくゆくは連載をしてやろうという様な魂胆です。ここまででもずいぶん長くなってしまいました。読んでる方はいらっしゃるのでしょうか。飽きてませんでしょうか。不安です。

もう結論から言います。家庭を持ち、子供を育てながらの演劇活動は、相当な無理をしないと、「なんとかなる」なんてことは、ありえません。

そんなことも知らず、今から数年前の私は、「まあ、結婚するし、子供もできたけど、芝居は続けるから。え?まあなんとかなるでしょ、あはは」
等とアホみたいな顔をしながら鼻をほじっていました。

ならないのです。なんとかなんて、ならないのです。ならないものは、ならないのです。しかし私は今も演劇活動を続けています。離婚もしていませんし、なんとか家族全員生きています。

では、なんとかするためにどうしたか。私がとった方法は「人に頼る、頼りまくる、頼れるだけ頼る」ということでした。

次回の記事では、私が、旦那、劇団員、スタッフ、ママ友、などなど、周りの人間にどれだけ迷惑をかけつつ、頼りながら演劇を続けているかということを、感謝を込めて書きたいと思います。

ご閲覧ありがとうございました。

表情豊

表情豊
「HYP39Div.」主宰。脚本、演出、出演、だけに留まらず、コラム、イラスト等、頼まれれば大体のことはやる女。人生で一度も痩せていた事がない。横スクロールのゲームをやると吐く。
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次回公演

※公演終了
HYP39Div.2016年度秋公演「至極滑稽亡者戯」
◼︎日時:2016年10月26日〜30日
◼︎場所:ART THEATER かもめ座

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10/28(土)13:00〜開催!