「人と作品の縁が繋いだ役者人生。すべては無駄じゃない(後編)」30-DELUX:田中精

注目の演劇人シリーズも4人目。あのドラゴンクエストライブスペクタクルツアーで、旅芸人パノン役を演じた30−DELUXの田中精さんにお話を伺いました。

今回の後編記事では、舞台から繋がっていった新たな縁や、ドラゴンクエストライブスペクタクルツアー出演の経緯、そこで得た気付きや自身の変化などについてお話頂きました。

田中精さんの前編記事はこちら→前編記事

作品が繋いだ縁

舞台に立たない期間を経て、演劇にかける情熱によって、再び舞台に立つ機会を得た田中さんは、とにかく全力でお芝居に望んだと言います。

田中精
2年振りに立った30-DELUXの舞台「マホロバ」はとにかくガムシャラにやろうと臨みました。

そして次の「オレノカタワレ」という舞台の大阪公演をたまたま観に来て下さっていたのが、後にUSJのワンピースショーとドラゴンクエストの舞台でお世話になる演出家の金谷かほりさんだったんです。

僕がたまたま立ち回りの多めの役だったんですが、その姿が探していたUSJのワンピースショーの役のイメージに合ったということでお声をかけて頂きました。

ご挨拶にいったら前回の「マホロバ」で、僕が演じた役をすごい気に入って下さっていたことが分かって「実はどこかで仕事を頼みたいと思っていたのよ」と言って頂きまして。こんなことってあるんだなと驚きました。

ーたまたま舞台を観てもらって、キャストに選ばれるって話、本当にあるんですね!?

田中精
そうですねぇ。

USJでのワンピースショーも全力で臨みました。僕の中ではどうやったらマンガのキャラクターっぽく見えるだろうか。お客さんに楽しんでもらえるだろうかと考えながら演じました。

ショーが終わった後に金谷さんに「舞台を通してお客さんにどう楽しんでもらおうかと、すごく考えている様に見えた。そういう風にプラスワンでやってくれるのは嬉しい」と言って頂いて、その流れで「ドラゴンクエストの舞台で良い役があるんだけど、どうかしら?」と、お誘い頂くことになりました。

ーそれもすごいですね!

舞台の大きさが変わっても、やることは変わらない

田中精
僕は本当に多くの方とのご縁が繋がることで今までやってこれたんです。

20年かけてここまで来たので、もはや遅咲きともなんとも言えない感じですが(笑)今回は本当に大きなステージだったので、色んな人に「すごいね」、「良かったね」と声をかけて頂きました。

でも僕は「結局、大きい舞台でも小さい舞台でもやることは変わらない」と思ったんです。

田中精
僕がキャパ30人のライブハウスでやるのも、アリーナで1万人の前でやるのも、やれることなんて変わらないんですよね。「1万人の前に出るから演技が急に上手くなる」なんてことは全然無くて。

僕にできることは「ここにいる人たちにいかに楽しんでもらえるか。何を伝えれるか」という事だけなんですよね。

大舞台が再び繋いだ絆

ー今回は話題を呼んだ舞台への出演で、反響も大きかったんじゃないでしょうか?

田中精
色んな方に「ようやく花開いたね」と言われました。でも、今回のドラゴンクエストの舞台は、自分が出れたことよりも、僕が出たことでたくさんの人が喜んでくれたことが本当に嬉しかったです。

今まで一番心配をかけてきた親は本当に喜んでくれました。高校の同級生がたまたま観にきてくれていて、観ている途中で僕に気づいてくれたりとかもありましたね。

ーそれは嬉しいですよね。

田中精
あとは、僕が卒業した日芸の演技コースの同級生って、ほぼほぼもう役者をしていないんですけど、その時の同級生達が「あいつが今人生で一番大きな舞台に立っているから応援しに行こう。俺達が諦めた夢をもう一度あいつに託してみよう」とSNSで呼びかけてくれたんです。

今も話しながら泣きそうなんですけど(笑)。本当に色んな人達に支えられて、僕はこの舞台に立たせてもらっているんだなというのをとても強く感じました。

なりたい自分に人はなる

ー毎回先輩方に、若手の演劇人へのアドバイスを頂いているんですが、20年役者を続けてきた田中さんから若手の演劇人に向けて、アドバイスを頂けますでしょうか?

田中精
そうですねー。「結果的に、なりたい自分にしかなれない」ということは最近、特に思っていることなんですけど。

ーなりたい自分にしかなれない、ですか?

田中精
はい。僕昔からすごいイジられるんですよ(笑)。歳を取ればイジられなくなると思ってたんですが、今でも全然イジられるんです(笑)。

なんでかなーと考えたんですが、僕は、とっつきにくい人とかにはなりたくないなと思ってたので、自然とそういう自分を描いて、そうなるようにしてたんです。つまり、イジられているのは僕がそうなりたいと、心で思っていたからなんですよね。

例えば、有名な人とかを見て「こんな風に自分はなれないな」って思っていると、本当にそうなってしまいます。つまり「こうはなれない」という意識に引っ張られて、本当になれなくなっていく。だから、なりたい自分を信じきることが大事だと思います。

ー自分の潜在意識レベルで、なりたい姿をイメージするってことですね。

目の前の事に全力で臨む

田中精
あと、僕は全ては繋がっていると思っているので、例えば「変な座組に来ちゃったなぁ。今回の現場は頑張れないな。次の現場で頑張ろう」と思っている人は、きっと次の現場も頑張れないんじゃないかと思っています。

その座組の中でどれだけやれるか、いかにそういうマイナスに見える状況をプラスに転じられるかを考えて、自分に出来ることをしていくことが次に繋がっていくと考えてます。「大きい現場ならばやれる」って考えている人もいると思いますが、大きい現場でやっている人は、小さい現場も全力で頑張ってます。

逆を言えば、小さい所や身近な所で頑張れない、輝けないなら、大きい現場でも頑張れないし、輝けないです。だからこそ、今目の前にあることを、自分の持てるものを全て出して、目一杯頑張るということがとても大切だと思います。

ー「今頑張れない人は次も頑張れない」というのは、田中さんが言うからこそ、すごく説得力がありますね。田中さんってお話が上手いですよね。本当にスッと話が入ってきます。

田中精
なんか僕の話ばかりしていいんですかね?(笑)

ーもちろんです(笑)。今日は田中さんのお話を聞く場としてお時間を頂いてますから。

今後の抱負

ー最後になりますが、田中さんの今後の抱負を教えていただけますか?

田中精
僕としてはステージに立ち続けていたい。一生現役でいたいなと思っています。役者はスポーツ選手の方々と違って、現役をやり続けられます。僕はステージに立ち続けられる人間でいたいし、求められる人で居続けたいです。

僕、無趣味なんですよ。唯一好きなのが演劇で、ステージが好きなんです。作品を作っている時が一番楽しいです。あとは、、、、もっとモテたいですね(笑)

ーモテたいですか(笑)とても良いお話が続いて最後にまさかこんな抱負が出るとは(笑)

田中精
なんかこのままだと僕、(独り身のままで)亀仙人みたいになっちゃうんじゃないかって不安に思っているんです(笑)。いつも最後にこういうこと言っちゃうからもったいないって言われちゃうんですけど。

ーそうなんですね。素敵な話から切実な抱負まで(笑)。本当に今日はどうもありがとうございました。

まとめ

田中さんのお話の中で特に印象的だったのが「人と作品の縁」でこれまでの役者人生が作られてきたというお話でした。本当に演劇に、作品作りに誠心誠意、真剣に向き合ってきたからこそ歩めた道だったと思います。

せっかく繋がった縁を、活かすも殺すもそれは自分次第であり、田中さんは常に自分の持てる力を最大限注いでそれをチャンスに変えてきました。この姿勢はどんな仕事にも、どんな立場の人にも共通する、とても大切な姿勢でしょう。

田中さん、どうもありがとうございました。

公演情報

30-DELUX 「新版 国性爺合戦」
■日程:2016年9・10月
■場所:東京、愛知、福岡、大阪の4都市で公演
※日程及び公演場所の詳細は下記の公演詳細ページよりご確認下さい。
■公演詳細ページ:http://www.30-delux.net/

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