「生きるのが下手な全ての人へ」 くによし組:「アキラ君は老け顔」公演前特別インタビュー

「自分はなんて生きるのが下手なんだろう」と思った事はありませんか?人付き合いが上手く出来なかったり、必要以上に周りの目を気にしたり、ついつい空気が読めない事を言って誰かを傷つけたり。

そんな悩みや不安を胸に抱えて日々生きている人々にこそ、9月27日から下北沢の「楽園」で公演される、くによし組の「アキラ君は老け顔」は観て欲しい作品です。

くによし組の主宰、國吉さんは極度の人見知りで引きこもっていた経験を持っていると言います。そんな彼女のどんな原体験からこの作品は生まれたのか。作品に込めたメッセージとは。國吉さんに話して頂きました。

國吉咲貴、くによし組とは?

國吉咲貴

1991年生まれ。20歳で演劇の世界に飛び込む。くによし組の主宰であり、同劇団の作品の脚本・演出を手がけ、女優としても活動している。

くによし組

2014年設立。当初は國吉さん1人で活動していたが、2015年に音多衣子、永井一信が劇団員として加入。現在は3人で活動を行っている。

ホームページ:http://kuniyoshigumi.jimdo.com/
Twitter:@kuniyoshiiiiiii

演劇を始めた経緯と過去について

ー今日は宜しくお願いします。まずは作品について伺う前に、國吉さん自身について色々と教えて頂ければと思っているんですが、そもそも演劇活動はいつからはじめたんですか?

國吉咲貴
はい。元をたどれば、もともと高校時代に声優の専門学校に通ってたんですよね。そこが声優としての勉強の前に舞台の勉強をするようになっていて、それで勉強しているうちに舞台の方が楽しくなったのがキッカケですね。

ーじゃあもともとは声優志望だったんですか?

國吉咲貴
いえいえ。別にアニメが好きだったとかじゃないんです。

私、人とコミュニケーションが本当に取れなかったんですよね。そこの学校の宣伝で「人間力がつく」って言っていたのを見て、「自分を変えたい」と思ってその学校に入ったんです。

ーそういう動機で入ることもあるんですね。今はあまりそうは見えませんね。

國吉咲貴
こうして演劇をしてきて、人と作品作りをしていく中で、随分と人とコミュニケーションを取れる様になりました。

それこそ中学の時は引きこもりでした。うつっぽくなって眠れなくなったこともありますし。とにかく人と繋がるのが苦手で。ずっと一人でした。

ー実際に自分の劇団を立ち上げたのはいつ頃なんですか?

國吉咲貴
専門学校を出たあとは、大学にも行ったんですが、友達が全く出来ず、結局途中で辞めてしまいました。

大学を辞めた後、何もしないのもまずいなと思って、小劇場のお芝居に出はじめました。

そこからプロデュース公演で何本か自分の作品を公演した後に、今の劇団員と2014年に「くによし組」立ち上げました。そこから2ヶ月に1本ずつくらいのペースで公演をしてきています。

生きるのが下手な人達の背中を押したい

ー今回の作品についても教えてほしいのですが、どんな作品なんですか?

國吉咲貴
この作品は、ものすごい老け顔のアキラ君がいて、周りの人はそんな彼を心配したりします。でも、このお話の中で唯一アキラ君だけは普通の人で、実はそれよりも周りの方が変な人ばかり。という内容のコメディなんです。
「アキラ君は老け顔」あらすじ
もの凄い老け顔で悩むあきらは、大学に行かずバイト三昧。
母の再婚相手に戸惑ったり、バイト先の女の子が気になったり、友人がうつ病になったり、自分の将来に悩んだり…。
普通に悩むあきらと、あきらの周りの変わり者たちの普通じゃないような普通の話。
賛否両論を巻き起こした第 21回劇作家協会新人戯曲賞最終候補作、初上演!
※くによし組WEBサイトより引用

アキラくんは老け顔
詳細・予約ページ

國吉咲貴
今回の作品のキャラクター達はみんな変で、生きるのが下手な人達なんですが、真面目に一所懸命に生きているんです。

その姿ははたから見ると滑稽に見えることもあります。でも、それでいいんだよ、普通なんてものは人それぞれなんだから、ということを考えながら書きました。

ーお話しいただいた國吉さんの過去と繋がる話ですね。自身が経験してきたり、悩んできたことだからこそ、作ることができるテーマの様に感じます。

國吉咲貴
私がそうなんですけど、例えば女子トイレで鏡が見れないんですよね。キレイな人と並ぶと下向いたまま手を洗って出たりとか。必要以上に周りの目を気にしちゃったりとかするんです。

あとは、なんで生きてるんだろうとか考えすぎて、夜眠れなくなったり。そういう自分の経験や、周りを見渡して「この人は生きるのが下手だな」と思うような人達を思い描きながら書いていったんです。

ーちなみにこれはコメディなんですよね?

國吉咲貴
はい。テーマは真面目ですが。クスクス笑いながら観れる作品になってます。

ー肩肘はらずに純粋に笑いながらも、自分自身や周りの人の事を考えながら観れる作品ということですね。

國吉咲貴
私自身、暗い作品が好きじゃないんです。深い考察とか品評とか興味がなくて、シンプルで面白いものが好きなんです。悲しいのや暗いのもありだとは思うんですけど、観た後に明るくなれないのはあまり観れないんです。基本的に今まで上演してきたものもコメディ作品です。

明日を生きる気力になるものが好きで、そういう作品をつくりたいなと思っているので、私が作った作品を見て「私だけじゃないんだな」とも感じてもらって、観た人が少し前向きになってもらえたら良いなと思っているんです。

初上演作品の見所は22歳を演じる67歳の俳優

ーこの作品の見所みたいなところはどこでしょうか?

國吉咲貴
「アキラ君は老け顔」は第21回劇作家協会新人戯曲賞で、最終候補に選んで頂きました。その時選ばれた作品の中で、これだけが未上演作品で、今回はじめての上演なんです。

ー未上演で最終候補作品って珍しいですよね。

「アキラ君は老け顔」は第21回劇作家協会新人戯曲賞で、189作品の中から最終候補6作品のうちの1つに選ばれた。
審査員の鴻上尚史さんから「言語センスもアイディアも素敵でキャラクターも面白い」とも高評価を得ている。
國吉咲貴
あと今回は俳優の大谷朗さんにアキラ君役をやってもらうんです。大谷さんは67歳なんですが、今回は22歳の役を演じていただきます。

若い人が年配の方を演じるのはよく観ますが、その逆は少ないと思うので、面白いと思います。

ー67歳が22歳を演じるなんてすごい面白そうですね!

大谷朗さんについて
アイティ企画・演劇集団円所属。俳優。1975年、演劇集団 円の創立に参加。舞台・テレビドラマ・映画など幅広く活動している。

まとめ

今回は「アキラ君は老け顔」公演前特別インタビューという事で、主宰の國吉さんの過去から作品の見所までを伺ってきました。

過去に暗い経験をしながらも、演劇に触れることによって少しずつ前向きになることが出来たという國吉さん。

普通はなかなか他人に打ち明けられない、國吉さんのリアルな感情や経験が反映された作品だからこそ、同じような悩みや不安を抱えている人には、心に響く作品だと思います。

少しでも自分と重なる部分を感じられたら、ぜひ会場に足を運んでみてはいかがでしょうか?コメディなので気軽に笑える作品と出会いたいという人にもオススメです。きっと作品のキャラクター達の姿から、明日を前向きに生きる気力をもらえるはずです。

公演情報

※公演終了
くによし組「アキラ君は老け顔」
◼︎日程:2016年9月27日〜10月2日
◼︎会場:小劇場「楽園」
◼︎「アキラ君は老け顔」詳細・予約ページ
アキラくんは老け顔
劇団ホームページ:http://kuniyoshigumi.jimdo.com/
Twitter:@kuniyoshiiiiiii

◼︎國吉さんによる特別記事はこちら!
生きるのが下手な私の演劇業界の生き方~日常編~
生きるのが下手な私の演劇業界の生き方~処世術編~


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