やめたらどーなる、演劇人!?〜元舞台役者の職人に聞いてみた〜

やめたいと思っても、なかなかやめる踏ん切りを付けられないのが演劇です。

かく言う僕も、何度も「やめようかな」と思いました。それでも今までやって来たことを急にやめるのは怖いし、そもそもやめてからどうなるのか、何したら良いか分からなくて不安でやめられない。

そこで「分からないことは聞いてみよう!」と思い、実際に舞台を離れて、他の仕事をしている人にインタビューして来ました!

飾り職人 村上玲(25)

今回は筆者の学友であり、共演経験もある元舞台俳優の村上玲さんにお話を伺いました。

元々、芝居の経験は無く、大学に入学してから芝居を始めたと言う村上さん。大学時代は学生映画や小劇場の舞台などに出演。卒業後も役者活動を続けるかたわら、大道具の仕事などをして芝居に携わり続けるも、1年ほど前に役者を引退。

もともとモノを作るのが好きだったため、現在は指輪等を作る飾り職人になる。

自分一人で完結しないもどかしさで辞めることを決意

ーなんで舞台をやめたの?
村上さん(以下敬称略):舞台って、役者だけじゃなくて、演出家や脚本家、舞台監督、音響照明、そしてお客さんと様々な人が関わって完成する物であって、どうやっても自分1人では全部出来ないんだよね。もともとなんでも自分一人でやるのが好きだったのもあって、そのもどかしさみたいなものが、だんだんと「おもしろくないな」という気持ちに繋がっていった。まあ、そもそも集団行動が苦手だったし。

ーたしかに集団行動とか苦手だったもんね。
村上:それと役者を続けようとするとお金が必要。それと結婚とかしてみたいとか考えてもやっぱりお金が必要。

役者に金を使うか、その他の自分の好きなことにお金を使うか。その2つを天秤にかけて考えたら、役者を無理してやるまでのことは無いかなと思った。バイトでちまちまお金稼ぎながら、なんとか繋いで役者生活をしていくのは違うかなって。

でも、正直何やったらいいか分からなくて、そう考えてからは色んな事をしたよね。海外へ一人旅に行ったり、大道具の仕事してみたり、それこそ下北沢の路上で写真売ってみたりもしたよ(笑)。最終的に、もともと母親が実家で工房を持ってたり、自分もモノづくりが好きだったってのが繋がって、今の飾り職人の仕事に行き着いたんだよね。

役者を辞めて「相手のことを考える大切さ」に気付いた

ーざっくりとした質問だけど、実際にやめてみて、どう?
村上:離れてみて気付くことってたくさんあるなって思っている。一番は「役者の時は自分の事ばかり考えてた」ということに気づいた。そして「相手のため」という姿勢で取り組む仕事の方が、結果的に相手にも自分も嬉しいってことにも気づいたんだよね。

今やってる飾り職人の仕事は、相手(お客さん)の求める物を直接話して、要望を聞きながら指輪を作っていく仕事。結婚指輪を作らせてくれた友人とかもいる。そういう人達のためには、ちゃんとしたものを作ろうって気持ちになる。

指輪の作り方、加工の仕方には様々なものがあって、どうやって作ったのかなんて細かいところまで相手は知らないんだけど、その見えない部分にこそ「想い」みたいなものを込めて作っている。それこそが「相手の事を考える」という事なんだなと、指輪作りを通して学んだよね。

ー相手のことを考える仕事かぁ。確かにそういうこと意識出来ている人は少ないかもね
村上:役者時代は、本当に自分のことしか考えてなかったなと思う。まあ役者は自分が好きな人が多いしね、でも、改めてそれに気付いた時は「自分はすごくダサかったんだな」と思ったし、もし相手のことを考える大切さに気付いていたなら、今も演劇はやれていれたかもしれないなと思うね。

今後はより人の為になる仕事を

ー今後、どうなりたいって考えてるの?
村上:今は徐々に自分の趣味が仕事になりつつあって楽しい。今後はもっと自分の為にもなり、人の為にもなれるようなことをしていきたいかな。それで引き続き楽しく過ごして行きたい。

それと人が好きだから、色んな人に会って新しいことに触れていきたいね。仕事の姿勢や考え方が変わったから、最近は良い出会いも増えてるなって思う。

あと僕、パソコンやネット使えないんだよね。だから人に聞くしかない(笑)。情報源は殆ど人。こんなアナログな人間なかなかいないと思うけど。

まとめ

村上さんと筆者は学生の時、3年間同じ学生寮に住んでいました。あの頃の彼は本当にふざけた人でした。一緒にバカばかりやっていた彼が、自分の仕事に誇りを持ち、真剣に語っている姿は、正直とてもカッコよかったです。

想像以上に学びの多いインタビューとなりました。もう舞台で共演出来ないと思うと寂しい気持もありますが、演劇やお芝居を続けるのも辞めるのも自由。彼の様にとにかく色んなことをまずはやってみて、答えを出すのも1つの手段でしょう。

彼が言っていた「相手の事を考えて仕事に取り組む」のはとても大切なことだと思うので、今後の仕事に取り入れて、活かしていこうと思います。

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