小劇場演劇における小道具の仕事とは?

小劇場演劇における小道具の仕事とは?

舞台上を照らす仕事が照明、音を出すのが音響、舞台セットを作るのが美術。では小道具とは一体何でしょうか?

小道具には、大きく分けて2種類あります。ひとつは舞台セットを飾る「置き道具」と、もうひとつは役者が身につけたり持ったりして使う「持ち道具」です。

小劇場界において「置き道具」は、美術や舞台監督が用意することが多いので、今回は主に「持ち道具」に関するお仕事についてご紹介していきたいと思います。

※ちなみにネットで買える小道具の情報は下記の記事で纏めています。
ネットで買える舞台で使える小道具たち

小道具の仕事の流れ

小道具は主に、下記の流れにそって仕事を進めていきます。

  • リスト作成
  • 演出家との打ち合わせ
  • 資材収集
  • 使用確認と修正
  • 公演中のメンテナンス
  • バラシ(片付け)

各セクションの詳細

リスト作り

小道具の仕事は台本を読んで使用する小道具をリストアップすることから始まります。

台本の中には“ト書き”と呼ばれる、役者の台詞以外の動きやそのときの情景を記した部分があり、そこには「誰々が○○を持っている(例:太郎が大根を持って立っている)」というふうに、具体的に使用する小道具が記されているので、そういったところをくまなく拾い上げていき、必要そうな小道具をリストアップしていきます。

加えてト書きだけではなく、台詞の中にも小道具のヒントが隠されていることもありますから、想像力を働かせて、より作品が豊かになるように考えながらリストを作り上げていきます。

演出家との打ち合わせ

作ったリストと台本を突き合わせて、演出家と打ち合わせをします。打ち合わせの中では、細かい小道具のディテールについてはもちろん、台本には無いが演出でこういう事をやりたいのでこういった小道具か欲しい、とか、逆にこの小道具は要らないなどの演出家の要望を受け手、必要な小道具を具体的に決めていきます。

打ち合わせが終わって、初めて実質的な用意に取りかかります。

資材収集

小道具を作るのに必要な資材を集めていきます。一口に「集める」と言っても様々です。誰かが家に持っていそうなものは団体内で募集をかけたり、様々なお店を回ったり、ネットで検索して買い集めたりします。

どこにも売っていなさそうな特殊なものは一から作成します。その場合はなるべくお金をかけずに面白いものを作れるように知恵をしぼります。まさに「アイデア勝負」です。オリジナルの小道具を作成する際には、100円ショップはとても重宝します。

また、最近ではネットオークションが非常に身近なものになり、どこに売っているのか分からないようなものが意外と安価で取引されているケースが多いので、小道具にとっては大きな手助けとなっています。

使用確認と改善

そうして頭と足と手を使って集めた小道具は、出来上がったものから随時稽古場に持っていって、実際に役者や演出家に使用感を確かめてもらい、様子を見ます。

小道具は役者さんの演技に密接に関わるものですので、演技を妨げるような仕様になっていてはいけません。また、演出家からNGが出てしまうこともあります。そういった場合は持ち帰って問題点を改善します。これを繰り返して、実際に本番で使う小道具を一つずつ確定していき、劇場入りまでにすべての小道具を揃えます。

公演中のメンテナンス

小道具の仕事は全てのアイテムが用意出来ればそれで終わり、という訳ではありません。使う役者も見ているお客様にもストレスなく千秋楽を迎えられるように、公演期間中はメンテナンスに仕事の内容をシフトチェンジします。

中には壊れやすい素材で出来ているものがある場合もあります。その場合速やかに修繕出来るように常に道具は用意しておかなければいけません。また「消えもの」と言って、食べ物など一回の公演で無くなったり使えなくなってしまうものもありますから、それらのストックの準備も怠らない様にします。

バラシ(片付け)

公演の全日程が終了したあとの撤収作業のことを演劇用語で「バラシ」言いますが、これは小道具にももちろんあります。

劇団などの公演ですと、また別の公演時に再利用できそうなものや、再演の可能性がある作品の場合特殊な小道具を保存しておくこともありますが、それ以外のものは原則的に処分してしまいます。

汗水流してかき集めたもの達を処分してしまうのは何とも言えない気持ちになりますが、全部持って帰ったところでいずれ自宅がガラクタだらけになるだけなので、割り切って捨ててしまいます。すべての小道具の行き先を決めたところで、小道具の仕事は終了となります。

まとめ

小道具を用意する上での細かい配慮やあっと驚くようなアイデアは、ときに作品に説得力を与え、ときに作品に深みや彩りを添えます。

小道具に限らず、舞台作りに関わる仕事はどのセクションも非常に儚いものです。そういった「一瞬にかける情熱」とも言えるスタッフワークに注目して演劇を観るのも、また違った発見があるかもしれません。

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