小劇場における「制作」の仕事とは?

小劇場と言われる界隈で活動する団体によっては、制作をつけないと言うところもあるでしょう。制作の仕事を関係者でなんとなく分担している事も多いと思います。

制作とは、主宰と並び、キャストや他のスタッフの誰よりも早く公演に携わり、そして誰よりも最後に団体を去る仕事です。具体的に何をするセクションなのか、今回はその業務について簡単に紹介して行きたいと思います。

顔合わせに至るまでの主な仕事

作品づくりに入る前段階から、制作の仕事は始まっています。

1:予算組み、及び管理

劇場には最大収容人数、「キャパシティ」が存在します。集客数に限界があると言う事はつまり収入にも限界があると言う事です。

予算組みは、この限界の収入から劇場費等の出費を差し引き、「何にどれくらいお金をかけるか」、もしくは「これをするにはどの程度の収入が必要か」を考え、チケット料金・ステージ数の設定を行う作業です。

実際にお金が動き出してからも全体の予算を超えないよう常に管理を行います。

2:票券管理

票券とはチケットの事です。予約管理と呼ぶ事も多いでしょう。決してキャパを超えないよう、そして「誰がいつ、どのような精算方法で観劇に来るか」を把握します。

最近主流となっている「こりっち」や「カルテット・オンライン」等、便利な票券管理システムを利用すれば、席数を設定した後はキャンセルや問合せへの対応が楽になります。

3:稽古場押さえ

座組の人数や所在地などを考慮し、稽古内容に適した場所を確保します。

予算に余裕がある場合はスタジオを長期で、格安で済ませるなら地域集会所等を利用します。余談ですが、稽古場転々とする事を「ジプシー」と呼んだりします。

4:各種連絡業務

稽古スケジュールなどの伝達事項を関係者に行います。時には団体の窓口となって、お客様へ公演についての連絡を行うこともあります。

5:顔合わせ

良いスタートが切れる様、極力全員が参加出来るようスケジューリングをします。

また顔合わせ当日は全体の司会進行、予約方法・稽古場での注意説明等を行います。

劇場入り〜本番終了までの主な仕事

稽古期間中は前項い書いた様な業務をを継続的に行います。劇場入り後は以下の業務を行います。

1:本番に向けた諸々の準備

当日に向け、パンフレットやチケットの作成、お釣金の準備など当日必要な備品の準備をします。

また、座席の準備も重要です。殆どの小劇場は座席が固定ではありません。椅子の並べ方次第で想定のキャパシティを上回ったり、或は見切れ等によって下回ったりする事もあります。席数は収入や予約に影響するので、下回らない様に特に注意が必要となります。

3:受付対応・誘導整理

開演前は受付業務や場内案内、荷預かり等を行います。特に入場が集中する開演の10分前からは、その手腕が問われます。

また、席への誘導も行ますが、その際には遅れて来るお客様を想定して途中入場しやすい席を残すなどの気配りも重要です。

4:打ち上げ準備

公演終了後の打ち上げの店の予約及び幹事も制作が担当します。セッティングから会費徴収まで、皆が楽しく打上れる様にする最後の大仕事です。

打ち上げ中のイベント、「大入り袋」の準備も忘れてはいけません。(大入り袋とは客席が満員御礼になった時に関係各社に配るものです。小さなポチ袋に「大入」と書いてあります)

5:精算業務

無事公演が終了した後は、精算作業に入ります。支払いが残っている場合はそれら全てを精算し、そして最終的な集客、収入・負債を主宰に報告します。

以上が主な制作の仕事となります。公演にまつわる様々な業務を正確かつ柔軟に対応しながら管理するのが主な仕事です。
冒頭にも書きましたが、キャストや他のスタッフの誰よりも早く公演に携わり、そして誰よりも最後に団体を去るのが制作という仕事です。

+α業務

優先順位としては上記業務よりも低めに設定される事が多いのですが、決して軽視は出来ない、キャスト・スタッフのケアも大事な仕事の一つです。下記の様なことが出来る制作は「デキる人」として様々な現場でも重宝されます。

1:ケータリング手配

予算が厳しい場合は大概贅沢品として扱われますが、皆のモチベーションにも影響するケータリング。

劇場や稽古場の立地、予算や保存方法等の条件、そして男女比など様々な事を考慮し、如何に皆に喜ばれる物をセレクト出来るか、基本的な制作業務をこなした上で出来る・出来ない制作さんのレッテルはここで貼られると言っても過言ではないでしょう。

2:不足の自体に備えた備品保有

これは言ってしまえば「持ってる?」に対する「あるよ」の即答です。

不測の事態は致し方ないですが【絆創膏】【湿布】程度は常備しておきたいところ。また、制作が持っているであろうと頼られる事の多い【文房具一式】は必須でしょう。

季節によっては【虫除け】も要望されます。そして【伝票】はあると何かと便利です。

制作の手腕次第で全体のストレスが緩和され、不思議と作品つくりも円滑に進む様になります。

最後に:制作とは

今回、実務的な事を簡単に挙げて行きましたが、場合によっては全てをやらなかったり、或はこれ以外の雑務を任せられる事もあります。しかし、役者がただ台本通り台詞を発すだけを仕事としていないのと同様、制作もただこれらの業務を行うだけではありません。

これら制作業務の根底には「作品作りをする為」、「作品を観て貰う為」と言うのがあります。言わば公演に関係する不特定多数の「人のため」を行うセクションが制作なのです。

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