どんなに頑張って稽古しても、観にきてもらえなきゃ意味がない!お客様は多いに越したことはありません。演劇を行う人にとって、本番までに、どれだけ周りに興味をもってもらえるかが勝負です。
観客獲得のため、SNSやメールで宣伝活動をする人も多いかと思います。その際に最低限気を付けてほしいことをまとめてみました。
一般的な宣伝文の構成
演劇の宣伝文には下記のような構成のものが一般的です。
このように公演の情報を最低限まとめたものを、その芝居の主宰者側の関係者が宣伝テンプレートとして作成し、カンパニーメンバーに共有します。
メンバーはこの宣伝テンプレートをもとにSNSで宣伝記事をUPしたり、メールに貼り付けるなどして宣伝活動をおこないます。
宣伝する際の4つの注意点
宣伝テンプレートが出来上がり、いざ宣伝をする際に注意すべき点を大きく4つに分けて紹介します。
1.テンプレートのみで宣伝を行わない
先に説明した、公演の情報の書いてある宣伝テンプレートだけで宣伝をしようとするのはやめましょう。
件名には「次回出演公演のお知らせ」等メールの中身が分かるような内容を明記し、本文の初めには簡単な挨拶、終わりには必ず宣伝メールに目を通してくれたことに対する感謝の気持ちを述べましょう。
これは演劇に限らず、何かを相手にお願いする際の最低限のマナーです。
2.メールの一斉送信を使用しない
宣伝メールを送る際、一斉送信は基本的に使わないようにしましょう。
送る側にとっては楽に大勢へ向けて宣伝が出来るため、つい使いたくなってしまいます。しかしはっきり言って、宣伝メールを一斉送信する行為は「宣伝していない」のとほぼ同義になるといっても過言ではありません。
もし、自分が一斉送信による宣伝メールを受け取ったとして、「観にいきたいな」「せっかく知らせてもらったんだから、行ってあげたいな」という気持ちになるでしょうか。個別にメールをするのは、たしかに手間がかかるかもしれません。しかし、一人一人に心をこめてメールを送る方が、受け取り手の気分も良く、効果も期待できるのです。
3.一媒体での宣伝のみに頼らない
LINEで宣伝したからもう安心、Facebookに宣伝記事アップしたから大丈夫、という考え方ははっきりいって甘いです。
人によってはLINEではなく別のアプリを常用しているかもしれないし、Facebookは登録しているだけでほとんど見ていない可能性もあります。最低限、一人に対して二つの媒体を用いて宣伝するようにしましょう。
もちろん、しつこくなりすぎないように注意は必要です。メールとTwitter、LINEとFacebookなどバランスを考えてアプローチをしましょう。また、無駄な宣伝行為をしないために、普段相手がどのSNSを頻繁に利用しているかリサーチするのも大切です。
4.演劇関係者以外の人にもわかりやすい宣伝を心がける
ついやってしまいがちなのが、「相手も演劇が大好き」なのを前提として宣伝文を書いてしまうことです。「あの名作!○○を△△が演出!!」などと書かれても、普通の人にはわかりません。
メールやLINEなど一個人に向けての宣伝文ならまだいいですが、TwitterやFacebookなどの不特定多数の人が見る場に宣伝文を載せる場合には、特に気を付けましょう。
その気遣い一つで、興味のなかった人が演劇の世界に足を踏み入れる、大きなきっかけをつくることが出来るかもしれません。そういった、普段は見えにくいですが確かに存在している、「観客となりうる人たち」にもしっかりとアピールすることが、長い目で見て非常に大事です。
まとめ
大きく4つ注意すべき点を述べましたが、これはあくまで最低限のラインであり、社会常識的なものです。
宣伝メールひとつとっても、しっかりとマナーがなっている人の出演作と、そうでない人の出演作とでは、どちらを観に行きたいと思うでしょうか。一人でも多くのお客様にご来場いただくためにも、まずは細やかな気遣いで、宣伝する相手のハートをつかむことが大切です。