小劇場劇団あるある「顔合わせ」に潜む魔物

小劇場劇団あるある「顔合わせ」に潜む魔物

様々なメンバーで1つの舞台を作っていく芝居において、その最初のスタートである「顔合わせ」はとても重要な儀式です。

どんな共演者がいるのか。どんな台本で演出家はどんな人なんだろうか。カワイイ人は、かっこいい人はいるのか。など様々な不安や期待で胸がざわつきます。そんなざわめきを胸に秘めて臨む「顔合わせ」に潜む魔物について書いてみます。

集合時間前:共演者らしき人に遭遇すると気まずい

そもそも「顔合わせ」とは「稽古の初日」です。そんな大事な日に遅刻するわけにはいきません。そこで早めに会場に行きます。すると、当たり前ですが、まだ会場は準備されてません。と言うか小劇場劇団の場合は稽古場に公民館などを使う場合が主なので、時間にならないと部屋が開きません。

そして自分と同じように考えて、早めに来る人は他にもいます。初対面です。顔を見たこともありません。でもね、なぜか分かっちゃうんですよね。「この人たぶん共演者だ…」そんな思いが頭に浮かぶのです。この思いを抱えたまま2人で言葉も交わさずに過ごす時間はとても気まずいです。

喫煙所は危険地域、しかし仲良くなるチャンスも

役者には喫煙者が多いです。近くの喫煙所でばったりと共演者らしき人出会った場合には、タバコ吸ってる間はそこから離れませんし、物理的にも距離が近くなります。公衆の喫煙所では何とも思わないのに、この場合の喫煙所の居心地の悪さは最悪です。

ですが、ここで勇気を出して話しかけることが出来ると状況は一変します。1人で待つ不安からも解放され、穏やかな気持ちで顔合わせに臨めることでしょう。しかし、その次に来た共演者が相手の知り合いだった場合、会話に入ることも出来ず、盛り上がる2人を見て、孤独感と謎のジェラシーを感じることになります。

関係者や制作の人が準備を始めたら

ちなみに1人で待ってる時に劇団関係者や制作の人が準備しに来た場合、ポツンと立っているだけだと、ものすごーーーーく気を使わせることになるので、そうなったらもう一緒に準備をしてしまいましょう。

気まずさを避ける集合時間前の上手な過ごし方

上記の様な気まずさを避けるには「近くのカフェでコーヒーでも飲んで待つ」というのが正しい選択と言えるでしょう。最も共演者らしい人に出くわす可能性が低く、例え出くわしても周りは他にもお客さんがいるので紛れることが出来ます。

本読み中:学力がバレる

キャスト、演出家、制作など、一通りの関係者が揃い、自己紹介などもして、いよいよ本読み開始です。小劇場劇団の場合、台本を事前にもらえることがあまりないため、大体が初見で本読みになります。

その場合、分からない漢字などの読み方を調べることが出来ず、本読みの際に間違った読み方をしてしまう人が1人はいます。間違えた瞬間にバカのレッテルを貼られます。周りの人はあたたかく見守ってあげてください。間違えた人は気を落とさずに今後の稽古で取り返していきましょう。大丈夫。周りは君の味方のはずですから。(ちなみに筆者はよくこの1人になります。)

本読み後:何とも言えない服装の人が1人はいる

本読みも終わり、周りの人にも少しずつ慣れつつあります。そうするとさっきまで気にしていなかったものが見えてくるようになります。それはみんなの服装です。役者をやっているだけあってか、服装自体は人により様々ですが、大概の人がお洒落です。ですが、その中に1人だけ違うのがいます。それが「なんとも言えない人」です。

お洒落ではない。個性的でもない。でも、ものすごくダサいと言うわけでもない。なんというか、なんとも言えない。そして不思議なことに、このタイプにはいい人が多いです。彼らは優しいのです。その共通点は「なんとも言えない服装」と言うことしか分かっていませんが、初日で不安だったら積極的に彼らに話しかけることをオススメします。きっとあなたにも優しく接してくれるでしょう。

小休止の喫煙所には再びチャンスタイムが訪れる

ちなみに本読みの途中や本読みが終わった後に一度、小休止が入ります。その時に喫煙所に行けば他の共演者もいることでしょう。「初対面、まだそんなに会話もしていない」そんな状況のときこそ喫煙所にはチャンスタイムが訪れます。タバコを吸わない方でも見たことはあると思うのですが、大体の人が喫煙所から帰ってくると仲良くなっています。

彼らは別にタバコの話をして仲良くなっているわけではありません。特に特別な話題があるわけでもありません。なぜか喫煙所と言う場所は人と人の距離を少し縮めてくれるのです。

ちなみに、このチャンスタイムを期待して喫煙所に行ってみたら、自分以外に吸う人が誰もいなく、1人で吸うことになると、今後の稽古のことを考えて少し不安がよぎります。そして部屋に戻るとみんなが少し打ち解けています。すると今後がもっと不安になりますが挫けずに頑張りましょう。

顔合わせ終了時:集合写真の表情がかたい人がいる

無事に顔合わせが終了すると、最後に集合写真を撮ります。このときのポジション取りはとてもギクシャクします。お互いの距離感もまだ掴めていない人たちの集団が集合写真を撮ろうとしてるのですから、その場の空気感は「一体感のある写真を撮ってる」と言うより「人がいっぱい写ってる写真を撮ってる」という感じです。

それでも流石は皆、役者なだけあっていい顔して写真に写ってます。写真だけ見てみると意外にも仲よさそうです。でも、そんな皆がいい顔してる中に、1人だけ顔のかたい人が必ず1人います。千秋楽が終わって打ち上げで見てみると、皆で爆笑出来るくらいカチコチの表情で写ってるのです。やはりまだ初日、全員が完全に打ち解けるにはどうしても時間がかかるのですね。

まとめ

はじめにも書きましたが、顔合わせとは様々なメンバーで1つの舞台を作っていくその最初のスタートです。

不安で胸がいっぱいになるかもしれませんが、新しい出会いもこの業界の楽しみです。知らない人だらけの現場でも、共演者のほとんどが自分の過去の共演者を知っていたり、はたまた共演していたりする場合が多いです。それだけ狭い世界なんだと日々痛感します。

ただ、そのスタートの日にはこれだけの魔物が潜んでいるのです。この魔物達にくれぐれも注意して、変な第一印象を周りに与えないように気を付けましょう。どこで誰がどう繋がっているか分からないですからね。狭い世界ですから噂が広がるのも早いです。

小劇場劇団あるある「顔合わせ」に潜む魔物

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