小劇場演劇における「演出家」の仕事とは?

小劇場演劇における「演出家」の仕事とは

映画、演劇、テレビドラマ、アニメ等、主にクリエイティブな仕事場で目にすることが多い「演出家」という職業。言葉としては聞いたことがあっても実際にどういった仕事をしているのか知らない方も多いと思います。

ここでは「小劇場演劇」における「演出家」が行っている仕事について紹介をしていきます。

仕事は大きく3つ

小劇場演劇において、演出家が行う仕事は大きくは下記の3つです。

  • キャスティング
  • 稽古場での「決め事」作り
  • スタッフとの情報共有

1つずつ説明をしていきます。

役者を集める「キャスティング」

芝居を行うためには役者が必要です。役者を集めるのが演出家の最初の仕事です。上演が決まった戯曲に対して、それぞれの役に適した役者(キャスト)を集めていく作業を「キャスティング」と呼びます。
※戯曲:舞台の台本のこと

役者の集め方としては主には下記2つの手法を取ります。

  • オーディション
  • 知り合いに声をかける

一般的には知り合いで役の一部は決まっていて、埋まらない役を公募制のオーディションで集めるというパターンがほとんどです。

キャスティングは通常2〜3ヶ月位をかけて行われることが多いです。場合によっては中々良い役者が見つからないこともあり、根気のいる作業になりますが、共に良い芝居作りをするためにより良い役者を選ぶことは、芝居作りにおいて重要な作業のひとつです。

稽古場では「決め事」を作る

演出とは舞台における「決め事」を作ることです。上演する戯曲をどのように解釈するのか。役者の動かし方、台詞はどの様に言ってもらうのか。音楽を鳴らすタイミング。照明変化など、芝居の上演に関わる一切の「決め事」を作るのが、演出家の稽古場での仕事です。

稽古で難しいのが「進め方やり方に正解はない」ということです。
効率の良い稽古だからといって、面白い芝居が出来上がるとは限りませんし、散々回り道をした結果、良い芝居が生まれることも、けっして珍しいことではありません。

その戯曲や関わる人々の特色、稽古日数などを考慮したうえで「決め事」を作り、役者に実践させる。これが稽古場での演出家の仕事です。

本番に向けたスタッフとの情報共有

本番を行う劇場へと入る前に、稽古場で決めた上演する芝居の「決め事」の全てを、本番で一緒に仕事をする照明、音響、舞台監督等のスタッフに共有しておきます。そうして劇場に入った後には、スタッフ達と「場当たり」と呼ばれる上演の最終確認を行います。

その後、本番同様に本編を行う「ゲネプロ(リハーサル)」をしたうえで、いよいよ初日の幕が開きます。初日の幕が開けば、演出家の仕事はほとんど終わったも同然です。その瞬間、芝居は演出の手を離れ、役者と観客のものになります。

しかし、観客の反応を見てしばしば本番期間中に演出を変更してみたり、うまくいかないところは劇場でも稽古をしたりと、自分の作った芝居に最後まで手を加え続ける演出家は少なくありません。初日と千穐楽(公演の最終日)の演出が全然違った、なんてケースもよくあります。

「演出家」は「野球監督」とよく似ている

「キャスティング」、「稽古」、「スタッフへの情報共有」を行い、無事に舞台を成功へと導くために行う演出家の仕事は野球の監督にも似ています。プレーヤーを集めてチームをつくり、そのチームと試合(本番)に向けて練習(稽古)の指揮をとり、本番はその成果を見守る。負けたら批判も受ける。

それが次回も同じメンバーで公演を行うことがあれば、次回の試合(本番)は前回より良い内容になるようにまた練習を重ねる…と、文化系、芸術系だと捉われがちな舞台演出家ですが、意外と根本はスポーツマンなのかもしれません。

小劇場演劇における「演出家」の仕事とは

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